ちぎれた翼U 第10話
寒々とした荒野の中で、太陽の光を浴びてキラキラと輝く光沢のある鮮やかな赤色の競泳用水着のようなデザインがあしらわれた部分。それを穿いているものの臀部と股間をしっかりと守っているであろうその水着が、今では淫猥なオーラを醸し出しているようにも思えた。
「…あ…、…あぁぁ…!」
寒々とした荒野の中で十字架に磔にされているレッドホーク・天堂竜。彼を死に直面するようなダメージから守っているバードニックスーツ。白と赤色の鮮やかなコントラストを描いているそれが、最早、その機能を失おうとしていた。
そんな彼の2本の足の付け根。彼の男子としての象徴であるペニスが赤色の競泳用水着の中で臍へ向かって雄々しく勃起していた。
「…おおお…!」
そんな竜の目の前に佇む一人の男。次元戦団バイラムの幹部・トランザ。その目が野獣のようにギラギラと輝き、頬を赤らめ、口元には不気味な笑みが浮かんでいた。
「…素晴らしい…!…何と素晴らしいのだ、レッドホーク…!」
心なしか、呼吸を荒くし、白と黒であしらわれたマントのような服の上から、自身の大きく勃起したそれを揉みしだく。
「小麦色に焼けた肌。その膨らみに息づくココナッツ色の突起。そして、その下に息づく、お前のペニス!」
そう言うとトランザはウットリとした表情を浮かべ、
「…まさに、…我がコレクションになるには十分な逸材だ!!」
「…コッ、…コレクションなどになってたまるかぁッ!!…さっさとこの拘束を外すんだッ、トランザぁッ!!」
目を忙しなくきょときょとと動かし、半ば怯えた表情でトランザに怒鳴る。だが、その声は微妙に震え、全く説得力がないのも分かっていた。そんな竜を嘲るかのように、トランザの右手が竜の股間へと伸び始める。
「やッ、止めろオオオオッッッッ!!!!触るなああああッッッッ!!!!」
普段から大きな目を更に見開かせ、怯えた表情の竜が掠れた声で叫ぶ。だが、トランザの腕は止まらず、ゆっくりと竜の股間のそれを包み込んだ。
「んああああッッッッ!!!!」
その刺激に竜が悲鳴に似た声を上げて体を仰け反らせ、バードニックスーツを引き裂かれて露わになった、隆々とした胸の筋肉を惜しみなく晒す。竜の汗と脂が太陽の光にキラキラと反射する。
「…あぁぁ…!!」
ウットリとした表情でそれを見つめるトランザ。
「…レッドホークのペニス…、…何と太く、硬く、熱いのだ…!…それにこの先端は括れまでクッキリと浮かび上がっているではないか…!!」
そう言ったトランザが一瞬、フッと笑ったかと思うと、
「だが、ブラックコンドルのそれよりは小ぶりか…?」
と言った。
光沢のある赤いバードニックスーツ。そこに一際目立つ竜のペニス。太く長いそれは臍へ向かって真っ直ぐに伸び、よく見ればその側面に血流が見えるほどであった。そして、竜の心臓の脈動と合わせるかのようにビクンビクンと蠢き、バードニックスーツのその部分を押し上げていたのだった。
「それだけではない!!レッドホークのペニスの下のこの2つの球体。何とふてぶてしく、何と重量があるのだろう…!!」
そう言いながら、竜のペニスを包み込んでいたトランザの指がゆっくりとそれを伝いながら下りて行く。そして、竜の2本の足の付け根の奥深くへ入る直前にくるりと手の向きを変え、指で竜の股下を撫で上げる。そして、そのまま竜のふてぶてしい2つの球体を確かめるかのように這い上がり、大きく勃起したペニスを撫で上げ、先端まで来ると再び手の向きを変える。その繰り返しが何度も続いた。
「…んんッ!!…く…うう…ッ!!…んあ…ッ!!」
その刺激に、竜が思わず声を上げる。そんな竜を見たトランザはニヤリと笑い、
「貴様、感じているのか?」
と尋ねる。すると竜は、
「…ッ!!」
とトランザを忌々しく睨み付けると、歯を食い縛り、必死に耐えようとする。
「フフッ!無駄だ、レッドホーク!」
そう言ったトランザが、自身の顔を少しずつ竜のペニスへと近付けて行く。
「…やッ、止めろオオオオッッッッ!!!!止めてくれええええッッッッ!!!!」
竜が怯えた目でトランザを見下ろす。次に何をされるのか、何となくだが分かっていた。
「…この独特の香りが堪らんな…!」
トランザはそう言うとほうと溜め息を吐き、紫色の唇を尖らせた。そして、
チュッ!
と言う音を立て、真っ赤なバードニックスーツに浮き出ている竜のペニスの先端へ音を立てて口付けた。
「はああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
竜の掠れた悲鳴が、時折、声を裏返りさせながらこだまする。
…チュクッ!!…チュクチュク…ッ!!
次にトランザは、竜のそんなペニスの先端をゆっくりと口の中に含み、刺激を加え始めた。
「…んんッ!!…ああッ!!…くあ…ッ!!…はぁ…ッ!!」
その刺激に必死に耐えようとするが、今までバイラムとの戦いに明け暮れていた毎日だ。そんなことはご無沙汰だった。それゆえ、トランザの愛撫を甘受している自分もいたのは確かだった。
「…んんッ!!…んんッ!!…んんんんッッッッ!!!!」
竜の体がビクンビクンと跳ねるたびに、小麦色に焼けた上半身とその胸の突起が淫猥に跳ね上がり、太陽の光を浴びてきらきらと輝く。
「…フフフ…!」
するとトランザは竜のペニスの先端から口を離したかと思うと、舌を大きく広げて口から出した。
「…あ…あ…あ…!!」
それを見ることしか出来ない竜。トランザはやや前屈みになると、竜の足の付け根部分へ顔を近付け、口から出した大きな舌でゆっくりと竜の股間を舐め始めたのである。
「…ううッ!?…うああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
竜の悲鳴が再び響き渡り、同時に、
ザリッ!!ザリッ!!
と言う音を立ててトランザがバードニックスーツ越しに竜の股間を舐め上げる。そして、舐め上げられた部分は光沢を失い、竜のペニスが更にクッキリと浮かび上がった。
「ああッ!!ああッ!!ああああッッッッ!!!!」
竜の目に涙が浮かび始める。
ザリッ!!ザリッ!!
竜のレッドホークのバードニックスーツと、トランザの舌が擦れ合い、鈍い音を立てる。と同時に、トランザが舌に力を込めているのか、股下からペニスの先端へ向かって舐め上げるたびに、2つの球体が盛り上がる。
「…止…めろ…!!」
体を仰け反らせ、屈辱に必死に耐える竜。その声が震えている。
「…もうッ、…止めてくれええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、その時だった。
「…そうだった…」
不意にトランザが、竜の股間を舐めるのを止めたのである。そして、ニヤリと笑ったかと思うと、
「レッドホーク、お前に会わせたいヤツがいるんだった」
と言ったのだ。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ…!!」
荒い息をしながら、懸命にトランザを睨み付ける竜。だが、そんな竜にはお構いなしに、
「そんなに慌てるなよ、レッドホーク。感動のご対面なのだからな!」
と言ったかと思うと、トランザの横にすぅっと人影が現れた。
「!!!!」
その人影が実体化した途端、竜は目を大きく見開き、言葉を失った。