ちぎれた翼U 第12話
「…レッドホークに、快楽を…!」
そう言ったトランザの目がギラリと光り、口元には勝ち誇った笑みを浮かべていた。
「…や、…止め…ろ…!!」
それとは正反対に、怯え、目に涙を溜めたレッドホーク・天堂竜。白い十字架と小麦色の強靭な肉体がコントラストを描く。だがその体は小さく震えていた。
「…止めろ…、…凱…ッ!!」
そして。トランザと竜の間に立つ1人の男。ブラックコンドル・結城凱。コンドルの顔をあしらった黒いマスクが、十字架に磔にされた竜をじっと見つめていた。まるで、獲物を捕らえるために照準を合わせたかのように。
「…さぁ、ブラックコンドル。お前の女泣かせのテクニックで、レッドホークを狂わせてやるのだ…!」
いかにも2人をバカにするかのようにフンと鼻で笑うと、トランザはやれやれと言う顔付きをした。
「…あ…、…あぁ…!!」
竜が小さく悲鳴を上げる。ブラックコンドルにクロスチェンジしている凱がじりじりと竜との距離を縮めて行くのだ。
「…止めろ…ッ!!…止めろオオオオッッッッ!!!!」
じりじりと寄って来る凱に対して叫ぶ竜。その体が無意識に後退りをしようとする。だが、磔にされた十字架の柱に邪魔をされるだけではなく、両手両足を拘束されていては動くことすら出来ない。その小麦色の上半身がブルブルと震え、逞しい胸板がその振動で小刻みに揺れる。
「フハハハハ!!無様だな、レッドホーク!!今までの威厳はどうした?」
トランザが勝ち誇ったように言う。だがすぐにフンと再び鼻で笑い、
「まぁ、いい。貴様はブラックコンドルに犯されるのだ!!」
と言った。その時だった。
ガシッと言う音と共に、竜の右胸が白いグローブに握られていた。
「…うわああああああッッッッッッ!!!!!!」
その時の凱の顔を、竜は忘れることはないだろう。ブラックコンドルの、コンドルをあしらった精悍な顔付きのマスクがいつの間にか外れ、そこから顔中、至る所にうっ血した跡が窺える顔があった。その目には戦士としての光が灯っておらず、自ら敗者と言っているような顔がそこにはあったのだ。
「…竜…!…竜…ッ…!!」
その光のない目から、ポロポロと涙が零れる。
「…どうして、…どうしてこんな…!!」
その時、凱は不意に俯いた。だが次の瞬間、ニタァと不気味な笑みを浮かべ、目をギラギラと輝かせて竜を見上げたのだ。
「うわああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
竜が絶叫する。と同時に、凱の顔が竜の右胸のココナッツ色の突起に近付く。そして、
チュッ!!
と言う音と共に、それに吸い付いたのである。
「はああああああッッッッッッ!!!!!!」
その刺激に、竜は大きく目を見開き、体を大きく弓なりにした。
…チュクチュク…ッ!!…チュッ!!…クチュッ!!
凱は容赦なく竜の右胸の突起を責め立てる。舌先で突いたり舐めたり、突起の周りのココナッツ色の部分を円を描くように舐め上げたり。時に甘噛みをしたり。
そして凱の右手は竜の左胸の突起を刺激する。指で弾いたりくすぐるようにしたり、右胸と同じように突起の周りのココナッツ色の部分を円を描くように撫でたり。時にキュッと摘まんだり。そのたびに竜は、
「…んん…ッ!!…く…ッ!!…くあ…ッ!!…んんん…ッッッ!!!!」
と顔を真っ赤にして懸命にその刺激に耐えようとする。
「フフッ!どうだ、レッドホーク。親友に快楽を教えてもらうと言うのは…?」
トランザがそう言う間にも、凱は竜の胸を優しく愛撫し続ける。
「…ふ…ッ!!…んん…ッ!!…く…ふぅ…ッ!!」
その刺激を何とかして反らそうと、竜が体を必死に捩じらせる。だが思うように動かない体は、ただくねくねと淫猥に動いているだけだ。
「…や…、…止めろ…ぉ…ッ!!…凱…ぃ…ッ!!」
顔を真っ赤にし、目を固く閉じて竜が言う。とその時だった。
凱の右手がゆっくりと竜の体を下りて行ったかと思うと、
「んあッ!?」
と竜が素っ頓狂な声を上げたのである。
「…あ…あ…あ…!!」
恐る恐る目線を下へ移す竜。上半身がボロボロに引き裂かれたレッドホークのバードニックスーツ。その光沢のある赤い競泳用水着のようなデザインが施されている腰の部分。その中心の大きな盛り上がりを、ブラックコンドルの真っ白なグローブが包み込んでいた。竜の2本の足の付け根、竜の男子としての象徴、ペニスが息づく場所。
「…うう…ッ!!」
信じたくない光景、一番目にしたくない光景がそこにはあった。
「うわああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
竜が掠れ声が混じる悲鳴を上げる。
「止めろオオオオオオッッッッッッ!!!!!!止めてくれええええええッッッッッッ!!!!!!」
だがそんな竜の悲鳴が届いていないのか、凱は相変わらず竜の右胸の突起を舐め続け、右手は竜の大きく勃起したペニスをゆっくりと撫で始める。
「…んんん…ッッッ…!!!!…んんんんッッッッ!!!!!!!!」
竜が懸命に体を動かそうとする。
「…くっそオオオオオオッッッッッッ!!!!!!離せええええええッッッッッッ!!!!!!」
「ハーッハッハッハッハ!!!!」
堪え切れなくなったのか、トランザが火が点いたように笑い始めた。
「無様だ!!無様にもほどがあるぞ、レッドホーク!!」
目に涙を溜め、ゼエゼエと大きく肩で呼吸をするトランザ。その顔は興奮のせいか、真っ赤になっている。
「いいぞ、ブラックコンドル!!もっとだ!!もっともっとレッドホークを甚振るのだ!!」
トランザの目が野獣のようにギラギラと輝いている。
すると、凱の右手が竜の大きく勃起したペニスをグッと握った。
「…覚悟しろよ、…竜…!」
「…や、…め…ろ…!!」
竜の目に涙が溢れ、ぽろぽろと頬を伝う。
「…てめえはオレを裏切った…!…その報い、…たぁっぷり受けてもらうぜッ!!」
凱はそう言うと、竜のペニスを握っていた手をゆっくりと上下し始める。
「…んあ…ッ!!…ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
その刺激が始まった途端、竜の体がビクンと跳ね、凱の手の動きに合わせるかのように淫らな声を上げ始めた。
「…やッ、…止め…ろぉ…ッ!!」
ビクンビクンと体を跳ねらせながら、懸命にその刺激に耐えようとする竜。
「無駄だ、竜!」
凱の声がいつもよりも低く聞こえる。
「…オレのテクニックには、誰も抗えないからな…!!」