ちぎれた翼U 第13話
太陽の光を浴びて、キラキラと輝く下半身。赤と白を基調とし、装着者の体付きをクッキリと表すかのように纏わり付いたバードニックスーツ。
その腰回り。競泳水着のようにV字にあしらわれた赤い部分。その中心部が大きく盛り上がり、その上に白いグローブに包まれた手が置かれていた。いや、正確には赤い生地の中で大きく膨らんだものをギュッと握り、ゆるゆると上下している白いグローブと言った方がいいだろう。
「…んん…ッ!!…く…ッ!!…くああ…ッ!!」
白い十字架に磔にされ、筋肉質な上半身を曝け出しているレッドホーク・天堂竜。その大きく膨らんだ胸が大きく上下している。その顔は真っ赤になり、目を硬く閉じ、上を向いたり下を向いたり、忙しなく動く。そして、肩の高さで両横に広げられた両腕の先では、真っ白なグローブに包まれた指が握ったり開いたりを繰り返す。
「…ほぉら。…どうだぁ、…竜…?」
そんな竜の目の前では、竜とは対照的に黒と白を基調とし、キラキラと輝くバードニックスーツを身に纏った男、ブラックコンドル・結城凱がニタニタと不気味な笑みを浮かべながら、竜の大きく膨らんだペニスをレッドホークのバードニックスーツ越しに握り、ゆるゆると上下していた。
「…オレのテクニックには、誰も抗えないからな…!!」
それを身を持って知ることになろうとは、この時の竜は想像だにしなかっただろう。
「…や、…止め…ろぉぉぉぉ…ッッッッ!!!!」
自身に襲い来る快楽を必死に堪えようとする竜。だが、凱は、
「…フフフ…!!」
と笑い、相変わらず竜の大きく勃起したペニスをゆるゆると上下し続ける。
「…んん…ッ!!…くあああ…ッッッ!!!!…っく…ッ!!…ううう…ッッッ…!!!!」
竜のペニスを刺激する凱。その強さはとてももどかしいほどにゆっくりとしている。まるで、竜を絶頂へ導くか導かないか、決めあぐねているかのように。いや、竜を絶頂へ導かないように、絶頂へ達したくても達することの出来ないように、わざとそのスピードを保っているのだ。
「…ふ…ッ、…ぁぁぁぁああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
もどかしさが竜を苛む。
「ふああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
体を捩じらせてみたり、膝をガクガクと震わせてみたり。そんなことをしている自分に、竜は驚いていた。何とかして快楽を得ようとする、無意識の部分の自分が顔を出し始めていたのである。
「…やッ、…止めろオオオオッッッッ!!!!…止めてくれええええッッッッ!!!!」
戦いの連続で、自身のそれを慰める余裕などどこにもなかった。ましてや、凱を失ってからはそんな気力さえ起こらなかった。だが今、封印していたものを解かれたような感覚に陥り、竜は次第にその快楽を受け入れようとしていた。
「ハーッハッハッハッハ…!!」
竜と凱から少し離れたところでは、トランザがいつの間にか用意した椅子に座り、満足気に笑っている。
「…どうだ、レッドホーク。仲間に犯される気分は?」
「…んんんんッッッッ!!!!…くああああッッッッ!!!!」
体をもぞもぞと動かし、顔を真っ赤にして懸命に堪えようとする自分と、何とかして快楽を得ようとする自分とが交錯する。
「…くっそおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
掠れ声で叫び、時折、その声がひっくり返る。その目は大きく見開かれ、苦悶の表情を浮かべていた。その時だった。
「…なぁ、…竜…!!」
まるで竜の体を這い上がるかのように、凱がゆっくりと顔を近付けて来る。
「…や、…止め…ろ…!!」
大きな犬のように体をブルブルと震わせ、目を潤ませる竜。
「…キス…しようか…!!」
そう言って凱の唇が、竜の唇に触れようとする。
「…いッ、嫌だ…ッ!!…んん…ッ!?」
竜の言葉を塞ぐかのようにして、凱の唇が竜の唇に触れる。そして、凱の左手が竜の右頬に触れた。
…チュッ!!…クチュッ!!…クチュクチュッ!!
そのうち、独特のくすぐったい音が聞こえ始める。
「…おおお…!!」
その音を聞いたトランザが目を輝かせ、ゆっくりと2人のもとへ歩み寄って来る。そして、
「…美しい…!!」
と言い、ウットリとした表情を浮かべた。
「…類まれなる美貌を持つ2人の戦士が、己の欲望剥き出しに唇を貪り合う…!…これほど絵になるものがあるだろうか…!!」
「…んんんッッッ!!!!…んんんんッッッッ!!!!」
竜が何かを言いたそうに呻き声を上げる。だがその口は凱に塞がれたままだ。とその時、竜のペニスを握っていた凱の手が再び上下運動を始めたのだ。
「んんんッッッ!!!!んんんッッッ!!!!んんんんんんッッッッッッ!!!!!!」
その刺激に竜はビクンと体を跳ねらせ、思わず弓なりにする。
「フハハハハ!!いいぞ、レッドホーク!!ブラックコンドル!!もっとだ!!もっと淫乱な姿を俺に見せるのだ!!」
トランザが目を輝かせてそう言った時だった。
「…フフッ…!!」
凱が目をギラギラと輝かせ、静かに竜の唇から離れた。その口元と竜の口元が唾液の糸で繋がる。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
それに対し、竜は顔を真っ赤にし、大きく息をして凱を見つめる。その目がどことなく虚ろになっているのが分かった。
「…竜…!」
凱が一言だけ呟くように言うと、竜の筋肉質な右胸の、ココナッツ色の突起に静かに口付けた。
「はうあッ!!」
その途端、竜は目をカッと見開き、ビクンと体を跳ねらせた。
「…あ…あ…あ…!!」
目を大きく見開き、体を弓なりにした状態でブルブルと体を震わせる竜。
…チュッ!!…チュクチュク…!!
くすぐったい音が竜の右胸から聞こえて来る。
「…く…ッ!!…はぁ…ッ!!…ああ…ッ!!」
凱の口や舌が、竜の突起を時には優しく、時には激しく刺激する。ねっとりと舌全体で舐め上げたり、つんつんと舌先で突くようにしたり、その舌先を使ってクリクリと突起の周りをくすぐるように舐め上げたりする。それに対して、目や指を閉じたり開いたり、体を捩ったりする竜の姿はどこから見ても淫らだった。
そして。
凱の、竜のペニスを握る右手が再び動き出したその時だった。
…クチュッ!!…クチュクチュ…ッ!!…クチュクチュクチュクチュッ!!!!
竜のペニスから淫猥な音が聞こえ始め、光沢のある赤いバードニックスーツのその部分を濡らし始めたのだ。
それを見ていたトランザが、火が付いたように笑い始めた。
「…んなッ、…何だッ、…レッドホーク…!!…貴様…ッ、…男に刺激されて、…快楽を得ていたのか…!!」
「…く…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
恥ずかしさで顔を更に赤くし、目をギュッと閉じる竜。
クチュクチュクチュッッッ!!!!クチュクチュクチュッッッ!!!!
凱が竜のペニスを上下するたびに、竜のペニスの先端から溢れた淫猥な液体がバードニックスーツと擦れ、空気と混じり合い、くすぐったい音を立てる。
「…フフフ…!!」
凱がニヤニヤと笑う。
「…竜…!!…オレの竜…!!」
その顔が心なしか赤らんでいる。
「…お前を、…もっと気持ち良くしてやるからな…!!」