ちぎれた翼U 第16話
…ツー…、…ポト…ッ!!
ひんやりと冷える空間を、一滴が落ちて行く。普通の水であれば、地球の引力に引かれてすぐに地面に落ち行くものなのに、目の前に見える一滴は、まるで流れ星のように糸を引き、ぽたりと地面に落ちた。しかも、それはいつまでも土に混じって消えようとはしない。
…ツー…、…ポト…ッ!…ボトッ!!
その糸はいつの間にか、大きな塊となって地面に落ちた。そして、てらてらと照り輝く水たまりを作り出していたのだった。
「…あ…、…あ…!!」
その糸が滴り落ちる先、そこには真っ赤に腫れ上がった大きな物体が。その先端部分の鈴口から、その淫猥な液体は滴り落ち、異臭を放ってもいた。
「…あぁぁ…!!」
光沢のある鮮やかな赤色と白色であしらわれたズボンのようなものの中心部分が大きく引き裂かれ、その大きな物体がにょっきりと顔を出していたのである。と、突然、
「…ひぃああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
と言う悲鳴とも叫び声とも言えない、甲高く掠れた声が、辺り一面に響き渡った。
「あああああッッッッッ!!!!!!あああああッッッッッ!!!!!!ああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
同時に、ガタガタと言う何かが軋むような音も聞こえる。
「もうッ、止めてくれええええええええええッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
顔を真っ赤にし、大きく見開かれた目からは大粒の涙が後から後から溢れ出し、精悍な顔立ちの頬を伝って行く。体を大きく仰け反らせ、小麦色の筋肉質な上半身が太陽の光に照らされ、汗が反射し、キラキラと輝く。
レッドホーク・天堂竜。彼を覆っていたバードニックスーツは上半身と股間部分を引き裂かれ、既にその機能を失い、ただの布切れと化していた。
「…おおおお…!!」
その様子を楽しんでいた銀色の髪、紫色の唇の男、次元戦団バイラムの一幹部・トランザは急ぎ足で竜のもとへ歩み寄り、
「…やはり、俺が想像した通りのものだ!さすがはジェットマン一の、強靭な肉体を持つ者だ!!」
と言い、大きく突き出した竜のペニスを手で静かに包み込んだ。
「みッ、見るなああああッッッッ!!!!」
自身のプライドとも言えるべきペニスを手に取られ、しげしげと見つめられる。これほど屈辱的なことがあるだろうか。竜は抵抗を試みようと、腰を後ろへ引こうとする。だが、自身が拘束されている十字架の柱に邪魔をされ、おまけに四肢を拘束されているので身動きが取れない。
「…レッドホーク。…お前のペニスは何と硬いのだ?…それに太く、先端のフォルムの美しさと言い、素晴らし過ぎるぞ!」
しげしげとそれを見つめるトランザ。
「…皮と肉との結合部分、そして括れ…。どれをとっても俺が探し求めていたものに合致する…!」
その時、トランザはチラリと横を見て、ニヤリと笑った。
「…どうした、ブラックコンドル?」
トランザの横で、竜の同じバードニックスーツを身に纏った1人の男が佇んでいる。光沢のある鮮やかな黒と白であしらわれたスーツ。ブラックコンドル・結城凱。
「…ッ!!」
俯き、握られた拳をブルブルと震わせている。
「…どうして…?」
必死に怒りを堪えているかのような形相。すると、
「どうしてッ、オレのはなくなっちまったんだよオオオオッッッッ!!!!」
と言ったかと思うと、竜のペニスを持っていたトランザの手を払ったかと思うと、自分で持ち、
「どうしてッ!!どうしてなんだああああああッッッッッッ!!!!!!」
と、竜のペニスの先端を再び強く刺激し始めたのだ。
「ひぎゃああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
強制的に射精させられ、ある程度は時間が経っていたと思っていた。だが、凱の与える刺激は射精直後のそれと全く変わらず、その激痛に竜は絶叫する。
「痛てええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!もうッ、止めてくれええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
凱のペニスは横にいるトランザが、いや、急成長する前のトランが潰したんじゃないかと、竜は叫ぼうにも叫ぶことが出来ず、今は自身に与えられる苦痛を懸命に耐えるしかなかった。
「…お前のも、…お前のもオオオオッッッッ!!!!!!!!」
顔を真っ赤にし、狂ったように言う凱。と、その時だった。
「止めろッ、ブラックコンドルッ!!」
竜のペニスを握っていた凱の腕を、トランザがしっかりと掴んだ。そして、
「これは俺のコレクションだ!それを傷つけるようなことをすれば、貴様こそ許さんぞッ!!」
と鋭い眼差しで言ったのである。
「…ッ!!」
凱はじっとトランザを睨み付けていたが、
「…チッ!!」
と舌打ちをすると、竜のペニスを離した。
「…ッ!?…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
ガクンと脱力し、首を項垂れる竜。何とか最悪の事態は免れた。そう思い、少しだけほっとする。
「心配するな、ブラックコンドル」
トランザはそう言うと、凱の肩をぽんと叩いた。
「後で貴様にもおこぼれを、いや、メインディッシュを与えるとしよう」
そう言うと トランザは肩をすくめ、
「すまなかったな、レッドホークよ」
と言い、竜の肩に手を置いた。
「…貴様ぁ…ッ!!」
憎々しげにトランザを睨み付け、大声を上げようとした途端、
「あッ!!」
と言って、竜はビクンと体を跳ねらせる。
「まぁ、そう怒るな。貴様にはいい夢を見せてやるのだから」
トランザの手が、竜のペニスを静かに擦る。
「…んッ!!…んん…ッ!!…あ…!!」
その、今までに感じたことのないような優しい刺激に、竜は思わず吐息を漏らす。
「…あ…、…は…ッ!!」
時折、ピクピクと体を跳ねらせ、少しずつ目が閉じられて行く。
「…気持ちいいだろう、レッドホーク…?」
トランザは竜の耳元へ口を寄せると、囁くように言った。
「…あ…あ…あ…!!」
竜は口を半開きにし、ぼんやりとした視線で空を仰ぐ。
「…ほぉら、…こんなに大きくなったぞ…!」
そう言って手を離すトランザ。
「…う…あぁぁ…!!」
それを見た竜が思わず声を上げる。
それまでのそれとは全く違う異物が、竜の2本の足の付け根で臍へ向かって天を向き、竜の脈動に合わせるかのようにビクンビクンと蠢いていた。
「…フフフ…」
トランザが低く笑う。
「どうだ、レッドホーク?これが本当の貴様の姿だ!」
大きく膨れ上がった陰茎。真っ赤に腫れ上がった先端。長さも太さも、それまでの竜のペニスとは異なっていた。
「…さぁ…、…お前も快楽に身を任せるだけのただの野獣と化すのだ…!」