ちぎれた翼U 第18話
2度目の射精を迎えたレッドホーク・天堂竜。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ…!!」
体全体で大きく呼吸をするたびに、剥き出しになった小麦色の上半身が大きく動く。汗が滲んだそれは太陽の光に照らされ、キラキラと淫猥に輝いていた。
「…かは…ッ!!」
そして、竜の下半身。竜の男としての象徴であるペニス。2回も射精させられたと言うのに、未だに大きく勃起したままで、真っ赤に腫れ上がった先端からは濃白色な液体をトロトロと零し、竜の心臓の脈動に合わせるかのようにビクンビクンと大きく跳ね上がっていた。
「…く…ッ…!!」
自然と溢れ出て来る涙。憎むべき相手に好き放題にされている屈辱感。その全てが竜を苛む。
そうなのだ。全ては親友であるブラックコンドル・結城凱の仇討ちのためだった。最初は、凱を再起不能にまでした次元戦団バイラムの幹部・トランにお仕置きをするためだった。少年であったはずの彼に、更生をしてもらうことが目的だった。だが、そのトランは今、怒りで急成長を遂げ、トランザとなって目の前にいた。そして、そのトランザに十字架に磔にされ、レッドホークのバードニックスーツをビリビリに引き裂かれ、体中を愛撫された。更にトランザのその愛撫は竜に、今までに感じたことのなかった感情を植え付けた。
小麦色の肌の、大きく盛り上がった胸にあるココナッツ色の2つの突起。その突起を時に優しく、時に激しく刺激され、今までにない快感を味わってしまった。それに影響され、竜の男子としての象徴であるペニスは大きく勃起した。そこを、手で刺激されるだけならまだしも、トランザは自らの口の中に含み、淫猥な音を立てて刺激した。その快感に抗い切れず、竜はとうとう射精をしてしまったのだった。
「…く…っそ…おおおお…!!」
竜が目を潤ませて目の前にいるトランザを睨み付ける。その時、トランザは、
「んッ!!」
と言ったかと思うと、隣りに立っていた、黒と白を基調としたスーツを身に纏っていた男性に目配せした。
「…チッ…!!」
するとその男性、ブラックコンドル・結城凱は軽く舌打ちをすると、
「良かったなぁ、竜!トランザ様に気持ち良くしてもらってよぉ…!!」
と言いながら、小さな容器をトランザへ差し出したのだ。
「…止めろ…!!」
竜が顔を真っ赤にし、震える声を絞り出すようにして言う。するとトランザは、その容器を凱から静かに受け取り、自身の口元へと運んだ。
「止めろッ!!」
竜は今度ははっきりとした声で叫ぶ。だがトランザはそんな竜をチラリと見上げ、勝ち誇った笑みを浮かべた。そして、キスをするかのように唇を尖らせたかと思うと、その隙間から白濁の液体がトロトロと溢れ出したのである。
「うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その光景を目の当たりにし、竜が悲鳴を上げる。トランザの唇の間から溢れ出しているのは、トランザの愛撫によってトランザの口の中へ放出した自身の淫猥な液体であった。
「止めろオオオオオオッッッッッッ!!!!!!止めてくれええええええッッッッッッ!!!!!!」
竜が悲鳴とも絶叫ともつかない声を上げ続ける。
「…フゥ…ッ!!」
暫くすると、口の中から竜が放出した淫猥な液体を全て吐き出したトランザが大きく溜め息を吐いた。そして、
「…ククク…!!」
と低く笑い始めたのだ。
「…美味かったぞ、レッドホーク。さぞや、貴様の体の中、いやいや、大事なところで大切に大切に貯め込んでいたのであろうな!」
と言い、ほうとウットリとした表情を見せ、
「口の中でとろけるような芳醇な香り。濃厚な密度のそれはまさに、この世のものとは思えぬほどの絶品であったわ!!」
と言った途端、火が点いたように笑い始めたのである。
「…くう…ッ!!」
目の前の光景をただ見つめることしか出来ない竜の目からぽろぽろと涙が零れた。
「…もう、…止めてくれええええええッッッッッッ!!!!!!」
体が自由だったら、今すぐにでもトランザに飛び掛かっていたに違いない。この束縛さえ、体を磔にしている拘束さえなければ、それが簡単に出来ただろうに…!
いや、体が自由だったとしても、竜にはもう1つの「拘束」があった。それが目の前にいる凱だった。
「…ッ!!」
大笑いをしているトランザの横で、凱の体がブルブルと震えている。俯き、拳をギリギリと握り締めて…。それに気付いたトランザは大笑いを止めると、
「心配するな、ブラックコンドル」
と優しく言い、
「もうあと少しだ。もうあと少ししたら、貴様を男にしてやる」
と言ったのだ。
「…オレを、…男…に…?」
「ああ、そうだ」
トランザはそう言うと、手にしていた容器を小さく振った。まるで、竜の淫猥な液体をよくかき混ぜるかのように。
クチュクチュ、クチュクチュ…!!
その不透明な容器の中で、竜の精液が壁にぶつかり、クチュクチュと言う淫猥な音を立てていた。
「もう少し、レッドホークの淫猥な液体をここへ集めたら貴様にくれてやる」
と言ったのだ。
「そして、この容器の中には竜のエネルギーとも言えるべき精液を更に活性化させる酵素が入っているのだ。それは即ち、最強の精力剤となって貴様に働きかけるであろう!」
するとトランザはちょっとおどけたような表情を見せて、
「…まぁ、味は保証は出来んがな!」
と言ったのだ。
「…ククク…!」
すると、凱が静かに笑い始めたのだ。
「…だとよ、竜ッ!!」
「…ひっ!!」
凱の目を見た竜は思わず悲鳴を上げた。
野獣のようにぎらぎらと妖しく光る瞳。口元は不気味に歪み、淫猥な涎が今にも溢れ出そうとしている。
「…だったら…!」
凱がゆっくりと竜のもとへ近付いて行く。
「…オレが、てめえのを一滴残らず搾り出してやるよ!」
と言った。
「…や、…止めろッ!!」
竜が腰を引こうとする。だが十字架に阻まれ、結局は同じだった。
竜のもう1つの「拘束」。それは、トランザによって操られている凱のことだった。親友を操られ、更にはその親友に陵辱されようとしている。いや、実際に既に一度は陵辱された。竜の1回目の射精は、凱の口による愛撫によるものだった。
と、その時だった。トランザが凱の腕をしっかりと掴んだのである。
「…トランザ…様…?」
凱が驚いた表情でトランザを見つめる。するとトランザは厳しい表情で凱を睨み付けた。そして、
「まだだッ、ブラックコンドルッ!!」
と言い、勝ち誇った笑みを今度は竜へ向けた。
「…レッドホーク…。…貴様のエネルギーを全て奪うのは、この俺だ…!」