ちぎれた翼U 第19話
「…レッドホーク…。…貴様のエネルギーを全て奪うのは、この俺だ…!」
死刑宣告に近いことを言い放ったトランザ。いや、やはりそう来たか、と言う感じだろうか。
「…止めろ…!!」
顔を小刻みに左右に振り、懸命にもがくレッドホーク・天堂竜。
「止めろッ!!止めろ止めろ止めろッッッッ!!!!」
ゆっくりと歩み寄って来るトランザを見ながら、竜は初めて恐怖に捕らわれていた。
「止めろオオオオオオッッッッッッ!!!!!!止めてくれええええええッッッッッッ!!!!!!」
だが、竜を拘束している十字架は外れることがない。そうこうしている間にも、トランザは勝ち誇った笑みを浮かべながら竜の元へ歩み寄って来る。
「…ククク…!!」
ニタニタと不気味な笑みを浮かべるトランザ。その目がギラギラと野獣のように輝いている。
上半身はその肉体を惜しげもなく晒し出し、更に下半身では自身のペニスを晒し出している竜。そのペニスからはトロトロと淫猥な液体が相変わらず溢れ続け、地面と淫猥な糸で繋がっていた。
だが。
そのペニスは未だにその大きさを失うことなく、大きく勃起したまま、ビクンビクンと竜の脈動に合わせて臍へ打ち付けていたのだ。
(…どうして…?)
正直、竜は戸惑っていた。2度も射精を経験したのに、未だに大きく勃起したままだからだ。
「どうして2度もエネルギーを放っているのに、未だに大きなままのか…か…?」
その声に思わずビクリとする。いつの間にか、トランザが竜と至近距離にいたのだ。
「ひっ!!」
思わず竜は悲鳴にも似つかない声を上げた。同時に、トランザが竜のペニスをそのしなやかな指で静かに包み込んだのだ。
「んんんんッッッッ!!!!」
そのあまりの感覚に、竜が体を前屈みにする。
「…ククク…!」
トランザはまるで竜を嘲笑うかのように、指先で竜のペニスをなぞるように上下する。そのたびに竜は、
「…んッ!!…んん…ッ!!」
と声を上げる。
「俺の体から発する特殊な気功を貴様に叩き込んだまでのことよ!」
と言うと、後ろに佇んでいるブラックコンドル・結城凱をチラリと見て、
「…あいつにしてやったようにな…!」
と言ったのだ。
「…何…だ…と…?」
初めて聞かされる事実。それはそうだろう。凱が行方不明になり、竜達は必死になって凱を探した。その頃、凱は次元戦団バイラムの居城であるバイロックに幽閉され、子供の姿のトランに奴隷として扱われていたのだから。そして、竜達が見つけたのは、散々甚振られ、ボロボロになった姿の凱だったのだから。
「…最初はアイツも必死に抵抗していた。だが、ちょっと何度も蹴り上げてやったら、アイツのここが大きく勃起したのだ!それをゆっくりと、優しく、丁寧に愛撫してやった。その時、アイツのここに特殊な気功を送り込んでな!」
「…なんて、…ことを…ッ!!」
竜の体がブルブルと震え始める。
「…トランザ…ぁ…ッ!!」
だが、そんな竜に目もくれず、トランザは話を続ける。
「それで堪らなくなったのだろう。ヤツは俺に助けを求めて来た。だから俺はその代わりの条件として、アイツが奴隷になるように忠誠を誓わせた。俺の奴隷は、俺の玩具になることだ。それをアイツは忠実に守ろうとした。だが所詮は、俺に敵対する人間だ。最後は散々に痛め付けて、何度も何度もエネルギーを奪い、そして地上へ落とした」
そして、フッとバカにしたように笑うと、
「ヤツの最期は、それはそれは惨めなものだったぞ!」
「貴っ様ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
怒り狂った竜が拘束を外さん勢いで動く。だがトランザは、
「ハハハハッッッッ!!!!」
と大声で笑い、
「無駄だッ、レッドホークッ!!貴様は今に快楽に堕ちるッ!!」
と言ったものの、はたと止まり、
「…いや、快楽に堕ちない方が、更に甚振り甲斐があると言うものか…!!」
と言った。そして次の瞬間、竜の未だに勃起し続けるペニスをパクリと口へ入れたのである。
「…っあ…ッ!!」
その刺激に、竜の体がビクリと反応する。
…ジュボジュボッッッッ!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
すぐさま、あの淫猥な音が聞こえ始めた。トランザが頭を小刻みに前後しているのだ。
「…ああッ!?ああッ!!ああッ!!ああああッッッッ!!!!」
その途端、竜の体が小刻みに震え始めた。
「んんんんんんッッッッッッ!!!!!!」
膝をガクガクとさせ、拘束された手は握ったり開いたりを繰り返す。
「…ククク…!!」
トランザが勝ち誇った笑みを浮かべる。
「…貴様のエネルギー、…全て奪ってやる…!!」
そう言った途端、
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
と言う淫猥な音が大きくなった。
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
竜が体を仰け反らせたその時だった。
ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドプププッッッ!!!!
淫猥な音が聞こえたかと思うと、竜の腰が何度も何度も前後した。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
だが、トランザは頭を前後するのを止めようとしない。
「んんんんッッッッ!!!!」
竜の顔は真っ赤になり、冷や汗が浮かんでいる。
「やッ、止めてくれええええええッッッッッッ!!!!!!」
竜が掠れた声で悲鳴を上げ、再び体をグインと硬直させたその時だった。
ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!
直前の射精から間髪入れずに、再び射精する竜。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
それでもトランザの頭の動きは止まらない。
「ひがああああああああああッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
竜が絶叫した。そして、腰をグンと突き上げた。
ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!
鈍い音が少し弱くなったように感じられた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
体を時折、ビクンビクンと跳ねらせながら、竜が短い声を上げる。
…ジュポッ!!
そして、短い音を立てて、トランザの口がようやく竜のそこから離れた。
その時だった。
パキィン!
乾いた音を立てて、竜を拘束していた金具が全て外れたのだ。
「…う…!」
そのまま崩れ落ちるように、竜は地面へドサリと落下したのだった。