ちぎれた翼V 第11話

 

 …ボタッ!!…ボタ…ッ!!

 濃白色の液体の塊が床に落ち、淫猥な音を立てる。そんな床を這っていた、白いガスのようなものがその淫猥な液体の塊が落ちるたびに、風に吹かれるように広がった。

「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!

 光沢のある鮮やかな白と黄色を基調としたイエローオウルのバードニックスーツ。その胸と腹の部分が大きく前後に動いた。

「…あ…あ…あ…!!

 顔を真っ赤にした雷太が目を虚ろにし、荒い呼吸を繰り返す。

「…んく…ッ!!…うう…ッ!!

 恥ずかしさに消えてしまいたくなる。そんな雷太のバードニックスーツ、大きく広げて括り付けられた、がっしりとした2本の足の付け根にある、雷太の男としての象徴・ペニス。それは、競泳水着をデザインしたような黄色のパンツ部分の中で未だに大きく勃起していた。そして、その先端からは濃白色な、強烈な臭いを放つ液体が塊となってボタボタと零れ落ちていたのである。

「…ククク…!!

 そんな雷太の目の前にいる、銀色の髪、紫色の唇の男・トランザ。彼は暫くの間、肩を震わせていたが、

「アーッハッハッハッハッハ…!!

 と突然、大笑いを始めた。

「…す、…素晴らしいぞッ、イエローオウルッ!!…こうも簡単に果てるとは…!!

 そう言いながらトランザは、未だに勃起し続ける雷太のペニスの下に息づく2つの球体を力任せに握った。

「んんッ!?

 その突然の刺激に雷太は呻き、体をビクリト跳ねらせ、目を大きく見開いた。そして、

「…ああ…ッ!!…はああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と叫んだ。

「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 顔を更に赤らめ、その痛みに悲鳴を上げる。

「…やッ、…止めろオオオオッッッッ!!!!…い、…痛てええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!

「クククク…!!

 トランザの勝ち誇った笑み。ギラリと光る眼差しが雷太を突き刺すように見つめている。

「まだまだ出るよなぁ、イエローオウル?」

 そう言いながら、トランザは雷太の2つの球体を擦り合わせるかのように、ゴリゴリと動かす。

 ゴキュッ!!ゴキュゴキュッッッッ!!!!

 鈍い音が聞こえ、

「はうああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と、雷太の悲鳴が更に大きくなる。

 ゴキュゴキュゴキュゴキュッッッッ!!!!ゴリッ!!ゴリゴリゴリゴリッッッッ!!!!

 トランザの手の中で、何とかしてその刺激から逃れようと、2つの球体がまるで意思を持っているかのように逃げ回ろうとする。だが、それを逃すまいとトランザの指がそれらを包み込む。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 目をカッと見開き、涙を零す雷太。その口元からは涎が零れ、雷太が吐き出した淫猥な液体の上に落ちた。

 その時だった。

「ホークコンドルッ!!

 トランザが雷太の背後で爪を立てていた真っ黒な生命体・ホークコンドルを呼ぶ。そして、

「こいつのこの液体を吸い取ってやれ!」

 と言った。

「…んなッ!?

 じんじんと鈍い痛みに襲われている雷太は、ぎょっとなってトランザを見た。トランザはニヤニヤしながら、

「いずれはホークコンドルのエネルギー源になってもらうのだからな!ホークコンドルにも少しでも早く、貴様の味を知っておいてもらわねば、な!」

 と言ったのだ。

「…や、…止めろ…!!

 雷太が体をブルブル震わせて言う。ホークコンドルはゆっくりと雷太の前に来ると、その真っ黒なくちばしから真っ赤な蛇のような形をした舌を出した。そして、それを器用に、するすると雷太の未だに大きさを失わないペニスへ巻き付けたのである。

「んん…ッ!!

 その刺激に、雷太がビクリと体を跳ねらせる。

 …ピチャッ!!…ピチャッ!!

 その時、雷太は信じられない光景を目にし、

「…ぁぁぁ…!!

 と声を震わせた。

 ホークコンドルの蛇のように長い舌。それが全体的に雷太のそこへ巻き付いているものの、その先端だけはまるで蛇の頭のようにヌメヌメと動き回り、雷太のペニスの先端部分に溢れる濃白色な液体を掬い、それはジュワアッと言う音を立てて舌へ吸い込まれて行っていたのだ。そして、ホークコンドルの目が一瞬、見開かれたかと思うと、ギュワアアアアと言う淫猥な声を上げ、雷太のそれを巻いていた舌が更に強く、雷太のそこを締め付けたのである。

「うぐッ!?

 突然の痛みに、雷太が声を上げる。

 …ジュッ!!…ジュクッ!!

 ホークコンドルの真っ赤な蛇のような舌が雷太のペニスを更に締め付ける。

「…う…ッ!!…ぐ…う…ッ!!

 痛みが雷太を襲う。と同時に、雷太のペニスの先端からはドクドクと淫猥な液体が更に溢れ出す。

 …ジュッ!!…ジュクッ!!

 …ピチャッ!!…ピチャッ!!

 そして、雷太のペニスの先端から更に溢れ出した淫猥な液体は、ホークコンドルの舌に舐め取られ、吸収されて行く。

「…い、…痛て…え…!!

 雷太が呻き声を上げた。

 …ジュクッ!!…ジュウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!

「…あ…あ…あ…あ…!!

 痛みに意識が遠退きそうになった。だがすぐに、

 ジュクッ!!

 と言う短い音と共に、雷太のそこからホークコンドルの舌が離れて行った。

「…ッ!?

 一瞬、雷太の体がビクン、と跳ねた。そして、

「…んくッ!!…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!

 と再び荒い呼吸を繰り返し、そのむっちりとした胸と腹が前後に大きく動いた。

「…ククク…ッ!!

 トランザが低く笑う。

「…これでホークコンドルは貴様の味も覚えた。…貴様はこれでホークコンドルの格好のターゲットになったのだ。俺が一言言うだけで、貴様はホークコンドルに食われる運命にある…!」

 そう言ったトランザの目が光った瞬間、雷太は体がふわりと浮いたような感覚がした。

「…え?」

 目の前がぐにゃりと歪む。

「…覚悟しておくんだな、イエローオウル…!」

 トランザの声が遠退いて行った。

「…え?…え?」

 暗闇の中に落とされて行くような感覚がする。

「…待て…よ…!!

 雷太の目から涙が零れた。

「…竜も、…凱も、…僕は助けていないのに…!!

 感情がぐちゃぐちゃになっている。レッドホーク・竜とブラックコンドル・凱を助けられなかった悔しさ、トランザに弄ばれ、蔑まれた屈辱、そんなトランザの強大な力から解放される安堵感。

「…竜…、…凱…!!

 暗闇に落とされながら、雷太は意識を失った。

 

第12話へ