座敷わらしの悪戯 第4話
それからも、サイゾウの前に現れた座敷わらしは数々の悪戯をした。サスケと一緒にいる時のサイゾウの足を引っ掛け、わざとサスケに抱き付かせるのは言うまでもなく、とにかく、サスケに接近させ、その体をペタペタと触らせたり。挙句の果てには入浴しようと服を脱いでいるサスケを見たサイゾウの背中をドンと押し、つんのめった拍子にサイゾウは両手を伸ばし、その両手がサスケのパンツのゴムを掴み、思い切りそれをずり下げ、サスケの男としての象徴が露わになると言うことまでし出かしたのだ。
「おーい、サイゾーウ!」
何だか、サイゾウがゲッソリやつれて見える。焦点は定まらず、疲労困憊状態だったりする。
「どうしたんだよぉ、サイゾウぅ?元気ねぇなぁ…!」
分かっていて言う自分もどうなのだと思ってしまう。だが、座敷わらしにはそれが楽しくて仕方がなかった。
「…お前…、…なぁ…ッ!!」
体をブルブルと震わせ、顔を真っ赤にして涙目になっているサイゾウがようやく座敷わらしの方を振り向いた。
「いくら何でも、あれは酷すぎるじゃないッ!?あれじゃあ、ただの変態じゃないかッ!!」
「だぁって、ほんとのことだろう?」
「…ッ!!」
座敷わらしは相変わらずフフンと笑っている。そして、本当のことを突かれて口どもるサイゾウ。
「お前がさぁ、なかなか勇気が出せないからもどかしくてもどかしくて…!しょうがないから、オレが手伝ってやったってわけだよ!」
「…でッ、…でも…ッ!!…そのせいで、…サスケからは変な目で見られるし、他のみんなからも明らかに挙動不審がられるし…」
「まぁ、しょうがねぇよな?お前が悪いんだから!」
「だからッ、何でそうなるよのッ!?」
大声で言うと、サイゾウは座敷わらしに食って掛かる。だが座敷わらしはフフンと相変わらずサイゾウを見下すような表情を見せ、
「お前がさっさと自分の気持ちをサスケに伝えねぇからさ!」
と言った。
「だからッ、それが出来れば苦労しないっつってんのッ!!」
サイゾウはそう言うと、座敷わらしにクルリと背を向けた。
「…そうなんだよ…。…男同士の恋愛なんてさ、…そんなもんだよ…」
そう言いながら、寂しげに笑うサイゾウ。その目にはうっすらと涙が滲んでいた。
「…普通じゃ、あり得ないよね。…男が男を好きになるんだもの…。…そんなの、生物学的におかしいっつーか、世の中だって認めてくれない。変な目で、好奇な目で見られて終わりだ。…それに、サスケだってそれが分かった途端、きっと変な目でオレを見るに決まってる…」
「だからさぁ、それは本人に言ってみなきゃ、分からねぇだろう?同じことを何度も言わせんなよ!」
座敷わらしはうんざりとして言う。だが、サイゾウは寂しそうに笑って、
「いや、言わなくても分かるよ。きっと、そうなるに決まってる…」
と言った。
「…ああッ、…もうッ!」
突然、座敷わらしが大声を上げた。
「全く、付き合ってらんねぇよッ!!」
一言だけ言い放つと、スゥッとそこから姿を消したのだった。
「…あ…」
ぼんやりとそれを見ていたサイゾウは一言だけそう声を上げると、
「…そっか…。…そうだよな…」
とまたもや寂しそうに笑った。
「…こんなオレじゃ、幸せを呼ぶ座敷わらしだって呆れて帰っちゃうよな…」
そう言うとサイゾウはゆっくりと立ち上がり、壁一面に貼られたサスケの写真をぼんやりと眺めた。
「…サスケ…」
もどかしい想い。叶えたくても、叶えられない切ない想い…。
「…サスケ…!」
いつの間にか、サイゾウは右手を自身の2本の足の付け根、サイゾウの男としての象徴であるペニスが息づく場所へ持って行き、それをゆっくりと揉み解していた。
「…んく…ッ!!」
その瞬間、ゾワゾワとした、今までに感じたことのないほどの感覚がサイゾウを襲った。
「…う…、…あぁぁ…!」
そして、
「…ドロン…チェンジ…!!」
と唱えた。その瞬間、サイゾウの体が光り、光沢のある鮮やかな水色の、ニンジャブルーのスーツを身に纏っていた。だが、マスクまでは装着していなかった。
「…サスケ…!…サスケ…ぇ…!」
いつの間にか、サイゾウのペニスはスーツのベルトを窮屈そうに押し上げるほどに大きく勃起し、サイゾウはそれを無我夢中で激しく上下に動かしていた。
クチュクチュ!!クチュクチュ!!
それは淫猥な音を立てながら、その先端をぐっしょりと濡らしていた。
「…サスケ…!…サスケぇッ!!」
『何だよ、サイゾウ!お前、本当にエッチだなぁ!』
背後からニンジャレッドにドロンチェンジしたサスケがサイゾウを抱き締めて来る。
『オレに抱かれて、そんなに感じてるのか?』
「…う、…うん…!…サスケぇ…ッ!!…もっと…ッ、…もっといやらしいオレを見てくれよ…!!」
妄想の中でサスケに抱かれ、淫猥な姿を見せ付けている。
グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!
サイゾウのペニスの先端から溢れ出る淫猥な液体がグチュグチュと淫猥な音を更に大きくする。
「…ああッ!!…サスケッ!!サスケエエエエッッッッ!!!!」
と、その時だった。
「おーい、サイゾーウッ!!」
階段を上がって来る足音、そして、サスケの声が近づいて来るのが分かった。
「…ッ!?」
我に返り、ギョッとする。
「…あッ!!…ああ…ッ!!」
全く、タイミングの悪い時に自分を呼ぶ、自分の想い人。
「…やべ…ッ!!」
大きく勃起した自身のペニスを払い除けようとした。だが。
「…あ、…あれ?」
自分の意志とは裏腹に、ペニスを上下に刺激している右手がそこから離れようとしない。
「…え?…え?」
その間にも、サイゾウは絶頂へと着実に導かれて行く。
「…やッ、…やべえッ!!やべえよッ!!」
パニックになり、思わず周りをキョロキョロと見回す。
「…あ…ッ!!」
その視界の片隅に、両手を伸ばしてニヤニヤと笑っている座敷わらしの姿が映った。
「…ま、…まさか…ッ!?」
「そ♪そのま・さ・か!」
嬉しそうに言う座敷わらし。
「お前が恥ずかしいことを始めたものだからさ、その状態をサスケにも見てもらおうって思ってさ!」
「…や、…やだ…!!」
顔を真っ赤にして涙を滲ませるサイゾウ。だが、
グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!
と言う淫猥な音は更に大きくなって行く。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
じんじんとした下腹部の痺れが込み上げて来る。
「おーい、サイゾウってばあッ!!」
サスケの声が更に大きくなって来る。
「…だ、…ダメ…!!」
ブルブルと体を震わせながら、座敷わらしを見るサイゾウ。だが、座敷わらしは相変わらずニヤニヤと笑っているだけだ。
「ああああッッッッ!!!!」
目をギュッと閉じた。
「イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
そう言いながら腰をグンと前へ突き出した。
「サイゾウってばッ!!」
ガチャリと音がして、サイゾウの部屋の扉が開き、サスケが顔を出した。その瞬間、
ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!
と言う鈍い音と共に、サイゾウのニンジャブルーのスーツから淫猥な、濃白色な液体が飛び出し、宙に弧を描いたのだった。