座敷わらしの悪戯 第5話

 

「イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!

 大きく勃起した自身の男としての象徴であるペニスを、ニンジャブルーの光沢のある鮮やかな水色のスーツの上から激しく上下するサイゾウ。

「サイゾウってばッ!!

 何度呼んでも返事のないサイゾウを心配してサイゾウの部屋の扉を開けたサスケ。

 それが同時だった。

 ドビュッ!!ドビュッ!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!ドビュドビュドビュドビュッッッッ!!!!

 鈍い音と共に、サイゾウのニンジャブルーのスーツから淫猥な、濃白色な液体が飛び出し、宙に弧を描いた。そして、

 …ビチャッ!!…ビチャッ!!

 と言う音を立てて、それは床で真っ白な花を咲かせた。

「…ッ!?

 その瞬間、サイゾウの体から力が抜け、ガクリと床に膝を着いた。

「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!

 心の中に溜まっていたモヤモヤを吐き出したような、そんな感覚。スッキリしたと思ったその時、サイゾウは目の前の光景を見て顔を真っ赤にした。

「…あ…あ…あ…あ…!!

 目の前には呆然と立ち尽くすサスケが。目を大きく見開き、目の前にいるサイゾウを見ているかと思いきや、サイゾウの部屋の壁一面に貼り付けられた、サスケ自身の大量の写真を見て固まっていたのだ。

「キャハハハハッッッッ!!!!

 その光景を傍で見ていた座敷わらしが大声で笑い始めた。

「…ダ、…ダ…ッセ…エエエエッッッッ!!!!…ガマンし切れずに、想い人が来た瞬間、イッちまうんだもんなああああッッッッ!!!!

 座敷わらしの目にも涙が溜まっている。もちろん、別の意味でだが。そして、更に勝ち誇った笑みを浮かべて、

「…まぁ、…サスケがここに来るように仕向けたのも、オレだけどな…!」

 と言った。

「…ッ!!

 その言葉に、涙を目にいっぱい浮かべて座敷わらしを思わず睨み付けるサイゾウ。その時だった。

「…サイゾウ…」

 サスケの言葉に我に返るサイゾウ。

「…サ…ス…ケ…!!

 顔を真っ赤にし、目にいっぱい涙を溜めてサスケを見る。そんなサスケの瞳。困ったような、でも見方によっては、何か恐ろしいものを見るような瞳をしていた。

 ズキン…。

 その時、サイゾウは心が痛むのを覚えた。

「…サイゾウ…。…お前…、…これ…」

 壁一面に貼られたサスケの写真と、サイゾウの顔を見比べながら言う。

「…あ…、…うう…」

 サイゾウが口どもると、

「もう隠したって無駄だぜ?」

 と座敷わらしが言ったかと思うと、

「素直にソイツに想いを伝えろよ!」

 と言い放ったのだ。

「…ッ!!

 サイゾウは物凄い勢いでサスケを見る。そして、大きく喉を動かして息を飲み込んだかと思うと、

「…サ、…サ…スケ…!!

 と言いながら、体をブルブルと震わせながら立ち上がった。

「…な、…何…だよ…!?

 戸惑ったような、若干、引き気味のサスケ。

「…オ、…オレは…ッ!!…オレは…ッ!!

 ポロポロと涙を零しながら、いや、それどころか、イケメンも台無しなほどに涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔をサスケに向けている。

「…オレ…は…ああああ…ッッッッ!!!!

 そして、大きく息を吸い込んだかと思うと、

「…サッ、…サスケがッ!!…好きだああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と大声で叫んだのである。

「…」

「…」

 言った。とうとう言ってしまった。

「…サ…スケ…?」

 だが、サスケは完全に固まってしまっている。

「…サスケ?」

「…あ…」

 ようやく我に返ったサスケ。そして、こちらも顔を真っ赤にして、

「…え、…ええっと…」

 と言いながら、ポリポリと頭を掻き始めた。

「…サ、…サイゾウの、…好き…てぇのは…?」

「…あ、…う、…うん…」

 急にしゅんとなり、サイゾウはもじもじとし始める。

「…つまり、…恋愛…感情…」

「…だ、…だろうな…」

 そう言いながら、ちらちらと壁一面に貼られた自分の写真を見ているサスケ。

「…でも、オレ、分かってんだ…。…サスケは、…オレのことを、そんなふうには見てない…よね…?」

 サイゾウが寂しそうに笑う。するとサスケは、やや目を伏し目がちにして、

「…お前には、…すまねぇけど…」

 と言った。

 ズキン…。

 サイゾウはその時、自分の心が再び痛んだのを覚えた。

「…オレは、…お前のこと、…仲間と言うか、…親友としか見れねぇ…。…やっぱり、…女の子の方がいいもんな…」

「…そ、…そうだよね…」

「…そッ、…それにお前ッ、あんなに女の子に夢中になってたじゃねえかよッ!?

 はたと思い出したかのようにサスケが声を上げる。するとサイゾウは、

「あれはカモフラージュに決まってるだろうッ!?

 と声を荒げた。その目から伝う涙は止まることを知らないかのように溢れ続ける。

「…オレは…ッ、…オレはッ!!…いつの間にか、サスケのことが好きになってたんだ!!…アニキと呼ばせてもらいます、って宣言してから、気が付いたらいつの間にか、サスケのことが気になって気になって仕方がなかったんだ!!…だからッ、…だから…ッ!!

 ニンジャブルーにドロンチェンジしたまま、サスケに駆け寄るサイゾウ。

「んなッ!?…ちょッ、…ちょっと待てッ、サイゾウウウウウッッッッ!!!!

 サスケが慌てふためく。その時、サイゾウの足が急にもつれ、

「…あ…」

 と呟くと同時に体が傾く。そして、

 …チュッ!!

 と言う音と共に、サイゾウの唇に柔らかいものが当たっていた。

 

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