トモダチ 第10話
バサッ、と言う音がするかのように、進ノ介の体を包み込んでいた真っ白なシーツが剥がれた。その瞬間、
「…あッ!?」
と言う進ノ介の声と共に、
「「「おおおお〜〜〜〜ッッッッ!!!!」」」
と言う剛、ブレン、そしてチェイスの声が響いた。
「…進兄さん、…まだ勃ってやがる…!!…元気だねぇ…!!」
「…ほう…」
「…ッヒャ…ッ!!」
それぞれに反応し、最後にブレンが下品な笑い声を上げたのだ。
「…ど、…どうしたのだ、ブレンッ!?」
涙を流して大笑いをするブレン。その口元にブランド物のハンカチを当てながら。
「…だッ、…だって…ッ!!…みッ、…見て下さいよッ、ハート…ッ!!」
そう言いながら、ブレンは進ノ介の腕を掴んだ。その時だった。
「やッ、止めろオオオオッッッッ!!!!」
と、進ノ介がようやく我に返ったのか、大声を上げて、股間部分を両手で覆った。
「…みッ、…見るなああああッッッッ!!!!…見ないでくれええええッッッッ!!!!」
顔を真っ赤にし、目をギュッと閉じて目尻に涙を浮かべている進ノ介。だが、ブレンはこの時、ニヤリとしたかと思うと、
「ほら、剛、チェイス。進ノ介の体を押さえなさい!」
と言ったのだ。そして、それに釣られるかのように、
「おうッ!!」
「ああ」
と剛とチェイスがブレンに操られるかのように、剛は進ノ介の頭の方、チェイスは進ノ介の足元へ行き、
「オラッ!!進兄さんッ!!ハートに兄さんの生き様を見せてやれよッ!!」
などと訳の分からないことを言いながら、進ノ介の体を押し倒す。
「んなッ!?…ちょッ、…ごッ、剛ぉッ!?」
いきなり体をガッチリと押さえ込まれ、悲鳴を上げる進ノ介。その間に、チェイスは進ノ介の両足首をガッチリと押さえ込んだ。
「…やッ、…止めろよ…ッ!!…ブッ、…ブレンッ!?」
「…ブレン。…貴様、…剛とチェイスを洗脳したのか?」
ブレンならやりかねない。俺がそう言った時だった。
「いえいえ、滅相もない!」
メガネの奥の瞳を大きく開き、両手を前へ突き出してブレンは言った。
「そもそも私にはもう、戦闘的能力は持ち合わせていないんでしょう?」
「…あ…」
俺はその時、メディックの言葉を思い出していた。
「彼にはもう、戦う意思はありませんから…!」
復活した俺達に静かに語りかけ、静かに消えて行ったもう1人のトモダチ。
「…じゃ、…じゃあ、こいつらは?」
「安心しろよ、ハート!」
剛が俺にウインクを投げ掛ける。
「…これは、…俺達の意志だ…!」
あくまでも静かに俺に語りかけるチェイス。そして、
「…俺達の意志だ、じゃなああああいいいいッッッッ!!!!」
両手と両足をガッチリと押さえ込まれ、その真ん中の進ノ介が顔を真っ赤にして悲鳴を上げる。
「…たッ、…頼むッ!!…本気で止めてくれッ!!」
涙目で俺に懇願するように見上げる進ノ介。だが、ブレンは、
「さぁ、ハート。進ノ介の全てを見て差し上げて下さい」
と言った。
「…ふむ…」
俺は静かに進ノ介の元へ歩み寄り、全裸のその体をしげしげと眺める。そして、ゆっくりと右手を伸ばすと、その体をゆっくりと撫で始めた。
「…あッ!!」
俺の指が進ノ介の胸の突起に触れた時、進ノ介が甘い声を出し、体をピクリと反応させた。
「…なッ、…何すんだよッ、ハートッ!?」
「ヘヘッ!!進兄さん、乳首感じるんだもんなぁ?」
剛がニヤニヤとしながら言う。
「…感じる?」
俺はそう言いながら、進ノ介の胸にある2つの突起を交互に刺激し始めた。
「…あッ!!…あは…ッ!!…はう…ッ!!…うう…んんんん…ッ!!」
淡いピンク色の2つの胸の突起をくすぐるように小刻みに動かしたり、クルクルとその周りを撫でてみたり、キュッと摘んでは引っ張ってみたりを繰り返す俺。そのたびに進ノ介が艶かしい声を上げる。
「どうしたのだ、進ノ介?どうしてそんな変な声を上げるのだ?」
そう言いながら、俺はクリクリとそこを刺激し続ける。
「…んや…ッ、…止め…ろ…ぉぉぉぉ…ッッッッ!!!!」
体をくねくねと捩らせながら、はぁはぁと荒い呼吸をし続ける進ノ介。
「フフッ!どうです、ハート?」
ブレンが俺の元へ寄って来る。その顔も赤みが差し、目をギラギラと輝かせていた。
「…これが、人間共のセックスと言うものですよ。…こうやって、相手の体の性感帯を刺激しつつ、その者を快楽へ導いて行く。ご覧なさい、ハート」
そう言ってブレンが指をさしたところを見た俺は、思わず目を大きく見開いた。そして、自分の顔が熱くなるのを感じていた。
「…し、…進…ノ…介…!!」
進ノ介の体の中心部分、2本の足の付け根に息づく、進ノ介の男としての象徴。確か、ペニスと言っただろうか?
それが今、進ノ介の体と垂直になるかのように真っ直ぐに天を突くように勃起し、ピクン、ピクンとゆらめいていたのだ。
「…進ノ介は今、あなたによって性感帯である乳輪と乳頭を刺激され、それが快楽となって彼の脳に伝わり、その興奮度が彼のペニスへと伝わり、そこが充血して勃起したんですよ!」
そう言いながら、ブレンは自身のその部分をモゾモゾとさせた。
「…それに…ハート…。…あなたの言葉責めも彼を興奮させる一つの要因なのかもしれませんね…?」
「…言葉…責め…?」
次から次へと俺の知らない言葉が溢れて来る。ブレンは静かに頷くと、
「…あなたの言葉、『どうしてそんな変な声を上げるのだ?』は彼の羞恥心をくすぐり、逆に彼を興奮させたんですよ!」
「…い、…いや、…そんなつもりはなかったのだが…」
そんなことで興奮するものなのだろうか?
「…おい…ッ!!」
その時だった。
進ノ介が声を上げた。しかも、剛に両腕、チェイスに両足をしっかりと掴まれた状態で。
「…さっきから聞いてりゃ、恥ずかしいことばっかり言いやがって…!!」
涙目で俺とブレンを睨み付けている進ノ介。そして、
「…たッ、頼むからッ!!…も、…もうッ、…止めて…くれ…!!」
と言った。すると、今まで黙っていたチェイスが、
「…止めたくとも、…止められまい…?」
と言ったのだ。
「…進ノ介…。…お前、…ペニスがビンビンなままでいいのか?」
「そうだぜぇ、進兄さあん!ここはもう一発、頑張らねぇとなぁ!」
剛までもが調子に乗って言う。
良く見ると剛の白いパンツの中心が大きく突き出ている。そして、チェイスのぴっちりとした紫色のズボンの中心部分も大きく盛り上がっていた。
「…さぁ、…ハート…!」
ブレンがニコニコとして言う。
「…あなたの手で、…進ノ介を絶頂へ導いて差し上げて下さい…!」