トモダチ 第21話
…チュクッ!!…チュッ!!…チュクチュクチュクチュク…!!
俺の胸の辺りから聞こえて来るくすぐったい音。その音が俺の体中に響き渡り、今まで経験したことのなかった感情が俺の心の奥底に湧き上がって来るのを感じていた。
「…んん…ッ!!…く…ッ、…はあ…ッ!!」
俺のコピー元である志友正喜ですら感じ取ったことがなかったであろう感覚を、コピー体の俺が感じ取っている。そのもどかしいような、止めてほしいような、止めてほしくないような、とにかく不思議な感覚。
…チュッ!!…チュクチュク…ッ!!
俺の体の上に優しく伸し掛かり、俺の筋肉隆々な胸の突起の片方に口付けている進ノ介。仮面ライダードライブ・タイプトライドロンの真っ赤なライドウェアが彼の体に密着し、その柔らかな肉付きをくっきりと浮かび上がらせている。
「…気持ちいいか、ハート?」
少しだけ顔を起こすと、進ノ介はにっこりとしながら俺に聞いて来た。
「…ああ。…気持ちいい、…のだろうな…」
そうとしか言えない自分が何だかもどかしい。俺の感情ベースの中には「快楽」と言う感情はないのだから。そんな俺の表情を読み取ったのか、進ノ介もちょっと苦笑すると、
「まぁ、ゆっくりと、だな」
と言い、再び、俺の胸の突起へ顔を埋めた。そして、今度は空いている方の突起を、指を使ってクリクリと刺激し始めたのだ。
「んはッ!!」
今まで以上の感覚が俺の体の中を駆け巡る。
…チュクチュクチュクチュク…ッッッッ!!!!…チュクッ!!…チュクチュクチュクチュク…ッッッッ!!!!
俺の右胸の突起に吸い付き、舌でそれを転がす進ノ介。時折、それを優しく噛むと、俺の体を更なる感覚が襲った。そして、左胸の突起は指で優しくくすぐるように刺激する。
「…は…、…ああ…ッ!!」
思わず、声が漏れる。
「…ンフッ!!」
そんな俺を見て、進ノ介が嬉しそうに目を細めた。
「…し…の…すけ…!!」
俺はそんな進ノ介の頭をそっと撫でる。すると進ノ介はちょっと調子に乗ったのか、俺の両胸の突起の刺激を更に強めたのだ。その途端、俺の体にビリビリと電流のような刺激が流れ、
「…うッ、…ああッ!!ああッ!!」
と、俺は柄にもなく大声を上げてしまった。その途端、はっとして口を両手で塞いだ。
「…フフッ…!」
進ノ介が嬉しそうに笑っている。
「…な、…何だ…ッ!?」
思わず、そう聞き返していた。すると進ノ介は、
「ハート。お前自身からまさか喘ぎ声が聞けるとは思わなかったぜ…!」
と悪戯っぽい笑みを浮かべてそう言ったのだ。
「…う、…うるさい…ッ!!」
顔が熱い。つまり、恥ずかしいと言う感情ベースが生まれ、俺の顔は真っ赤になっているのだろう。進ノ介に抱かれ、女のように喘がされている。大の男である俺が、体ががっしりとしており、言い寄って来る女性も多くいた志友正喜が、ただ背が高いだけの進ノ介に喘がされている。
「…あれ…?」
その時だった。
「こ、今度は何だッ!?」
いや、正直に言えば、俺にも分かっていた。進ノ介はニヤニヤとしながら、
「ハートぉぉぉぉ…!」
と笑っている。
「…おッ、…お前と一緒だ…ッ!!」
そうなのだ。
俺の2本の足の付け根、黒の革のパンツの中に収められている俺の男としての象徴がその中で大きな山を作り出していた。
「…フフッ!」
進ノ介は嬉しそうに笑うと、
「ハート。お前も感じてたんだな?」
と言って来た。
「…ああ。そうなのだろうな…!」
不思議な感覚の連続で、俺の男としての象徴であるペニスが熱を帯び始めていたのは分かっていた。そして、あっと言う間にそれは真っ黒な革のパンツの中で大きくなっていたのだ。
「…つか、マジでデケエな…!」
こんもりと大きな山を作っている俺のそこを見て、進ノ介が息を飲み込んだのが分かった。そう言う進ノ介のペニス。仮面ライダードライブ・タイプトライドロンの光沢のある鮮やかな赤色のライドウェアから飛び出したそれも更に大きさを増し、その先端からは透明な雫を垂らしていた。
「さぁ、次はどうする?」
どうするも何もないのだが、俺は敢えて進ノ介に聞いてみた。すると進ノ介は、
「…ッ!!」
と言葉を詰まらせたかと思うと顔を真っ赤にし、
「…み、…見ても、…いいか…?」
と聞いて来た。
「…フッ!」
思わず笑ってしまった俺。そして、
「見てもいいか、じゃないだろう?」
と意地悪く笑い、
「見たいんだろう?」
と聞いてみる。すると進ノ介は、
「…ッ!!」
と、言葉は詰まったものの、視線は俺のそこから離れようとしない。
「いいぜ、好きにしろよ!」
俺はそう言うと、カチャカチャとベルトのバックルを外した。そして、勢い良くズボンを下げたのだ。
「…うわ…ッ!!」
進ノ介が短い声を発し、顔を更に真っ赤にしたのが分かった。
「…?どうしたのだ、進ノ介?」
どぎまぎとした表情をしている進ノ介を見て、俺は言葉を掛ける。すると進ノ介は、
「…ハ、…ハート。…お前、…すっげぇ、エロ…ッ!!」
と言い出した。
「…?…どこがだ?」
エロいと言う言葉は何度か聞いたことがあった。と言うか、志友正喜の記憶の中にも、その言葉はちゃんとインプットされていた。つまり、志友正喜は完全に経験がなかったものの、取り敢えず、知識は持ち合わせていた、と言うことになる。
「…おッ、…お前のその下着だよッ!!」
進ノ介が目のやり場に困るように、その視線がきょときょとと忙しなく動いている。
「…これか?」
俺は自分の下半身を指差す。そこにあったのは、真っ黒なビキニタイプの下着。その中で、俺の男としての象徴が大きく勃起し、臍へ向かって真っすぐに伸びていた。そして、その先端部分は易々とビキニタイプの下着のウエストを超え、大きく顔を出していた。
「さぁ、進ノ介。俺のを楽にしてくれないか?」
静かに言う俺。すると進ノ介はゆっくりと手を伸ばし、俺のビキニタイプの下着のウエスト部分に手を掛けた。
ゆっくりと体から離れて行くウエスト部分。それに釣られるかのように、俺の大きく勃起したペニスの束縛が解かれて行く。
そして。
進ノ介の両手が、俺のビキニタイプの下着をゆっくりとずり下ろした時、俺の下半身は進ノ介の目の前で露わになり、大きく勃起したペニスはトクン、トクンと静かに脈打っていた。