Mr.MOONLIGHT 第20話
「行っけええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!ラピスううううううううッッッッッッッッ!!!!!!!!」
仮面ライダー龍玄の光実きゅんが叫んだ時、仮面ライダー冠のラピス君は眩く輝く真っ青な光となり、仮面ライダーブラーボに変身したワテクシに羽交い絞めにされた仮面ライダーナックルのザック君に体当たりをしていた。
「ぐぅううううおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ラピス君がザック君にぶち当たる直前、ワテクシはザック君の体を突き飛ばすように放し、その真っ青な光に包まれるようにした。そして、ザック君がその真っ青な光に包まれた時、不気味な低い声が辺りを包み込んだ。
「…ザ…、…ザ…ック…!?」
仮面ライダー黒影・真に変身しているペコ君が目を見開き、声を震わせている。
「…な、…何だよ、…この…声…!?」
いつものカッコいいザック君の声ではなかった。地の底から湧き上がって来るような、耳を覆いたくなるほどの不気味な低い声。
「恐らく、ヤツの、狗道供界の強力な思念波だろうな…」
ペコ君の肩にそっと手を置き、仮面ライダー斬月・真に変身しているメロンの君が静かに言った。
「人間を超越した存在。…凌馬の言葉を借りれば、怨念…。それがザックを操り、我々に刃を向けさせた。その力にザックは包まれてしまっている、と言うわけだ」
「…ぐぅうううう…ッッッッ!!!!」
「ザックさんッ!!元にッ、戻って下さいッ!!」
真っ青な光の中から、低い呻き声のような悲鳴と共に聞こえて来るラピス君の声。その声が、心なしか、苦しそうに聞こえた。
「…あなたは…ッ!!…あんな、…怨霊に負けるような人じゃないはずだッ!!」
「そうだッ、ザックッ!!お前は強いッ!!そんな怨念など、さっさと蹴散らしてしまえッ!!」
珍しいくらい、仮面ライダーバロンのバナーヌがアツい。だが、仮面ライダーセイヴァーの供界は、
「…フッ!!」
と笑ったかと思うと、
「…無駄だ。ザックは私の試練に耐えたのだ。私と共に、これからの未来を創る男なのだ」
と言った。
「私と共に、神になる。ザックはその資格がある男なのだ」
「てんめええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!いい加減にしろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
仮面ライダー鎧武オレンジアームズの水瓶座の男の子が飛び出して行く。そして、
「うぅぅぅぅおおおおっりゃああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と大橙丸を振り翳し、供界に斬り掛かった。
「…ククク…。…無駄だ無駄だ…!!」
供界も同じように大橙丸を振り上げる。
ギイイイイイイイインンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
金属の鋭い音が辺り一面に響き渡る。
「おおおおっりゃああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「はああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
同じようにして、仮面ライダー黒影の初瀬君と、仮面ライダーグリドンの城乃内が飛び込んで行く。
「「おおおおっりゃああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」」
初瀬君が影松を、城乃内がドンカチを振り下ろそうとしtその時だった。
「しつこいジャリ共だッ!!」
供界の声に余裕が消えた時、供界の体から毛の帯のようなものが物凄い勢いで飛び出した。そして、それらはあっと言う間に水瓶座の男の子と初瀬君、そして城乃内を絡め取った。
「なッ、何だッ、これッ!?」
水瓶座の男の子が慌てた声を上げる。
「…痛てッ!!…痛てええええッッッッ!!!!」
城乃内が悲鳴を上げる。
「…かッ、…体が…ッ!!…絞め付けられる…ッ!!」
初瀬君の苦しそうな声。
「…ザックよりはレベルが劣るが…。…まぁ、いい。…お前達3人にも試練を受けてもらうとしよう。…おっと。…初瀬にとっては2回目、かな…?」
「いい加減になさいいいいいッッッッ!!!!」
「はああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ワテクシが飛び出したその瞬間、メロンの君も一緒に駆け出して来た。
(…あ…)
その時、ワテクシはふと感じた。
(…この感覚…)
メロンの君がワテクシの傍にいると言う感覚。
(…何だか、…心地良い…)
言葉に出さなくても、憧れの方が傍にいると言うだけ。想いは伝わらないかもしれない。でも、それが妙にワテクシに安心感を与えてくれた。
「「はああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」」
ズバアアアアッッッッ!!!!
ワテクシとメロンの君は、水瓶座の男の子と初瀬君、城乃内に纏わり付いた帯を叩き切った。
「サンキューッ!!シャルモンのおっさんッ!!」
水瓶座の男の子がヘラヘラと笑いながら言う。
「…あッ、…アンタねええええッッッッ!!!!ぼおっとしてんじゃないわよッ!!アンタのようなレベルの高い子がッ、何であんなミイラ男に捕まるのよッ!!」
「…レ、…レベルの高い子って…」
「…それって、オレ達がレベルが低すぎってことですかあ…!?」
初瀬君と城乃内ががっくりと首を垂れると、メロンの君が2人の肩をぽんと叩いた。
「フフッ!!」
その光景に思わず笑ってしまったその時だった。
「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ザック君の叫び声が耳を劈く。
「声が変わった!?」
光実きゅんが驚いて声を上げる。
「ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
それまでの低い呻き声のような声から一転、いつもと変わらないザック君の声が聞こえて来た。
「なッ、何だとオオオオッッッッ!!!!!!??」
供界が驚いて声を上げる。とその時、
「ザックううううううううッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、ペコ君が堪え切れなくなったのか、ザック君の体に抱き付いた。
「ねえッ!!ザックううううッッッッ!!!!いい加減に戻ってよッ!!いつもの、カッコいい、僕の大好きなザックに戻ってよおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「うぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ザック君の体がガクガクと震え、頭を左右に振りみだし、ナックルボンバーで頭を抱えたその時だった。
ヒイイイイイイイイイイイイイイイインンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ザック君の体が一段と眩しく輝きを放った。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
そして、その光が消えた時、ザック君は短い声を上げたかと思うと、膝から崩れ落ちるように座り込んだ。
「…うう…ッ!!」
そんなザック君の背後に、光の渦から姿を変えたラピス君が崩れ落ちるようにしてしゃがみ込む。
「ラピスッ!?」
光実きゅんが慌ててラピス君に駆け寄ると、
「…へへ…ッ!!…成功…ッ!!」
と、荒い呼吸をしながらも、ラピス君は銀色のグローブでVサインを作り上げた。
「…ザ…ッ…ク…?」
「…」
心配そうにザック君を覗き込むペコ君。そんなペコ君をじっと見つめるザック君。
「…ペコ…?」
その声に、辺りが安堵感に包まれたのが分かった。