オーマの影 第21話
「…はぁぁ…」
ゲイツを犯した日から数日が過ぎていた。
「…何だろうなぁ…」
ここ数日、オレはぼんやりとしていることが多かった。高校で授業を受けていてもぼんやりとしていて、先生に怒られるし、意識がどこかへ飛んで行ってしまっているような感じだ。
「…ただいまぁ…」
家に帰って来る。
「…はぁぁ…。…疲れた…」
1日中、ただぼんやりしていただけなのに、何でこんなに疲れてるんだろう…。
その時だった。
「ソウゴ君ッ!!」
後ろから呼び止められ、オレは思わず体を硬直させていた。
「ソウゴ君ッ!!」
「…ツッ、…ツク…、…ヨミ…?」
まるで錆付いた機械のようにギギギッ、と言う音が聞こえるほど、ぎこちない動きで後ろを振り返るオレ。するとツクヨミは、
「…何?」
と、眉間に皺を寄せて訝しげに聞いて来る。
「…え?…な、…何でもないけど?」
引き攣った笑い、泳ぐ視線。明らかに怪しいじゃんッ!!
でもツクヨミは、
「それよりもッ、大変なのよッ!!」
とオレに言って来た。
「ゲイツが…」
「…ゲイツ…が…?」
「…ゲイツが変なのッ!!」
「…は?」
思わず目を点にする。
「…ゲ…、…ゲイツが変なのは、いつものことだろう?」
「そうじゃないのッ!!もっと変なのよッ!!」
…い、…いや、その言い方もどうかと…。
「…どんなふうに?」
「1日中、ぼんやりとして、何か考え事をしているみたいなんだけど、時々、顔を真っ赤にして、その顔を覆ったり、頭を抱えたりしているのよッ!!」
「…ふ、…ふ〜ん…」
オレは適当に相槌を打つことしか出来ない。だって、ゲイツがそうなった元凶って、オレなんだから!!
「ねぇッ、ソウゴ君ッ!!何かあったの?」
「ツッ、ツクヨミッ!!こッ、怖いよッ!!」
「…え?」
ツクヨミはきょとんとしてオレを見上げる。
いやいや、ツクヨミ君。そんなキラキラ、いや、ギラギラした目でオレを見ないで下さい。明らかに勘付いているってことでしょ?
「あ、な、何でもない!!」
オレはそう言うと、物凄い勢いで180度体を展開させて、
「とッ、とにかくッ!!あ、あんまり気にしないようにイイイイッッッッ!!!!」
と、大声で叫びながら物凄い勢いで部屋へと戻った。
ツクヨミは暫く、その場で呆然としていたが、不意にムッとした表情をしたかと思うと、
「…チッ!!」
と舌打ちをしたのだった。
「…たくぅ…ッ!!…冗談じゃないよッ!!」
部屋に戻ると、オレはカバンをぽぉんと放り投げ、そのままベッドの上に倒れ込んだ。
「…確かに、ゲイツがおかしくなったのはオレのせいかもしれないけど…」
あの時の光景が、オレの脳裏をぐるぐると駆け巡った。
「…お前は…。…お前は…ッ!!…やっぱりオーマだッ!!…オーマ…ジオウだッ!!最低最悪のッ、魔王だッ!!」
仮面ライダーゲイツの光沢のある鮮やかな赤色のライドウェア。そこから飛び出したゲイツの男としての象徴・ペニス。大きく、太く、長いそれはビクンッ、ビクンッ、とオレの手の中で大きく暴れ、その真っ赤に腫れ上がった先端からは淫猥な液体をドロドロと溢れさせていた。
「…ゲイツ…」
顔を真っ赤にし、目を潤ませて悔しそうにオレを睨んで来るゲイツ。でも、その瞳の奥にあったゲイツの男としての感情。快楽を貪りたいと言う男としての性との相反する感情に、ゲイツも相当、混乱していたのだろう。
「…ゲイツ…」
いつの間にか、オレはベージュのチェックの制服のズボンの中心部分に大きく盛り上がった、オレの男としての象徴を揉みしだいていた。
「…ゲ…、…イツ…!!」
ゲイツの身悶える顔、屈辱に歪む顔。そして、ゲイツの男としての象徴。
(…オレは…)
ジィィィィッッッッ!!!!
制服のズボンのファスナーを下ろし、グレーのボクサータイプの下着越しに自身の大きく勃起したペニスを握り、ゆるゆると上下に刺激する。
「…ん…ッ!!…んふ…ッ!!」
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
「…あ…あ…あ…あ…!!」
気が付いた時、オレの大きく勃起したペニスからはてらてらと淫猥に照り輝く液体が溢れ出し、下着をぐっしょりと濡らしていた。
「…ゲイツ…。…ゲイツ…!!」
ゲイツの苦悶の表情を思い出しながら、オレの右手はオレのペニスを物凄い勢いで上下に刺激する。
「…オレ…。…オレ…ッ!!」
ゲイツが好きだ!!ゲイツともっと仲良くなりたい!!もっともっと、ゲイツといろいろなことをしたい!!いろんな思い出を作りたいッ!!
「…ゲイツ…ッ!!…ゲイツウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
オレの腰がグンと突き上がる。
「イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう叫んだその瞬間、
ドブッ!!ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!
と言う物凄い勢いと共に、オレのペニスの先端からは濃白色な淫猥な液体が物凄い勢いで飛び出し、下着を突き破る勢いでオレの体の上にビチャビチャと飛び散った。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
物凄い脱力感。見上げる天井がぼんやりとしている。そのうち、それが歪み始めた。
「…う…!!」
オレの顔に流れる熱いもの。
「…ゲイ…、…ツ…!!」
オレ、ゲイツが好きだ。ゲイツにもっと傍にいて欲しい。ゲイツに、笑っていて欲しい。
「…だから…ッ、…オレは…ッ!!」
ゲイツを襲った理由。
ゲイツに振り向いて欲しかったから。
「どんな民も見捨てない、記憶に残る王様になる!!最善最高のオーマジオウになるッ!!」
それは、ゲイツに対しても同じこと。もしかしたら、今回のことで完全に嫌われたかもしれない。でも、オレなりの相当の覚悟で、ゲイツを犯したんだ。
「…ゲイツ…ぅ…。…ゲイツぅ…ッ!!」
ゲイツに聞こえないくらい小さな声で、オレは何度も何度もゲイツの名前を呼び続けていた。
チュン…。チュン…。
閉め切ったカーテンの隙間に明るい光が見えている。
「…朝…、…か…」
一睡も出来なかった。
(…オレは…)
オレははっきりと分かった。
「…オレは…。…やっぱり、ゲイツのことが好きなんだ…!!」
好きだからこそ、振り向いて欲しくて、あんなことをしてしまった。違う時代を生きる人間としてではなく、こうやってオレが生きている時代に来て、同じ空気を吸って、同じ環境で生きて…。
「…ゲイツは…?」
ゲイツはどうなんだろう。
「…ゲイツも…。…やっぱり、オレとのことを、…考えてる…?」