逆転有罪 第31話
「…ヤン…、…マ…?」
体をゴッドタランチュラの蜘蛛の糸にがんじがらめに拘束され、どうやっても振り解くことが出来ないギラの目の前にヤンマ・ガストが立った時、ギラは呆然とそれを見つめていた。
「…おい、タコメンチ…」
そう言いながら右腕をぶんぶんと振り回し、
「てめえ、覚悟は出来てんだろうなああああッッッッ!!!!」
とその右腕をギラへ向かって突き出す。するとギラは、
「…ッッッッ!!!!」
と身を強張らせ、目をギュッと閉じる。だが、何の衝撃も感じられない。
「…?」
恐る恐る目を開ける。
「…ククク…!!」
ヤンマの目が真っ赤にギラギラと輝いている。その右手はギラの顔の目の前でピタリと止まっていた。
「ぶん殴るのは、オレの性に合わねぇからなァ…」
「ウソだッ!!殴れないだけじゃないかッ!!」
ヤンマがフンと鼻で笑いながら言った言葉に、ギラがすかさず突っ込む。
「今までだって殴る振りをしたりしてた。ケンカ慣れしてないだけじゃないかッ!!」
「あ゛あ゛ッ!?」
その言葉にヤンマは顔を真っ赤にし、その光景を見ていた群衆の中には吹き出す者もいた。
「…て…、…んめ…ええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
顔を真っ赤にしたヤンマが体をブルブルと震わせる。
その時だった。
「いい加減にしないか、ヤンマ!!」
静かな、だが、威厳のある低い声が聞こえて来た。
「…ああ…?」
「…世界中に見せ付けてやれよ…。…君達が愛し合う姿を…!!」
ラクレスが静かに、だが、確実にギラとヤンマを侮蔑するかのように白けた表情で言った。その視線はヤンマの方を向いてはいない。
「…ったく…。…趣味が悪リィ国王様だ…!!」
「…フンッ!!」
「…ちッ!!」
ヤンマは小さく舌打ちをすると、
「しゃあねえッ!!」
と言うと、
「おい、タコメンチッ!!覚悟はいいだろうなああああッッッッ!!!!」
と、ギラに向かって叫ぶ。そして、
「王鎧武装ッ!!」
とオージャカリバーをぶんと振り回した。その瞬間、ヤンマの体が光を帯び、
「Tone boy!!オージャーッッッッ!!!!」
と言うけたたましい音声と共に、ヤンマの体が光沢のある鮮やかな青色のトンボオージャーのスーツに包まれていた。だが、ヤンマの頭部はトンボをあしらったマスクに包まれてはいなかった。
「…ちょ…ッ、…ヤッ、ヤンマッ!?」
あまりに突然のことにギラが唖然とする。そして、ヤンマの体の一部分に目が行った途端、
「…ッッッッ!!!!」
と、顔を真っ赤にし、凝然となった。
「…ククク…!!」
その部分を見せ付けるように擦るヤンマ。
「…てめえ…。…何だかんだ言いながら、やっぱ、好きなんじゃねぇか…!!」
ヤンマの2本の足の付け根部分。そこに浮き上がったヤンマの男としての象徴・ペニス。太く、長く、綺麗なフォルムを形成している先端を持つそれがトンボオージャーの光沢のある鮮やかな青色のスーツにクッキリと浮かび上がり、その存在感を示していたのだ。
「オラッ、タコメンチ!!てめえも王鎧武装しろよッ!!」
「…ど…ッ、…どうやって…?」
「だああああッッッッ、もうッッッッ!!!!めんどくせえなああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ギラが置かれている状況を見た時、ヤンマは面倒そうな声を上げ、ギラの手にオージャカリバーを握らせる。その瞬間、
「…え…ッ!?…ええ…ッ!?」
と言う悲鳴に近い声と共に、ギラの体が光に包まれた。そして、
「Qua god!!オージャーッッッッ!!!!」
と言うけたたましい音声と共に、ギラの体は光沢のある鮮やかな赤色のクワガタオージャーのスーツに包まれていた。そして、ヤンマと同じようにその頭部はクワガタをあしらったマスクに包まれてはいなかった。
「おい、タコメンチ」
「…い…、…嫌だ…!!」
ヤンマがギラの肩に手を回し、ニヤニヤと笑っている。そして、大きく勃起しているペニスをギラの体に擦り付けるようにしていたのだ。
「…やッ、…止めろよッ、ヤンマああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「別にいいじゃねぇか。…オレらの仲だろう?」
いつの間にか、2人を映し出すモニターが間近まで迫っている。
「…オレらの関係…、…世界中に知らしめてやろうぜ…?」
言うが早いか、ヤンマの顔がさっと動き、ギラの唇に自身の唇を押し当てていた。
その瞬間、群衆の中からどよめきと黄色い声が飛び交った。
…チュッ!!…チュクチュク…ッッッッ!!!!
「…ん…ッ、…んん…ッ!!」
顔を真っ赤にし、眉間に深い皺を刻むギラに対し、ヤンマは余裕の表情でギラの口腔内を蹂躙する。
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
ヤンマの舌がギラの口の中で縦横無尽に動く。
「んんんんッッッッ!!!!んんんんんんんんッッッッッッッッ!!!!!!!!」
苦しそうな呻き声を上げるギラ。だが、体はゴッドタランチュラの蜘蛛の糸に拘束されており、何もすることが出来ない。
「うほッ!!」
そんな2人の光景を見て、リタが目を大きく見開き、鼻息を荒くする。
「おおうおうおうおうッッッッ!!!!私もぉ、ギラ殿を優しく手ほどきしたいいいいいッッッッ!!!!」
目を大きく見開き、カグラギ・ディボウスキが言う。すると、
「あなたがそんなことしたら、黄色い声が悲鳴に変わるわ!!」
とヒメノが言った。
「…はい?」
目をパチクリさせるカグラギに対し、ヒメノはウットリとその光景を眺めている。
「美形同士だからいいのよ。美形だから、何をやっても絵になるわ!!」
と言った。
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
「んんんんッッッッ!!!!んんんんッッッッ!!!!んんんんんんんんんんんんんんんんッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ギラの呻き声がどんどん上ずって行く。
(…ま…ッ、…まずい…ッ!!)
ドクンッ!!ドクンッ!!
心臓が大きく高鳴る。ドクドクと血流が一定の場所に集まって行く。
その時、ギラは、自身の2本の足の付け根部分に息づく、ギラの男としての象徴であるペニスが少しずつ頭をもたげ始めていることに気付いていた。
(…こ…ッ、…このままじゃ…!!)
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
くすぐったい音が聞こえて来る中で、ギラのペニスはクワガタオージャーの光沢のある鮮やかな赤色のスーツの中でその存在感を現し始めていた。