歪んだ友情V 第3話
どのくらい時間が流れただろう。
完全に固まっている鉄也と純一。その気まずい雰囲気をぶち破ったのは、やはり鉄也だった。
「…んなッ、…何やってんだよッ、純一ィッ!!」
顔を真っ赤にして叫ぶ鉄也。
「…あ…」
そんな鉄也の声に我に返ったのか、ゆっくりと鉄也の顔を改めて見直す純一。
「…あ、じゃねえよッ!!」
鉄也が顔を真っ赤にして叫ぶのには理由があった。
自室で床にぺたんと座り込んでいる鉄也。そんな鉄也の下半身がものの見事に露出していた。ズボンも下着も膝下までずり下ろし、鉄也の2本の足の中心部分にある、鉄也の男としての象徴であるペニスを曝け出している。男女が絡み合う映像を見て、自身のそれを上下に刺激していた鉄也。そして、そこから濃白色の、淫猥な液体を飛び出させたその瞬間、純一が部屋に飛び込んで来たのだ。
「…て…っちゃ…ん…」
中学1年生のまだまだうぶな純一の目には、その光景が衝撃的に映っていた。
「…ひ、…人ん家に来る時は、前以て連絡して来いよなッ!!」
そう言いながら鉄也は、自身の右手にべっとりとこびり付いている濃白色の、異臭を放つそれをティッシュで拭き取り始めた。この時の鉄也は中学3年生。そろそろ性についての知識も多くなって来て、当然、そう言った行為もするようになっていた。そして、鉄也の出した淫猥な液体は濃い白色で、塊とも言えるべきそれが鉄也の手から垂れることもなく、べっとりとしていたのだ。
そんな鉄也を見て、純一は相変わらず固まってしまっている。そんな純一に苛立ったのか、
「いつまでそこに突っ立ってんだよッ!?さっさと出てけよッ!!」
と鉄也が言い放った。
その時だった。
「…じ、…純一ッ!?」
呆然とその場に立ち尽くしていた純一の目から涙がポロポロと零れ始めたのだ。
「…て…、…て…っちゃ…ん…!」
ヒクヒクと肩を動かす純一。
「…てっちゃんが、…病気に…なっちゃった…!!」
「…は?」
純一のトンデモ発言に目を点にする鉄也。
「…てっちゃんの、…オチンチン…から、…変な、…液体が…!!」
そして、フラフラと鉄也に歩み寄ったかと思うと、鉄也の隣りにぺたんと座り込んだ。そして、少しずつ小さくなりつつある鉄也のそれに手を伸ばしたかと思うと、いきなりギュッと握ったのである。
「んひゃッ!?」
突然のことに素っ頓狂な声を上げる鉄也。そして、
「…お、…おい、純一ッ!?」
と顔を真っ赤にして声を上げた。だが純一は、顔をくしゃくしゃにして、
「…てっちゃんが…!…てっちゃんが、死んじゃうううううッッッッ!!!!」
と大声で泣き始めたのだ。
「はああああッッッッ!!!!!!??」
これにはさすがに鉄也も参ってしまい、
「…い、…いや、…じゅ、…純一…?…あ、…あのな…」
と声をかけるのだが、純一は泣きじゃくり、
「てっちゃんが…!…てっちゃんがああああッッッッ!!!!」
と、更に大声で泣き始めた。
「おッ、落ち着けよッ、純一ィッ!!」
さすがに萎えて来たのか、純一の手に握られていた鉄也のそれは完全に小さくなっていた。
「…っく…ッ!!…うく…ッ!!」
真っ赤にし、涙と鼻水でべたべたの顔を鉄也に向けている純一。鉄也はやれやれと苦笑すると、
「あのな、純一。これは病気でも何でもないんだよ」
と優しく語り始めた。
「…ふえ?」
ひくひくとしゃくり上げながら、純一が変な声を上げて聞き返す。
「…あれは、…精液って言って、純一にもあるんだぜ?」
顔を赤らめて照れ臭そうに言う鉄也。すると純一は、
「僕にも?」
と驚いた表情を見せた。鉄也はコクンと頷くと、
「純一、セックスって知ってるか?」
と聞いてみる。
「…せ…くす…?」
きょとんとする純一。すると鉄也はテレビ画面を指さし、
「こうやって、男と女がエッチなことをすることだよ!」
と言った。
「…な、…何、…これ…?」
純一は顔を真っ赤にして呆然とする。
「それで、精液ってのは、男が興奮すると射精するんだよ。その時にここから飛び出すんだぜ?」
そう言いながら、自身のペニスを指さす鉄也。それをまじまじと見つめる純一。
「…てっちゃんの、…僕のと形が違う…」
純一がそう呟いたのを、鉄也は聞き逃さなかった。
「…純一、…剥けてないのか?」
「…剥ける?」
きょとんとする純一。いつの間にか、純一の手は鉄也のそこから離れていた。そんなそれを鉄也は改めて握り直すと、グイッと先端へ向かって手を押し進める。すると、淡いピンク色の先端部分に、すっぽりと黒ずんだ皮がかぶった。
「…あ…」
それを見た純一が声を上げる。そして、
「…僕と、同じだ…!」
と言った。その言葉に鉄也はニヤリとして、
「なるほどね。純一はまだお子ちゃまなんだな!」
と言いながら、純一の頭を静かに撫でた。
「…よく、…分かんない…」
純一がぽつりと零す。
「…なぁ、…純一…」
その時、鉄也が純一をじっと見つめていた。真剣な眼差しの鉄也。この時、鉄也の心に妙な感情が芽生えつつあったのを、鉄也も気付かないでいた。
「…て…っちゃん…?」
ゆっくりと鉄也の顔が近付いて来る。そして、
…チュッ!!
と言う音を立てて、鉄也と純一の唇が重なった。
「…セックス…してみっか…?」
「…てっ…ちゃん…?」
相変わらずきょとんとしている純一。
「…僕、…男だよ…?」
すると鉄也はニヤリと笑って、
「男同士でもセックスは出来るんだぜ?」
と言うと、純一の両肩に両手をかける。
「…怖いよ…」
純一の声が微かに震えている。その時、鉄也は優しい笑みを浮かべて、
「大丈夫だよ、純一。何にも怖くないから」
と言い、純一を床の上に押し倒した。
「…あ…」
その時、純一の視界に鉄也のペニスが飛び込んで来た。
「…てっちゃん…。…また、…大きくなってる…!」
鉄也の臍へ向かって真っ直ぐに伸びる鉄也のペニス。硬く勃起したそれはビクンビクンと、鉄也の脈動に合わせて大きく跳ねていた。
「フフッ!何か、純一とこんなことしてるんだって思ったら、興奮しちまってるんだ…!」
「…ねぇ、…てっちゃん…」
ゆっくりと伸し掛かって来た鉄也に、純一が尋ねる。
「…僕は、…どうすればいいの?」
鉄也は静かに微笑むと、
「純一は何もしなくていいんだよ。俺が、ちゃんとリードしてやるから…!」
と言い、ゆっくりと唇を合わせたのだった。