歪んだ友情V 第4話
上から下まで真っ黒な学生服姿の純一と、白いTシャツ、下半身は剥き出しのままの鉄也が静まり返った床の上に寝転がっている。その、黒と白と言う色のコントラストで妙な光景が広がっていたのは言うまでもない。
…チュッ!!…チュッ!!
そこへ、くすぐったい音が聞こえ始める。純一と鉄也の唇が重なっていたのだ。
「…て…っちゃ…ん…」
「…純一…」
何度も何度も啄ばむように、チュッ、チュッ、と言うくすぐったい音を立ててキスをする鉄也。一方の純一は初めての経験のせいか、何も出来ず、ただ床の上に寝転がっているだけの状態だった。
「…怖いか?」
鉄也は純一に尋ねる。その優しい瞳に、純一は吸い込まれそうになり、
「…ううん…」
と小さく首を左右に振った。
「…でも、僕、…本当にどうしたらいいのか、分からないんだ…」
「うん。大丈夫だよ、純一」
そう言った鉄也の唇が、ぷっくりとした純一の唇に再び重なる。そして、
「俺の言う通りにしてみて」
と言うと、
「…口を少しだけ開いて…」
と言った。すると純一は目をゆっくりと閉じながら、口を少しだけ開いた。そこへ鉄也は再び唇を合わせると、ゆっくりと舌を純一の口の中に挿し込んだ。その途端、純一の体がビクッと跳ね、
「んんッ!!」
と、顔を真っ赤にして呻いた。
…チュッ!!…チュクチュク…ッ!!
だが鉄也は躊躇することなく、純一の口腔内で舌を動かす。同時に、くすぐったい音が部屋の中に響き始める。
…チュッ!!…チュクチュク…ッ!!…チュクチュク…ッ!!
「…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
そのうち、堪え切れなくなったのか、純一の両腕が鉄也の背中へ回ったかと思うと、そこをドンドンと叩き始めた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
顔を真っ赤にし、目を潤ませている純一。その息が上がっている。
「…純一…」
その時、鉄也の中で何かが切れた。怯えた表情の純一を見た鉄也は純一の頭を腕でしっかりと固定すると、再び、キスをし始めたのである。
…チュクチュクッッッッ!!…チュクチュクチュクチュクッッッッ!!!!
くすぐったいような、淫猥な音が大きくなり、同時に、
「んんんんッッッッ!!!!んんんんッッッッ!!!!」
と言う純一の上ずった呻き声が聞こえる。だが、鉄也はお構いなしに純一にキスを続けながら、右手で手際よく純一の学生服のボタンを外し、その中に着込んでいる純一の白いシャツのボタンをも外し、その下のアンダーシャツだけの姿にした。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
呼吸を荒くした2人がお互いに見つめ合う。
「…て…っちゃ…ん…」
その時、純一の目から一筋の涙が零れた。
「…ごッ、…ごめん…ッ!!」
瞬時に我に返った鉄也は、瞬時にして起き上がり、顔を真っ赤にして純一にあやまっていた。
「…おッ、…俺…ッ!!…純一を見てたら、…何だか、…凄くかわいくて…!!」
「…だ…い…じょうぶ…」
体をピクリとも動かすことなく、純一が言う。
「…ちょっと、…びっくりしただけ…、…だから…」
そう言った純一の両手が動き、
「…て…っちゃん…」
と、鉄也を呼ぶ。
「うん?」
鉄也が顔を近付けた時だった。純一の両腕が鉄也を抱き締め、グイッと引っ張ったのだ。
「うおッ!?」
それに驚き、あっと言う間に純一に抱き締められる鉄也。
「…じ、…じゅん…いち…?」
今度は鉄也が問い掛ける番だった。
「…純一…?」
ニコニコと静かに微笑んでいる純一。そして、
「えへへー」
と笑ったのだ。
「…いきなりだったから、ビックリしちゃったし、…ちょっと、怖かったけど、…てっちゃんとチュウしちゃったね!」
鉄也は何も言うことが出来ず、ただ、呆然と純一を見つめている。すると純一は、
「えへへー。てっちゃんと、大好きなてっちゃんとチュウしちゃったぁ♪」
と、明るい調子で言った。そして、やや顔を赤らめて、
「…僕のファーストキスはてっちゃんだぁ♪」
と言ったのだ。
「…ごめん…」
本当は女の子とファーストキスをしたかっただろうに…。今更だが、自分が暴走したことに後悔し始める鉄也。だが純一は、
「大丈夫だよぉ、てっちゃあん!」
といつもの調子で言う。
「僕、てっちゃんが大好きだからさ!…だから…」
「…純一…?」
再び、純一の顔が赤らんでいた。
「…だから、…もっと、…キスして…。…もっと、…セックス…しよ…?」
「…いいのか?」
鉄也が問い掛けると、静かにコクンと頷く純一。鉄也は静かに微笑むと、
「…じゃあ…」
と言い、再び純一と唇を重ねる。
…チュッ!!…チュクチュク…ッ!!…クチュッ!!
くすぐったい音が再び部屋の中に響き渡る。
「…ん…」
今度は鉄也が驚く番だった。
純一の口の中に舌を入れていたさっきまでは、純一は一切、何もして来なかったのに、今は純一の舌が鉄也の舌を追い掛けるように動き、鉄也の舌と絡み合っている。それがくすぐったい音を更に大きくさせているのは言うまでもなかった。
「…ん…、…んふ…!!」
「…んん…ッ!!」
2人の少年の吐息が混ざり合う。
その時、鉄也の右手がゆっくりと純一のシャツとアンダーシャツの間に忍び込み、純一の左側面をそっと撫でた。その途端、
「んんッ!!」
と純一が呻き声を上げ、ビクリと体を跳ねらせた。
「…フフッ!」
優しく微笑む鉄也。
「…て…っちゃ…ん…?」
やや呼吸を荒くして、鉄也を見つめる純一。
「…大丈夫だから…」
鉄也がそう言うと、純一はニッコリと微笑んで、
「…うん…」
と小さく頷く。
その時、鉄也は純一のアンダーシャツを一気に捲くし上げた。
「…あ…」
純一が小さく声を上げる。純一のスベスベの白い肌が鉄也の目に焼き付く。
「…きれいな肌してるんだな、純一って」
ニッコリと笑うと、鉄也は右手をゆっくりと純一の体に滑らせる。
「…ふ…ん…、…んん…ッ!!」
ピクッ、ピクッ、と体を跳ねらセながら、純一が目を閉じて顔を歪めている。
「…気持ちいい?」
鉄也が尋ねると、純一は、
「…わ、…分かん…ない…!」
と言う。
「…じゃあ、…これは?」
その時、鉄也が顔をゆっくりと純一の胸へ近付ける。
「…あ…、…あぁ…!」
純一が震えた声を上げる。その視線の先には、鉄也のニヤニヤとした顔と、その目線の先にある自分の胸の、淡いピンク色の突起。
チュッ!!
と言う音が聞こえたその瞬間、
「ふああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と言う純一の甲高い声が部屋中に響き渡った。