どっちもどっち 第21話

 

「…ねぇ、…ケンタを、…いじめて、…いい?」

 まさかの言葉。まさか、アキラの口からそんな言葉が出るなんて。

「…オレを、…甚振りたい、…のか…?」

 顔を真っ赤にしているアキラを見て、ケンタも同じように顔を真っ赤にした。ぞわぞわとしたおぞましい感情がケンタを支配する。と同時に、少しずつ、ケンタの息が荒くなり始めた。

 そして。

 ジーパンの中心に息づく、ケンタの男子としての象徴が急速に熱を帯び、ジーパンを押し上げ始めていた。

「…うん…。…ケンタを、…いじめたい…!!…って言うか、ケンタのオチンチンを触りたいッッッッ!!!!

 はにかんだ笑顔で言うアキラ。だが、その瞳の奥にはギラギラとした欲望が窺えた。ケンタも同じようにはにかんだ笑顔を見せると、

「オレはアキラ様の奴隷ですッ!!喜んでこの体を捧げますッ!!

 と言い、

「オーラマスクッッッッ!!!!

 と叫んだ。その瞬間、ケンタの体が輝きを帯びたかと思うと、光沢のある鮮やかな黒と白のスーツに身を包んでいた。ケンタがブラックマスクにオーラマスクしたのだ。だが、いつもと同じように、マスクは外された状態だった。

「…じゃあ、…僕も…ッ!!

 やや息が荒くしながら、アキラもそう言うと、

「オーラマスクッッッッ!!!!

 と叫んだ。その瞬間、アキラの体も輝きを帯び、光沢のある鮮やかな青と白のスーツに身を包んでいた。アキラはブルーマスクにオーラマスクしたのだ。そして、アキラもいつもと同じように、マスクを外した状態だった。

「…へへッ!!

 突然、アキラが笑ったかと思うと、再びケンタに抱き付いた。

「…ア、…アキラ…様?」

 突然のことに戸惑いながらも、ケンタはアキラの体を抱き締め、その頭を撫でた。

「…何か、…くすぐったいね…ッ!!

 アキラはそう言うと、ニコニコとケンタを見つめる。

「…あのぉ、…アキラ…様…」

 と、ケンタが急にもぞもぞと動き始めた。

「…?」

 きょとんとした表情でケンタを見つめるアキラ。

「…あ、あの…ッ!!…その…ッッッッ!!!!

「…あれ?」

 その時、アキラは自分の足元に違和感を覚え、思わず見下ろした。

「ああッ!!

 と同時に、ケンタが声を上げ、顔を真っ赤にする。

「…ケンタの、…オチンチン…、…勃っちゃってる…!!

「…だッ、だってッ、アキラ様が殺人級にかわいいから…ッ!!

 その時、アキラが不意に黙り込んだ。

「…アキラ…様…?」

 今までのアキラだったら、物凄く怒るか、逆に、ケンタのそれが使い物にならなくなるのではないかと言うほど、激しく刺激を加えていた。だが、今はそれをじぃっと見つめたままだ。

「…ど、…どした、…アキラぁ?」

 素に戻ってケンタがアキラに問い掛ける。

「…いいなぁ…」

 その時、アキラが呟くように言った。

「え?」

 ケンタは思わずアキラに聞き返す。するとアキラはゆっくりとケンタのそれを包み込んだ。

「んあッ!!

 突然の刺激に、ケンタがビクリと体を反応させる。

「…んあ…ッ!!…く…ッ、…ああッ!!…おおおお…ッッッッ!!!!

 アキラは相変わらず無言のまま、ケンタの大きく勃起したそれをゆっくりと撫で続ける。大きくなった棒の部分だけではなく、その奥に息づく、ケンタのふてぶてしい2つの球体も。アキラの指先が、ケンタのそれの裏筋をつつっと撫で上げるたびに、ケンタが甘い吐息を漏らす。

「…僕のとは大違いだ…!!

 ぽそっと呟いた言葉を、ケンタは聞き逃さなかった。

「…ケンタのこれ、…物凄く大きい…。…羨ましいよ…」

 その時、ケンタは両腕を伸ばすと、アキラをすっぽりと包み、グイッと自身の方へ引き寄せた。

「…あ…」

 その力に引っ張られるかのように、アキラの体が浮き、ぽすんとケンタの胸の中にいた。

「…ケ、…ケン…タ…?」

 優しい瞳で見下ろしているケンタ。そして、

「別に、ここがデカイからって、いいことばかりじゃないぜぇ?」

 と言うと悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「アキラに思い切り殴られたしなッ!!

「だッ、だってッ、それはッ…!!

 アキラが起き上がろうと、体を動かしたその時だった。ケンタも同じように少しだけ起き上がったかと思うと、

 チュッ!!

 と言うくすぐったい音を立てて、アキラにキスをした。

「…ケン…タ…?」

 お互いに気持ちを通わせた後、ケンタが急に優しくなったような気がする、アキラはそう思っていた。ケンタはアキラを再び優しく抱き締めると、

「関係ないよ、チンポの大きさなんてさッ!!

 と言った。

「それで男としての優劣を付けられたら、冗談じゃないだろ?」

「でッ、でもッ!!

 アキラが何かを言いかけた。するとケンタはそれを遮るかのように、

「十人十色、千差万別。たで食う虫も好き好きって言うだろ?」

 と言った。

「…?」

 アキラが何となく理解に苦しんでいるのが分かったケンタは、

「もっとストレートな言い方をすれば、大きいチンポが好きなやつもいれば、小さいのが好きなやつもいるってことだよ!!

 と言った。

「…僕は…」

 その時、アキラがニッコリとして言った。

「…僕は、…ケンタの大きなオチンチン、…好きだよ…!!

 と言い、ゆっくりと起き上がると、再び、ケンタのそれを優しく包み込んだ。

「んんッ!!

 突然の刺激に、ケンタが声を上げる。

「…それにしてもさ、…黒光りするスーツに浮き出たケンタのオチンチンって、形が物凄くリアルで、…何か、…エッチだね…ッ!!

 アキラの手が、ゆっくりとケンタのそれを這う。

「…あッ!!…んあッ!!…おおおお…ッッッッ!!!!

 アキラの手がケンタのそれの上を這い回り、そのたびにケンタの体に言いようのない快感の電流が流れる。

「…気持ちいい、…ケンタぁ?」

 顔をほんのり赤くしてケンタに尋ねるアキラ。

「…きッ、…気持ちいい…です…ッ!!…アキラ…様…あッ!!

 体をくねくね捩じらせながら、同じように顔を赤くして言うケンタ。

「…じゃあ…!!

 そう言うとアキラは、今度はケンタの大きく勃起したそれを、スーツ越しにゆっくりと握った。

「んんッ!!

 ケンタがビクビクと体を跳ねらせる。

「…もっと気持ち良くなってね…!!

 そう言ったアキラの右手がゆるゆると上下に動き始めた。

 

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