どっちもどっち 第23話
「…ぁぁぁぁ…!!」
ブラックマスクにオーラマスクしたケンタ。股の間にちょこんと座り、大きく勃起したケンタの股間をスーツ越しにギュッと握り、目をギラギラと輝かせているブルーマスクにオーラマスクしたアキラ。
ケンタは正直、この現実を受け止められないでいた。
あんなに自分に犯されるのを嫌がっていたアキラ。いやらしい話をすれば、あんなに顔を真っ赤にしていたアキラ。そんなアキラが今、まるで人が変わったかのようにケンタの大きく勃起したそれを握り締め、ニヤニヤしている。そして、
「お前のエネルギー、全て吸い取ってやるよ、ブラックマスク…!!」
と言い、アキラはケンタのそれをスーツごとゆっくりと口の中へ含んだのだった。
「…んあ…ッ!?」
ケンタの股間の大きく太いそれがブラックマスクのスーツの生地を通して温もりを感じた時、ケンタはビクンと体を跳ねらせた。
「…ぁぁぁぁ…!!」
ゆっくりと自身の股間を見やる。
「…ん…ッ、…んん…ッ!!」
ブルーマスクにオーラマスクしているアキラが、スーツ越しにゆっくりとケンタのそれを口の中で愛撫している。時には頭を上下し、時には舌と唇を使って。そのぎこちなさが、ケンタにゾワゾワとした感覚を与えていた。
「…ぁぁぁぁああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
次の瞬間、ケンタが大声で叫んだかと思うと、アキラの頭をガッシリと掴んだのだ。
「んんんんッッッッ!!??」
これにはアキラも驚いて思わず声を上げた。
「ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
次の瞬間、ケンタが腰を何度も何度も突き上げ始めた。
「…んッ!?…んん…ッ!?…んんんんッッッッ!!!!んんんんッッッッ!!!!んんんんんんんんッッッッッッッッ!!!!!!!!」
アキラの顔が真っ赤になっている。目をカッと見開いたまま、ポロポロと涙を零す。ケンタの大きなそれが、アキラの喉の奥に何度も突き刺さるのだろう。それにえづくアキラ。
「…んんんんああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ケンタが我に返った時、アキラが悲鳴に近い声を上げていた。
「…あ…ッ!!」
その瞬間、ケンタの顔が真っ青になった。目の前でアキラがゲホゲホと咳き込んでいる。
「すッ、すまんッ!!アキラああああッッッッ!!!!」
ベッドから思わず起き上がり、ケンタはアキラを強く抱き締めていた。
「…ケ…ンタ…ぁ…ッ!!」
ぐしぐしと泣きながら、ケンタの腕の中でケンタを見上げるアキラ。
「ごめんッ、アキラああああッッッッ!!!!」
するとアキラは、ケンタの胸に顔を埋めたかと思うと、
「…酷いよぉ、…ケンタ…ぁ…ッ!!」
と嗚咽しながら言う。
「…せっかく、…きちんと、…気持ちよく、…してあげようと、…思った…、…のにぃ…ッ!!」
「ごめんッ!!」
ケンタは再びアキラをギュッと強く抱き締めた。
「…アキラの口の中…、…凄く気持ちよくてさ…。…あんなにオレにエッチなことをされるのを嫌がっていたアキラが、…自分から、…オレのを舐めたりしてくれてるんだって思ったら、…何だか、…滅茶苦茶興奮しちゃってさ…!!」
そう言うとケンタはアキラと見つめ合った。
「…ケン…タ…?」
ケンタが今までに見たことのないほど、優しい顔をしている。いや、優しい顔と言うより、どことなく不安そうな顔付きだ。
「…けど…」
不安げに見つめるケンタの表情が、アキラの脳裏に妙に焼き付いた。
「…本当に、…無理は、…してないか…?」
アキラが何も言えずに戸惑っていると、ケンタはアキラの頭を優しく撫でながら、
「…今までそんなに経験したことがなかったアキラが、急にオレをいじめたいって言って…。…嬉しかったんだけど、ちょっと不安もあったんだ。…オレは勢いに任せてアキラを無理矢理、犯したりしたけど、アキラが自分からそうやって言って…。…しかも、オレのを口の中に入れようとして…!」
と言った。その時、自身の背中に腕を回しているアキラの腕の力が強くなったのを、ケンタは見逃さなかった。
「…ケン…タ…ぁ…!!」
気が付くと、アキラが肩をヒクヒクさせている。
「…やっぱり、…無理してたのか…?」
「違うッ!!」
突然、アキラが大声でそう言ったかと思うと、顔を上げてケンタを見つめた。
「…僕、…僕ぅ…ッ!!」
ぐしぐしと泣きながら言うアキラ。
「…僕、…本当にケンタを気持ちよくしてあげたいんだ…!!…ケンタが僕を守るって言ってくれて、…ケンタが僕の奴隷になるって言ってくれて…!!…僕、…僕…ッ!!」
その時、アキラの両目から涙が堰を切ったかのようにボロボロと零れ落ちた。
「…僕ッ、ケンタが大好きなんだッ!!」
と言い、ケンタを物凄い勢いでベッドへ押し倒した。
「うおッ!?」
突然のことにバランスを崩したケンタは、勢いに任せてベッドに倒れ込む。
「…ケンタ…。…ケンタあ…ッ!!…ケンタああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
自分の胸の上で、大声で泣くアキラ。
「…大丈夫だ、…アキラ…」
ケンタの目も潤んでいた。
「…オレが、…何があっても守るから!…絶対に、…アキラを離すようなことはしないから…!!」
「…うん…。…うん…ッ!!」
ケンタの優しい言葉に、アキラは何度も大きく首を縦に振っていた。
「…落ち着いた…?」
ひとしきり泣き、ようやく落ち着いて来たアキラに、ケンタは聞いてみた。
「…うん…」
ゆっくりと顔を上げるアキラ。そして、
「…えへへー…!」
と笑った。顔は真っ赤になり、目はぱんぱんに腫れ上がっている。
「…あぁあぁ。…かわいい顔が台無しだぜ、アキラぁ…!!」
ケンタは苦笑すると、そう言った。
「…ごめんね、…ケンタぁ…」
恥ずかしそうに笑うアキラ。
「…せっかく、ケンタを気持ちよくしてあげようと思ったのに、…何だか、変なことになっちゃったね…?」
するとケンタはゆっくりと首を振った。
「アキラが物凄く一生懸命にオレを気持ちよくしようとしてくれたの、すっげぇ、嬉しかった!」
そう言うとケンタは、ゆっくりと体を起こし始めた。
「…あ…」
それに釣られるかのように、アキラもゆっくりと起き上がり、ケンタの横に座った。
「…ゆっくり、…やって行こう…!!」
アキラが見上げたそこには、ケンタの穏やかな笑みがあった。
「…そんなに急ぐことはないよ、アキラ。…ゆっくり、…ゆっくりと、…な!!」
「…うん…ッ!!」
そう言うと、2人はどちらからともなく顔を寄せ合い、静かに唇を合わせた。