処刑!メガレッドU 第12話

 

 巧の細い腕が伸び、真っ白なTシャツに浮き出た健太の胸の2つの突起をキュッと摘まんだ瞬間、健太の体には今までに感じたことのなかった物凄い電流が駆け抜けた。

「ンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!

 ビクンと体を跳ねらせ、必死に声を押し殺す。

「…く…ッ…!!

 顔を真っ赤にして、目を大きく見開き、何か信じられないものを見るような眼差しで健太は巧を見つめている。

「あっれ〜?おっかしいなぁ…。マネキン人形からやっぱり声が聞こえる。それに時々、ビクン、って動くんだよねえ?」

 ニヤニヤと不気味な笑みを浮かべ、か細い、骨のような巧の手が健太の胸の突起をクリクリと左右に回すように摘まむ。

「…んく…ッ!!…んん…ッ!!

 懸命に声を押し殺す健太。

(…な、…何…で…?)

 正直に言えば、戸惑いもあった。

 健太の性感帯と言えば、言わずもがな、2本の足の付け根にある、健太の男としての象徴であるペニスだけのはずだった。だが、巧に程よく肉付いた胸の2つの突起を摘ままれたり、刺激されたりした時、くすぐったさとは違う、言い様のない感覚が体を駆け抜けたのは否定出来なかった。

「…フフフ…!!

 そんな健太の表情を読み取ったのか、巧が低い声を上げて笑い始めた。

「…マネキンにこんなことを教えても意味はないんだろうけど、どうして乳首が感じてしまうのか、知りたいだろ?」

 その時、健太は無意識のうちにコクンと頷いていた。

「…フフッ!」

 笑いながら、巧は健太の胸の2つの突起をクリクリと捻り続ける。

「…ん…ッ!!…んく…ッ!!…あ…、…あ…!!

 その強弱を付けた刺激に、健太は声を上げ続ける。

「…ククク…!!

 巧はますます勝ち誇った笑みを浮かべ、

「まぁ、バカな健太君には話をしても分からないかもしれないけど…」

 と言い、

「人間はお母さんのお腹の中にいる時、誰しも女の子として成長を始めるんだよ」

 と言った。

「それが細胞分裂の途中で、男としての遺伝子を持っているヤツなら男に、女としての遺伝子を持っているのなら女になるんだ。大人の体付きになって来ると声変わりをしたり、筋肉や骨が発達して男らしい体付きになるのはそのためさ」

(…へぇ…)

 その時ばかりは、健太は妙に納得したような顔をしていた。だが、それが巧には気に入らなかったのか、

「…ちッ…!!

 と舌打ちをすると、健太の背後に回り込んだ。

「…ッ!?

 嫌な予感がして、健太は思わず振り返ろうとした。ところが、

「振り返るんじゃねえよッ!!てめえはマネキンなんだよッ!!

 と言う巧の罵声が飛び、

 ボコッ!!

 と言う音と共に健太の右尻に巧の足が減り込んだ。

「痛ってええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!

 これにはマネキンのフリをしていた健太もさすがに悲鳴を上げ、大きく飛び上がった。

「ほらッ、動くなよッ!!

「…あ…あ…あ…あ…!!

 柔らかいが筋肉質な尻がズキズキと痛む。そうこうしている間にも、巧は健太の背後に小さな木箱を持って来ると、

「んしょッ!!

 と声を上げ、その上に飛び乗った。

「こうでもしないと、このマネキンと腰の位置を合わせられないからな…!」

 そう言いながら巧はカチャカチャと学生服のズボンのベルトを緩め始めた。

「…え…?…え…?」

 その時、健太は顔を真っ青にした。

「…んな…ッ…!?

 巧がズボンを下ろした瞬間、そこから真っ白な下着が現れ、その前部分をテントのように張り出していた。だが、それはさほど大きくなく、健太のと比べれば雲泥の差の、貧素なものであった。ぐしょぐしょに濡れたそこから巧のそれの先端が見え隠れする。花の蕾のような、茶色い包皮。

「…フフフ…!!

 巧は笑いながら、健太の両腰を持つ。

「…や、…止めろ…!!

 何をされるのか分かった健太が思わず声を上げる。すると巧は、

「だから、お前はマネキンなんだよッ!!声を上げちゃダメだろう?」

 と言い、真っ直ぐに突き出した自身のペニスを、真っ白なブリーフごと、健太の筋肉質な双丘の割れ目に宛がったのである。そして、

「ブスリッ!!

 と言いながら、グンと腰を押し進めたのだ。その瞬間、

「うぅわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!

 と健太が悲鳴を上げる。

「ズブズブズブズブッッッッ!!!!

 健太の両腰を後ろからガッシリと掴み、腰を前後に振る巧。その突き出した小さなペニスが、健太の双丘の割れ目に光沢のある真っ赤なスパッツの上から突き刺さる。

「…フフッ!…僕が…」

 顔を上気させ、うわ言のように呟く巧。

「…僕が、…この僕が、…メガレッドを、…健太を犯してる…!…凄い…ッ!!…凄い…ッ!!

 その口元から涎がつつっと零れた。その瞬間、

「…でッ、…出る…ッ!!

 と、不意に巧が呻き声を上げた。

「…え?」

 健太が思わず振り返ったその時だった。

 ビクビクビクビクッッッッ!!!!

 巧の腰が小さく、小刻みに揺れ動いた。そして、真っ白なブリーフのその部分が濡れ光り、そこから強烈な異臭が漂い始めたのだ。

「…あ…あ…あ…!!

 呆然とする健太。そして、

「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ…!!

 と、顔を真っ赤にして荒い呼吸をする巧。

「…た、…巧…様…?」

 呆然とする健太。すると巧は恥ずかしそうに微笑んで、

「…健太を、…メガレッドを犯してるんだって思ったらさ、…物凄く興奮したんだ…!」

 と言った。だが、

「…でも…」

 と言った巧の目が、健太のある一点に注がれる。

「…健太は、…全然、興奮していないみたいだね…!」

「…あ…」

(…当たり前だッ!!

 と言いかけて、口を閉じた。

(…と言うか…)

 健太は、いつの間にか、巧の執拗な攻撃から耐えていた。

 その証拠に、健太の2本の足の付け根、光沢のある真っ赤なスパッツの中に息づいている、健太の男としての象徴であるペニス。それがずっと形を変えず、その場所に静かに存在していたのだった。

「…しょうがないなぁ…!」

 その時、巧は立ち上がると学生服のズボンを上げたのである。

「…たッ、…巧様ッ!!…下着くらい穿き替えて来たらどうですか?…お腹冷やしますよ?」

 そう言った時、巧は一瞬、きょとんとした表情を見せた。だがすぐにニヤリと笑って、

「…そう言って、僕が着替えに行っている間に逃げようとするんだろ?」

 と言った。

「…ちッ、…違…ッ!!

(後ろ手に手錠を掛けられているんだ、逃げられるか!)

 と言いたかった。だが、その時、巧は再びデスクの方へ歩いて行ったかと思うと、引き出しを再びガサゴソと漁り始めた。そして、

「…あった…!」

 と言って手にしたものを見た瞬間、健太は顔を真っ青にしたのだった。

 

第13話へ