処刑!メガレッドU 第17話
ドクンッ!!ドクンッ!!
急に血圧が上がったかのように、心臓が大きく高鳴った。
「…あ…あ…あ…!!」
メガレッドにインストールした途端、自分の体が急激に熱くなり、目の前がクラクラし始めたのが分かった。そのせいで体がガクンと傾き、その場に蹲る。
「…んな…ッ、…何だ…ッ、…これ…ッ!?」
顔を真っ赤にし、目を大きく見開いている健太。わなわなと体を震わせて、目の前にいる巧を目で追った。
「どうしたの、健太ぁ?」
相変わらず涼しい顔をしてお茶を飲み、一息吐くと蔑むような目付きをした。その瞳の奥に巧の底知れぬ悪意を感じ取った時、
「…て…め…え…ッ!!…何、…しやがっ…た…!?」
と巧を見上げた。
「…フッ!!」
その時、巧の口元が急に歪んだかと思うと、
「…ウクク…ッ!!…アハハハハ…ッッッッ!!!!」
と、物凄い甲高い声で巧が笑い始めたのだ。
「…や、…やっと、…気付いた…?…バッカじゃねえの、健太あッ!!」
そう言った途端、強い衝撃が健太の体を襲った。
「ぐはッ!!」
巧の目の前で蹲っていた健太を、巧が足蹴にしたのだ。
「…ぐ、…うう…ッ!!」
だが、健太はこの時、不自然なことに気付き始めていた。
(…ちょっと蹴押されただけなのに、…何で、…こんなに体が重い…?)
その時、ドスンと言う音が聞こえ、健太の足に何か重みが加わったのが分かった。
「…あ…あ…あ…!!」
そこを見た瞬間、健太の顔が急に怯えた表情になった。
「…フフフ…!!」
仰向けになって倒れていた健太の両脛を跨ぐように、巧が腰かけていた。
「…まだ気付かない?」
そう言った時、巧は両手の指を立て、健太の体を妖しく撫で始めたのだ。その途端、
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と健太が物凄い声を上げ始めた。
「ああッ!!ああッ!!…く…ッ、…ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
ぞわぞわとした悪寒。巧の指が健太の筋肉質な胸から腹、そして体の側面へと這い上がるたびに、物凄い感覚が健太を襲う。
「…やッ、…止めろオオオオッッッッ!!!!」
くすぐったいを通り越した、言い様のない感覚。と同時に、体がますます熱くなるのを覚えた。
「…ぐ…、…うううう…ッッッッ!!!!」
そして。
健太のがっしりとした逞しい2本の足の付け根。健太の男としての象徴・ペニス。それが今、メガレッドの光沢のある真っ赤なスーツの中でビクンビクンと脈打ち、大きな山を作り出していた。
「…な、…何…で…!?」
「健太ぁ!何でお前のオチンチンがこんなに大きくなってるのか、分かるか?」
その時、巧の手に握られていた小さな瓶。そこには透明な液体が入っていた。
「…んな…ッ、…何…だよ…ッ、…それ…ッ!?」
嫌な予感は当たるものだ。程なくして、健太のその嫌な予感が的中する。
「…簡単に言ってしまえば、ちょっと強めの精力剤ってとこかな?それを、お前が飲んだお茶に混ぜたってことさ!」
そう言った瞬間、巧の右手が動き、健太のそこを握ったのである。
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
今までに感じたことのなかった強烈な感覚に、健太の体が思わず起き上がる。
「…す…っげぇ…!!」
健太のペニスを握り締めていた巧が声を上げる。
「…今までになかったくらい、すっげぇ、硬い…!!…それに、…すっげぇ、…太くなってるし、熱い…ッ!!」
顔を紅潮させ、ほうと溜め息を吐く。そんな巧の右手は、健太のペニスを何度も何度も静かに撫で上げる。
「…んん…ッ!!…んく…ッ!!…ああ…ッ!!」
ただ撫で上げられているだけなのに、今までになかったほど感じてしまう。
「…や…ッ、…止め…ろ…オオオオ…ッッッッ!!!!」
ここでもう1つの不自然に気付いた健太。それはさっきから何となくだが気付き始めていたこと。
メガレッドにインストールしているのだったら、自分の足の上に座り込んでいる巧をいとも簡単に払い除けることだって出来るはずだ。だが、その体が思うように動かない。精神的に抑えられていると言うのとは別の感覚が、今の健太にはあった。
「…な、…何で、…体が、…動か…ねぇ…んだ…ッ!?」
懸命に、顔を真っ赤にしてまで体を起こそうとするのに、その体が動かない。その時だった。
「アハハハハハハハハッッッッッッッッ!!!!!!!!」
巧が更に甲高い声を上げて大声で笑い始めた。
「…お、…お前とまともにやり合って、…勝てるわけないだろう…ッ!?」
そう言うと巧は、今度はポケットから別の小瓶を取り出した。その小瓶には真っ白い粉末が入っていた。
「…そ、…それは…?」
「…これ?」
巧の目がギラリと光った。
「パンクロニウムさ」
「…パン…?」
さらっと言われた単語を聞き取れなかった健太は言葉に詰まる。すると巧はややむっとした表情を浮かべて、
「パ・ン・ク・ロ・ニ・ウ・ムッ!」
とややゆっくり目に言った。そして、
「日本語で言えば、筋弛緩剤ってやつさ!」
と言った。
「…な…に…?」
健太の目が大きく見開かれる。
「パンクロニウムってのは、アメリカでは薬物による死刑執行時に使用する薬物としても知られてるんだ。それを、この精力剤と混ぜてお前の飲んだお茶に入れたってわけだよ…!」
「…ッ!?」
健太の目に明らかに恐怖が浮かんでいた。だが、体は全く言うことを聞いてはくれない。
「…そして…!」
巧のポケットから更なるものが出て来た瞬間、
「…止めろ…!!」
と健太は顔をふるふると左右に振った。
「…もう、…止めてくれ…!!」
巧の手に握られていたもの。医者に行けば、必ず見る、細長く小さな注射器。そこにも透明の液体が並々と入っていた。
「安心しろよ、健太。僕は医者の息子だぜ?注射の仕方なんて、ガキの頃から教えられてるよ!」
そう言いながら巧は注射器の針の先に付いていたキャップを取り外し、ピュッピュッとその中の液体を数滴垂らした。そして、その針先をなんと、健太のペニスの下に息づく、2つの球体の片方へ宛がったのである。
「止めろオオオオッッッッ!!!!止めてくれええええッッッッ!!!!」
健太が悲鳴を上げる。だが、そんな健太にお構いなしに、
「は〜い、じゃあ、ちょっとだけチクッとしますよぉ?」
と言ったかと思うと、その針先を一気に突き刺したのである。
ブスリッ!!
鈍い音が聞こえた次の瞬間、
「ぐわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う健太の絶叫が部屋中に響いたのだった。