処刑!メガレッドU 第24話
シュウウウウウウウウ…ッッッッ!!!!
光沢のある鮮やかな赤色のスーツ。その左腿から煙が上っている。そして、そこには少し黒ずんだ後があった。
「…あ…ぐ…ううう…ッッッッ!!!!」
ガシャガシャと音を立てて身悶えるメガレッドにインストールしている健太。
「…い、…痛…て…ぇ…!」
煙が立ち上っている左足をガクガクと震わせる。体の自由を奪われているせいで思うように動かせず、痛みを他事で紛らわすことも出来ない。
「…ククク…!!」
目の前には、メガスナイパーを持った巧がニタニタと不気味な笑みを浮かべていた。
「…全く…。…キミは本当に自分の置かれている立場と言うものを理解していないようだね…!」
と言いながら、メガスナイパーを持ったまま健太に近付いて来る。
「…く、…来るな…ッ!!」
メガレッドのマスクのバイザー越しに、巧を懸命に睨み付ける健太。だが、その心の中には、今度は何をされるのかと言う恐怖が渦巻き、健太を支配しようとしていた。そして、その恐怖を健太の理性が懸命に止めていた。それがなかったら、健太は今頃、発狂していたに違いない。だが、ここで発狂し、巧に醜態を曝け出すことは、健太が一生、こんな最低な同級生に服従することを意味していた。
その時だった。
ニヤニヤと笑っている巧が、メガスナイパーの銃口を健太の胸に当てた。
「…ッ!?」
健太はそれに目を大きく見開いて絶句する。
「バアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!」
突然、巧が大声を上げた。そして、それに釣られるかのように、
「うわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と健太が叫び声を上げる。
「…ッ、…うう…ッ!?」
だが、どこをどう見ても、爆発したり煙が立ち上ったりしていない。いや、それどころか、健太の体に激痛が襲って来ていないのだ。
「…て…、…て…、…てめええええッッッッ!!!!」
からかわれた。顔を真っ赤にし、健太が巧に怒鳴ったその時だった。
「アーッハッハッハッハ…!!!!」
巧は顔を真っ赤にし、目尻に涙を浮かべて大笑いしている。
「…バ、…バカ…か、…健太は…!!」
ヒィヒィと苦しそうに呼吸を続け、
「…あ、…そうだった…。…健太はバカだったっけ…!…テストでも学年最下位だし…!」
と言った。
「…く…ッ!!」
重い金属製の鎖に繋がれている拳が、メガレッドの真っ白なグローブに包まれてギリギリと音を立てている。巧はフフン、と笑うと、
「いくら何でも、僕が至近距離からこんな危なっかしいものを放つ気はないよ。だって、それでキミのメガレッドのスーツが爆発でもしたりしたら、大怪我を追うのは僕なんだから!」
と言った。
「…でも…」
そう言いながら、巧はメガスナイパーの銃口をもう一度、健太の胸に当てると、それを健太の体に沿わせながらゆっくりと下りて行く。
「…僕を怒らせると、…ここが、…大変なことになっちゃうかもね…!」
そう言って巧がメガスナイパーの先でつんつんと突いた先は健太の2本の足の付け根。そこに息づく、健太の男としての象徴であるペニス。それは今では完全に落ち着きを取り戻し、ふにゃっとした柔らかさを持っていた。
「…て…め…え…ッ!!」
「ねぇ、健太ぁ」
巧はメガスナイパーを下ろすと、身動きの取れない健太の体に抱き付いた。
「…僕の、…恋人になってよ…!…僕だけを守るヒーローになってよ!」
「はぁッ!?」
突然、変なことを言われ、健太は思わず声を上げた。と同時に、ぞわぞわとした悪寒が体中を駆け抜けた。
「…僕と一生、一緒にいれば、キミはずっと気持ちいい思いが出来るんだよ?」
そう言いながら、巧は健太のペニスにそっと右手をやり、やわやわと撫で始めた。
「…んな…ッ、…んん…ッ!!…なッ、…何、…言って、…あ…、…ん…だよ…ッ!!」
もぞもぞと体を動かし、懸命にその刺激に耐えようとする健太。
「…ダメ?」
それでも執拗に健太のペニスを擦る巧。
「…あッ、…当たり前だッ!!…誰が、…てめえみてえな…、…ヤツの、…こ、…恋人、…ヒ、…ヒーローなんかに…、…なるか…ッ!!」
その時だった。
ピタリと動きを止めた巧。その右手も健太のペニスから離れている。
「…ッ、…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
巧に打ち込まれて薬が残っているのか、ペニスを触られただけでぞわぞわとした感覚が戻って来ていた健太。その妖しく、優しい刺激に健太のペニスが熱を帯び、ピクピクと反応していたのも確かだった。
(…危なかった…!)
ふぅと溜め息を吐いたその時だった。
「…ふ〜ん…」
それまで動きを止め、じっと黙っていた巧が声を上げた。その瞬間、健太は巧に狂気と言う名の殺気を感じた。
「…た、…巧…?」
じっと健太を見上げている巧。
「…や、…止めろ…!」
その目に怒りが宿っているのが分かり、健太は思わず声を上げていた。
「…ヤダね!」
よく見ると、巧の拳がブルブルと震えている。
「…こんなにキミのことを想っているのに、…キミはどうして僕のことを分かってくれないんだッ!?…キミはッ、…やっぱりバカだからかッ!?」
「…ふッ、…ふっざけんなッ!!これだけのことをしておいて、更に気持ち悪りぃことをぬかすからだろうがッ!!」
「黙れええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その瞬間、巧が健太と距離を取ったかと思うと、
「うわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と金切り声に近い絶叫を上げ、メガスナイパーの弾丸を健太に向かって放ったのだ。
ズバアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
ズガアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
ドガアアアアアアアアンンンンンンンンッッッッッッッッ!!!!!!!!
狂ったように何度も何度もメガスナイパーの引き金を引く巧。その光の弾丸が健太の肩、胸、腹部、太腿、脛など、あらゆるところにぶち当たり、爆発する。そのたびに健太は、
「ぐッ!?うあッ!?うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「ぐわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「うがああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と絶叫を上げ続ける。
「…やッ、…止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!…止めてッ、…くれええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!…巧イイイイイイイイッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その時だった。
ドゴオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!
鈍い音が聞こえ、健太の体がビクンと跳ねた。
「…あ…あ…あぁ…!!」
メガレッドのマスクの中で、健太の目が大きく見開かれ、息が止まる。その口から涎が零れた。
耐え難い鈍い痛みが健太を襲う。下腹部から込み上げる、独特の痛み。そして、
シャアアアアアアアア…!!!!
と言う音と同時に、健太は下半身に生温かさを感じていた。