機械の奴隷 第9話
その眩しい光が辺りを包み込み、静かに消えたその瞬間、世界は変わっていた。
鳥達のさえずり、木々のざわめき、車の往来、人々の笑い声が消え、代わりにキーンと言う耳が痛くなるような音、正確には空気の流れのようなものがあった。
いや、もっと正確に言えば、鳥達も木々も、車も、人々もそこには存在していた。だが、動かない。鳥達は首を傾げたり、羽根を広げた状態のまま、木々も風に揺らめいた状態のまま、車も運転手や同乗者が乗ったまま、そして、街を往来する人々も歩いた状態のまま、笑った状態のまま、そのままの姿で止まっていたのである。
そんな中、ある民家だけは様相が少し異なっていた。
「…クッ、…ククク…!!」
1人の少年が肩を震わせ、静かに笑っていた。普段から猫のようにやや釣り上がった目が更に釣り上がり、大きく見開かれていた。だが、それも束の間、
「…ううッ!?…うええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と不気味な声を上げて嘔吐したのだ。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
目にいっぱい涙を溜め、顔を真っ赤にして呼吸を荒くしている学生服姿のその少年・清史郎。
「…ど、…どう…して…ッ!?」
憎々しげに見上げたその視線の先には、光沢のある鮮やかな緑色の、体にぴったりと密着するように纏わり付いたスーツを身に纏った男がいる。だがその男も身じろぎ1つせず、不思議そうな表情で清史郎を見つめていた。オーグリーン・四日市昌平。
「…ど、…どうしてこのボクがッ、こんな気持ち悪い思いをしなければならないんだあッ!!」
清史郎はそう叫んだかと思うと、その体が光り始め、みるみるうちに小さくなって行く。そして、ブルドッグのような顔付きの2頭身の機械生命体・ブルドントに姿を変えていた。
「…ボッ、…ボクは機械帝国バラノイアの次期皇帝だぞッ!?…そんなボクがッ、…どうして機械生命体以下のクズでどうしようもない人間のッ、しかも男なんかとキスしたり体を重ね合ったりしなければならないんだああああッッッッ!!!!」
そう叫んだかと思うと、ベッドの上に横たわっている昌平の、オーグリーンのスーツの中で未だに勃起したままの状態の昌平の男としての象徴であるペニスとその下に息づく2つの球体を強く握り締めた。
「…こんなもの…ッ!!」
ギラギラと光る瞳に、まるで亀裂が入るかのように赤い筋が浮かび上がる。
「こんなものおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!!!」
強く握り締められた手の中にある昌平のペニスと2つの球体がゴキュゴキュと不気味に動く。だが、当の昌平は相変わらず不思議そうな表情でブルドントを見つめているだけだった。
「…ッ!!…ふぅぅぅぅ…!!」
その時だった。
突然、ブルドントの昌平のペニスと2つの球体を握り締める手の力がふっと弱まり、同時に、ブルドントが大きく溜め息を吐いた。
「…いかんいかん。次期皇帝になるこのボクが、こんな下らないことに熱を上げてどうするんだ…!…それに、奴隷にするための大事な玩具を破壊してしまうところだった…!」
そう言ったかと思うと、昌平のそれらを放す。そして、
「…それにしても、こんなことのどこがいいんだろう…?…人間の中で最も醜く、汚らしいものを刺激して、こんな臭い液体を放出して…!」
と言いながら、昌平のペニスの先端部分にべっとりとこびり付いている濃白色な、強烈な臭いを放つ淫猥な液体を指に絡め取った。そして、それをゆっくりと口の中へ含む。
…ピチャ…。
「…ぶッ!!…ゲホッ!!…ゲホ…ッ!!」
その強烈な臭いと味に、ブルドントは思わずむせ返った。
「…人間とは、本当にクズな生き物だ…!…いや、…人間だけじゃない。…この地球上に生きとし生けるもの全てだ…!」
蔑んだような眼差しを昌平に向けると、体を強張らせ、
「…んんんん…ッッッッ!!!!」
と再び、あの唸り声を上げ始めた。その瞬間、ブルドントの体が眩い光に包まれ始める。
「んんんんああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
眩い光の中で、ブルドントの甲高い叫び声が少しずつ低くなって行く。それと同時に、2頭身の体が大きく、細くなって行ったかと思うと、人間と同じ8頭身の姿・清史郎の姿へと変化したのである。
「…ふぅ…!」
さっきまでと同じ、学生服姿の少年・清史郎の姿に戻ったブルドントは、再び大きく溜め息を吐いた。そして、
「…フフッ!…オーグリーン。お前はもうボクからは逃げられないよ?」
と笑うと、昌平をじっと見下ろした。その時だった。
「…」
清史郎=ブルドントはおもむろに顔を赤らめたかと思うと、学生服のズボンのベルトをカチャカチャと外し始めた。そして、バサッと言う音を立ててズボンを床に落としたのである。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
それまでの清史郎とは全く違っていた。
「…うう…ッ、…あぁ…ッ!!」
顔を赤らめ、はぁはぁと荒い呼吸をする清史郎。その右手は2本の足の付け根部分に息づく、清史郎の男としての象徴であるペニスとその下の2つの球体をモゾモゾと弄っていた。
「…ど、…どうしたと言うんだ…!?…こ、…この…ボク…が…!!」
ズボンの下から現れた下着。真っ白なブリーフ。その中心部分は大きく盛り上がり、まだ丸みを帯びている清史郎の男としての象徴をくっきりと浮かび上がらせていた。
「…こ、…これが…!!…醜き人間の本能、…と言うやつか…!?」
清史郎はそう言うと膝立ちをし、不思議そうな表情を浮かべている昌平へ近付いて行く。そして、
「…ボクも、…味わってみたい…!」
と言いながら、ブリーフを下げた。その途端、ぽろんと淡いピンク色の先端を持つ清史郎のペニスが姿を現した。
「…昌平…さん…」
その時だった。
「…ッ!?…なッ、…何てことを言い出すんだッ、ボクはッ!!」
清史郎がブンブンと頭を振ったかと思うと、
「さあッ、オーグリーンッ!!ボクのペニスを味わうんだッ!!」
と言うと、半分だけ開いている昌平の口の中に、自らのペニスを捻じ込んだのだ。その途端、清史郎は、
「うああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と悲鳴に似た声を上げ、体をビクビクと痙攣させた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
今までに感じたことのない不思議な感覚。
「…こ、…これが…ッ、…男が好むフェラチオ…と言うヤツか…!!」
昌平の口の中の温もりが清史郎のペニスを通じて伝わって来る。
「…ッ!!」
清史郎は無言のまま、昌平の頭部を両手で掴むと、腰を前後にゆっくりと動かし始めた。
…ズチュッ!!…ズ…、…ズチュ…ッ!!
淫猥な音が辺りに静かに響き始める。
「…あぁ…。…うう…、…あぁぁ…!!」
目を閉じ、恍惚な表情を浮かべる清史郎。
「…マズイ…。…マズイぞ…!!…気持ち…、…良すぎる…!!」
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら、機械的にその腰を前後に動かし続ける。
「…凄い…!…ボクは…ッ、…オーグリーンを、…支配している…!!」
その腰の律動は、少しずつ、その速度を上げていた。
「…マズイ…!!…マズイィッ!!」
ズチュズチュズチュズチュッッッッ!!!!ズチュズチュズチュズチュッッッッ!!!!
清史郎の腰の動きに合わせて、淫猥な音が後から後から溢れて来る。
「ああッ!!ああッ!!ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
じんじんとした疼きが下腹部から込み上げて来る。体がかぁっと熱くなって来る。
「…マズイッ!!…マズイイイイイイイイイッッッッッッッッ!!!!!!!!」
顔を天井の方へ向け、悲鳴に似た声で叫ぶ清史郎。そして、
「…ああッ、イクッ!!イクッ!!イクイクイクイクッッッッ!!!!イクウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と叫んだその時だった。
ドブッ!!ドブッ!!ドブドブドブドブッッッッ!!!!ドブブブブ…ッッッッ!!!!
鈍い音がして、清史郎のペニスの先端がぶちゅっと言う音を立てて弾け、そこから熱い迸りが物凄い勢いで大量に飛び出し、昌平の喉の奥深くに打ち付けられたのだった。