そして僕らは大人になる 第6話
「リキ兄ちゃんッ!!オレにも電気アンマをやってよッ!!」
目をキラキラと輝かせ、顔をほんのりと赤らめた小太郎が言い放った言葉に、俺の嫌な予感が的中した。
「…お、…俺が…!?」
コウならまだしも、俺が小太郎に電気アンマを食らわせるのかと思うと、ちょっと戸惑ってしまった。
「うん!リキ兄ちゃんなら、きっと、気持ちいい電気アンマをしてくれると思うんだ!!」
…い、…いや…。…それは…、…コウに比べたらそうかもしれないが…。
コウとは何度もお互いに電気アンマの掛け合いをやっていたし、コウはそれなりにエロかったのでそこまで抵抗はなかった。だが、相手が小太郎だったら話は大きく違って来る。
本当に、いいのだろうか…?
相手は、本当に純粋で、ちょっと前までこんなエロいことも知らなかった小太郎だ。そんな小太郎の純粋な心を、こんなエロいことで犯してしまっていいのだろうか、小太郎の初めてを、俺が奪ってしまってもいいのだろうか、そんな思いがぐるぐると巡っていた。
その時だった。
「…リキ…兄ちゃん…」
だからッ、こんな時に「兄ちゃん」って呼ぶなっつの!!しかも、何か、目をウルウルさせてるし!!
「…オレ、…リキ兄ちゃんにだったら、…どんなに恥ずかしいことでも言えると、…思って…。…恥ずかしかったけど、…リキ兄ちゃんになら、…電気アンマを…、…されたい…って…、…思った…のに…!!」
ひくひくとしゃくり始める小太郎。
「ちッ、違うよッ、小太郎ッ!!」
俺は思わず小太郎を抱き締めていた。
「今、急いで大人になろうとしなくたっていいんだよ!これから大人になって行けば、こう言う知識も自然に身に付いて行くんだから…!」
なんて自分で言いながら、大人になれば、本当に自然に身に付くものなのだろうかと半信半疑なところもあった。だが小太郎は、
「そんなんじゃ嫌なんだッ!!」
と、俺の両手を乱暴に振り解いて叫んだ。
「リキ兄ちゃんやコウ兄ちゃんが知っているのに、オレだけ知らないなんて絶対に嫌なんだッ!!オレだって、リキ兄ちゃんやコウ兄ちゃんと同じ場所に立ちたいんだッ!!それに、リキ兄ちゃんだって言ったじゃないか!!これはオレとリキ兄ちゃんとだけの秘密だって!!」
意地っ張り…。まぁ、それは小さい頃からそうだったので、今更、否定はしないが。
「…はぁぁ…」
俺は大きく溜め息を吐くと、
「本当に、いいんだな?」
と、小太郎に念を押すように尋ねた。すると小太郎は、
「うんッ!!リキ兄ちゃんになら、電気アンマをされてみたいッ!!」
と、あの、こっちが物凄く罪悪感を抱くようなキラキラとした瞳を向けて来た。
「…はぁぁ…」
俺はもう一度、大きく溜め息を吐き、
「…分かったよ…」
と言うと、
「じゃあ、仰向けに寝て」
と小太郎に言った。すると小太郎は、
「うん!」
と大きく頷き、俺の目の前で俺の方へ足を向けて仰向けに寝転がった。
「うわあ、ドキドキするなあ!!」
顔を綻ばせ、心なしか、ちょっと震えているようにも見える小太郎。
俺は無言のまま、小太郎の細い両足首を掴んだ。少しだけ薄茶色に汚れた白い靴下が何だかエッチに見える。そんな小太郎の股の間に俺の右足を捻じ込ませたその時だった。
「きゃああああううううッッッッ!!!!」
突然、小太郎の悲鳴と言うか、金切り声が耳を劈いた。
「え!?え!?」
俺も当然、驚いたわけで。
「どッ、どうしたッ、小太郎ッ!?」
俺が慌てて尋ねると、小太郎は、
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
と荒い呼吸をしているものの、顔を上気させ、虚ろな表情で天井を見つめている。
「…大丈夫か?」
俺が尋ねると、
「…だ…い…じょうぶ…」
と、小太郎が頭を上げた。
「…おチンチンのところに、足なんて入れられたことがなかったから…、…何だか、…凄くくすぐったくって…!」
「…あぁ…」
それは、そうだろうな。そんなところに足を捻じ込ませるのなんて、電気アンマかプロレス技をかける時くらいだもんな。
「…行くぞ?」
俺がそう言うと、小太郎は目をギュッと閉じた。そして、俺の右足が小刻みに、ゆっくりと動き始めたその時だった。
ビクンッ、と小太郎の体が跳ねたかと思うと、
「…あ…あ…あ…あ…!!」
と、小太郎が短い声を上げ始めた。
俺の右足は一定のリズムで、小太郎の股下をマッサージするように小刻みに動き続けている。
「…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
顔を真っ赤にした小太郎は目をギュッと閉じ、時折、頭を左右にブンブンと振っている。
「大丈夫か、小太郎?」
そう言う俺の顔が、いつの間にかニヤニヤとしていた。そして、自身の2本の足の付け根部分に息づく、俺の男としての象徴であるペニスがじんじんと疼き始めているのも感じていた。
「…ぁぁぁぁ…」
そのうち、小太郎が体を弓なりにさせ始めた。そして、
「ぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と叫び始めたかと思うと、
「きゃああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う金切り声を上げたんだ。
「ギブか、小太郎ッ!?」
俺がそう聞いてやると、小太郎は、
「ギブッ!!ギブギブッッッッ!!!!」
と言い、俺の右足をギュッと掴んだんだ。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
俺が右足の動きを止め、小太郎の両足首を放してやると、小太郎はその場で大きく呼吸を繰り返しながら、呆然としていた。
「どうだ、小太郎?初めての電気アンマは?」
俺は小太郎の顔の位置に自分の顔を持って行くと、覗き込むようにして聞いてみた。すると小太郎は、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら、
「…何…これ…?」
と、呟くように言った。
「だから、電気アンマだって!」
俺がそう言ってやると、小太郎はニッコリと微笑み、
「…凄い、…気持ち…いい…!!」
と目を細めた。
「そっか!良かった!」
いや、良かったのかどうかは分からない。だが、小太郎が満足ならそれでいいだろう。
その時だった。
「…あ…」
小太郎の視線が動き、ある一点で止まった。
「…リキ兄ちゃんのおチンチン、…勃起…してる…?」
「あ!!」
忘れてた。
今、小太郎の目の前で四つん這いになっている俺。そのため、俺の大きく勃起したペニスは前へ突き出された格好になっていた。
「…ねぇ、…兄ちゃん…」
その時、小太郎がゆっくりと起き上がり、俺をじっと見つめた。
「…もう一度、電気アンマをやってよ…!!」