女王の妖魔術 第10話
「ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!…あ…ッ、…ぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
体を仰け反らせ、絶叫するバルシャーク・鮫島欣也。
「ぁぁぁぁああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その表面に真っ白に輝く膜のようなものが見えている。そして、時折、稲光のようなものがスパークしていた。
「ひぃぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
金縛りに遭い、身動きが取れないところにマジンモンガーのさす股状の武器から繰り出された超高圧電流。それが身動きが取れない鮫島の体を絡め取り、もぞもぞと動くことしか出来ないでいた。
「アァッハハハハハハハハハ…!!」
ヘドリアンの甲高い笑い声が洞窟内に響き渡った。
「痛快じゃッ!!バルパンサーの時もそうであったが、憎っくきサンバルカンがこうやって痛め付けられる姿を見るのは、せいせいするわッ!!アハハハハハハハハ…!!」
「…パ…、…ン…、…サー…」
超高圧電流の電撃によって体を激痛が襲い、意識が朦朧として来る。その中で、鮫島はバルパンサー・豹朝夫に助けを求めるかのように、サメをあしらったマスクのバイザー越しに、豹を見つめた。だが、豹は、
「…」
と、無言のままぼんやりと立ち尽くしている。その周りには、ニヤニヤと鮫島の無様な姿を見つめているゼロガールズやマシンマンがいた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
その時、鮫島の体がガクンと大きく痙攣した。そして、体中を覆っていた白い電撃の膜が消え、ドサッと言う音と共に地面へ倒れ込んだ。
「…う…、…あぁぁ…」
体中が痺れ、ゆっくりとしか体を動かすことが出来ない。
「キイエエエエエエエエエエエエエエエエッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
マジンモンガーがさす股状の武器を鮫島の腹部に何度も何度も叩き付ける。
ドゴオオオオッッッッ!!!!
ドゴオオオオッッッッ!!!!
そのたびに、鮫島はビクンッ、ビクンッ、と体を大きく痙攣させ、
「…あ…ッ、…ああああ…ッッッッ!!!!」
「がああああッッッッ!!!!」
と、呻き声を上げる。
「…パ…ンサー…ッ!!…パンサアアアアアアアアッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「アハハハハハハハハ…!!」
ヘドリアンが勝ち誇った笑い声を上げる。
「無駄じゃ無駄じゃ!!こやつにはそなたの声など、とうの昔に聞こえておらぬわッ!!アァッハハハハハハハハ…!!」
すると、マジンモンガーは、
「モォンガアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と叫び、さす股状の武器で鮫島の体を持ち上げた。
「…うあ…」
ただ、されるがままの鮫島。そして、次の瞬間、
ドゴオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う音と共に、洞窟の壁に激突していた。マジンモンガーが鮫島の体を放り投げたのだ。
「キイエエエエエエエエエエエエエエエエッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヨロヨロとしている鮫島に更に襲い掛かるマジンモンガー。さす股状の武器で鮫島の腹部をガッチリと挟み、そのままグイグイと押して行き、
ドゴオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う音と共に、洞窟内の壁へ激突させる。かと思えば、
「…」
と、声も出せずに地面に倒れ込んだ鮫島の腹部をそれで何度も突き刺すようにする。ただ、嬲られるだけの鮫島。
その時だった。
「そろそろ良かろう…」
ヘドリアンがポツリと零した。そして、
「マジンモンガー」
と呼ぶと、
「はッ!!」
と言ったマジンモンガーが、鮫島のもとからスッと離れた。
「…?」
体中、泥だらけの鮫島。バルシャークの光沢のある鮮やかな青色のスーツが、今やすっかり土埃で汚れていた。
「…ンハハハハハハハハ…!!」
ヘドリアンが低い声で不気味に笑い始めた。
「…バルシャークよ…。…そなたに、いい夢を見させてやろう…」
「…ゆ…、…め…?」
半分意識が朦朧としている鮫島。そんな鮫島を蔑むような眼差しで見つめていたヘドリアンが目をギラリと輝かせ、
「そうじゃ」
と言った。そして、ちらりと豹を見やると、
「そなたの最愛の仲間に犯される夢を、な!!」
と言ったその時だった。
ジリッ!!
それまでぼんやりと立ったままだった豹が足を動かした。そして、鮫島のもとへゆっくりと歩き始めた。
「…パ…、…ンサー…?」
「…」
豹は無言のまま鮫島の目の前へ屈み込むと、鮫島の体をゆっくりと起こした。
「…パン…サー…」
その時、鮫島はぎょっとなった。バルパンサーの豹の顔をあしらったマスクのバイザーの奥にある豹の瞳。その瞳はすっかり輝きを失い、ぼんやりと鮫島を見つめているのだ。
「…パン…サー…ッ!!」
何とかして両手を伸ばし、豹の両肩に手をかける。
「…しっかり…、…しろ…ッ!!…パンサー…ッ!!」
「…ンフフフフ…!!」
ヘドリアンはただニヤニヤと笑っている。
「…無駄じゃ…。…何を言っても、…その者には既にお前の言葉は聞こえてはおらぬわ…!!」
その時だった。
「…シャー…ク…」
不意に豹の声が聞こえた。
「…パッ、…パンサーッ!?」
かすかな希望が見えた、と思ったのも束の間、豹の両腕が伸びて来たかと思うと、物凄い勢いで鮫島の首を絞めたのだ。
「…が…ッ!?」
その余りの力の強さに、未だに体に痺れが残る鮫島はあっと言う間に地面に倒されていた。
「…パッ、…パン…サー…ッ!!」
「…犯す…!!」
「…な…、…に…ッ!?」
その時、豹のバルパンサーのマスクが光ったかと思うと、中から目をギラギラと輝かせ、口元を不気味に歪ませた豹の顔が現れた。
「…犯す…!!…シャークを…、…犯す…ッ!!」
「…や…、…めろ…!!…パン…、…サー…!!」
「ンハハハハハハハハ…!!」
ヘドリアンの低い笑い声が響く。
「安心しろ、バルシャーク。そなたを殺すようなことはせぬ。お前とパンサーは、我々、ブラックマグマの奴隷になってもらうのだからな…!!」
その間にも、豹の両手は鮫島の首を確実に絞め上げて行く。
「…パ…ン…、…サー…」
目の前が霞んで行く。
「…パ…」
その時、鮫島の体から力が抜けた。