女王の妖魔術 第17話
…ビュクッ!!…ビュク…ッ!!
ボロボロに引き裂かれたバルシャークのスーツ。光沢のある鮮やかな青色だったそれが今ではすっかり土と煤に汚れ、衣服とは呼べないレベルになっていた。そして今、その上半身にはべっとりとした濃白色な淫猥な液体が飛び散り、そこから異臭を放っていた。
「…あ…ッ、…が…あ…ッ!!」
目を大きく見開き、体をビクンッ、ビクンッ、と大きく跳ねらせるバルシャーク・鮫島欣也。その目からは涙が零れ落ちた跡が窺えた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
短時間のうちに3度も絶頂に達した。その直近は仲間であるバルパンサー・豹朝夫によって自身の男としての象徴であるペニスを刺激され、苦痛と共に果てていたのだ。超高圧電流のダメージが大きく、体が動かせないのをいいことに執拗に刺激され、ヘドリアンやマジンモンガーが見ている前で情けなくも白い涙を放出させた。そして今、そのダメージは肉体的にだけではなく、精神的にも大きくなり、それが鮫島を動けなくしていたのだった。
「アァッハハハハハハハハ…!!」
その時、ヘドリアンの皺枯れた甲高い笑い声が耳を劈いた。
「痛快じゃッ!!バルシャークが短い時間で3回も生け贄のエネルギーを出しおった!!アァッハハハハハハハハ…!!」
そのギラギラと輝く目に涙が溜まっている。
「よもやバルシャークがここまで淫乱だったとはのぅ…!!」
「…く…っそ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
恥ずかしさのあまり、鮫島は顔を真っ赤にし、目をギュッと閉じた。
鮫島が羞恥に顔を歪ませるのにはもう1つ、理由があった。おぞましく、誰にも言えない感覚を、その時の鮫島は持っていたのだ。
(…気持ち…、…いい…!!)
豹に自身のペニスを刺激され、その痛みとも痺れとも、くすぐったさとも取れないその感覚に酔い痴れていた。決して、久しぶりに味わう感覚だったからではない。鮫島の心の奥底に潜むおぞましい感情がふつふつとわき上がり、鮫島の自我をも破壊しようとしていたのだった。
「…ぐ…ッ、…うう…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
ドクドクと溢れて来るその感情を、鮫島はギリギリのところで押し留めていた。
その時だった。
「…」
鮫島の男としての象徴であるペニスを刺激していた豹が、ぼんやりとそれを見つめていた。
「…?…どうしたのじゃ、バルパンサー?生け贄の儀式はもう終わったぞ?」
ヘドリアンが不審げに尋ねるが、豹はじっとその場から離れようとしない。それどころか、先端を真っ赤に腫れ上がらせ、ビクンッ、ビクンッ、と脈打つ鮫島のそれへ手を伸ばし、静かに握ったのだ。
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
その刺激に体に再び快楽の電流が流れ、鮫島は体を大きく痙攣させた。
「…まだ…、…終わっちゃいない…!!」
「…何?」
豹がそう言った時だった。その顔が鮫島のペニスへ近付いたかと思うと、口を少しだけ開いた。その顔が赤らんでいる。
「…ま…、…さか…!?」
何をされるのか分かったのか、鮫島が目を見開き、声を上げた。すると、
「…あむ…ッ!!」
と言う声と共に、鮫島のペニスは豹の口の中へすっぽりと含まれていたのだ。
「…あ…ッ!!」
その途端、鮫島の体がビクンッ、と大きく跳ねた。
…ジュッ!!…ジュボ…ッ!!
豹の頭がゆっくりと上下に動き、その口の中に含まれている鮫島のペニスを刺激する。
…ジュボジュボ…ッ!!…ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
その頭の動きが少しずつ速度を上げて行くと、
「…ぐ…ッ、…うううう…ッッッッ!!!!」
と、鮫島が呻き声を上げ始めた。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
「…や…、…め…ろ…!!…豹…ッ!!」
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
「…い…、…痛…て…え…ッ!!」
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
ドクンッ!!ドクンッ!!
「…っが…ッ、…ああ…ッ!!」
その時、鮫島の心の中にわき起こったおぞましい感情。
(…気持ち…、…いい…!!)
豹の口にペニスを刺激され、その刺激を甘受している自分がいることにも分かっていた。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
「…ぁぁぁぁ…」
鮫島の瞳から輝きが消えて行く。と、その時、鮫島の視線が豹の体のとある一点を捕らえた。それを捕らえたその瞬間、
ドクンッ!!
と言う大きな音と共に、鮫島の心臓が一際、大きく高鳴った。
グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!
豹の右手が、バルパンサーの光沢のある鮮やかな黄色のスーツを引き裂いて飛び出した自身の男としての象徴であるペニスを激しく刺激していたのだ。
ドクンッ!!ドクンッ!!
「…あ…あ…あ…あ…!!」
自身のペニスを刺激しながら、豹は豹自身のペニスをグチュグチュと言う淫猥な音を立てながら刺激している。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
ドクンッ!!ドクンッ!!
意識が次第にぼんやりとして行く。
ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!ジュボジュボジュボジュボッッッッ!!!!
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
その顔が真っ赤になった時だった。ジュボッ、と言う淫猥な音と共に、
「うわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う豹の悲鳴が辺りに響き渡った。
「…何…ッ!?」
その光景を見ていたヘドリアンとマジンモンガーは呆然とする。
「…」
「…さ、…鮫…島…?」
豹が地面に仰向けにひっくり返っている。そして、その上には鮫島が覆いかぶさるようにしている。
「…お、…おい…。…鮫島…?」
「…ククク…!!」
「…え?」
低い声を上げて笑っている鮫島の声が聞こえる。
「…豹…」
「…な、…何…だよ…!?」
その時だった。
「…ひょ…!!」
豹が目を大きく見開き、素っ頓狂な声を上げた。
「…ククク…!!」
目をギラギラと輝かせ、ニヤニヤと不気味に笑っている鮫島。
「…さッ、…鮫島…ッ!?」
そんな鮫島のガッシリとした2本の足の付け根部分。そこに息づく、鮫島の男としての象徴・ペニス。それは大きく勃起したまま、臍の方へ向かって真っ直ぐに勃っていたのだ。
「…ひょ…ッ、…ひょひょ〜ッ!?」
豹が目を丸くする。
「…豹…」
「…はッ、…はひ…ッ!?」
「…お前を…」
「…オ、…オレを…?」
豹は息を飲み込む。
「…今度はお前を…、…犯してやるぜ…!!」
そう言った時、鮫島は体を物凄い勢いで起こした。
「…ッ!?…さめ…ッ!?」
その時、豹の唇は鮫島の唇によって塞がれていたのだった。