おにぃさんの性教育 第3話
「…あ…あ…あ…あ…!!」
顔を真っ赤にし、目を大きく見開いて体をブルブルと震わせている豹。
「…フフッ!!…随分といやらしい顔付きじゃないか、豹…!!」
部屋の入口でニヤニヤとしているバルイーグル・飛羽高之。そんな飛羽の横で、バルシャーク・鮫島欣也が苦笑している。
「…い、…いつ…、…から…!?」
「決まってるだろう?お前がバルパンサーに変身した頃からだよ!!」
「最初からってことじゃないかッ!!」
思わずツッコミを入れてしまう。だが飛羽は、
「お前が変な格好で部屋へ戻って行ったのを見たからな。これはもしかしたら、と思ってコッソリと後を付けたんだ。そしたら、案の定、ってことで…」
とニヤニヤしながら言う。すると、
「やれやれ。お前、本当に免疫がないんだな」
と、今度は鮫島が言った。
「それよりも豹。いつまでもそんなんじゃ、腹冷やすぞ?」
「…え?…あ…!!」
「いやいや。気付くのが遅いだろう?」
鮫島が呆れたような顔をする。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
バルパンサーに変身し、光沢のある鮮やかな黄色のスーツに身を包んでいる。そんな豹の2本の足の付け根に息づく、豹の男としての象徴・ペニス。それは今、バルパンサーのスーツの中で大きく勃起し、テントを張っていた。そして、その辺りはぐしょぐしょに濡れ、濃白色な強烈な臭いを放つ淫猥な液体を滴らせ続けていたのだ。
…ビュクッ!!…ビュクッ!!
「おいおい。お前、まだ出るのかよ!?元気だなぁ!!」
「みッ、見るなよオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
そう叫びながら、豹は慌ててティッシュペーパーを取り出すと、バルパンサーのスーツに飛び散った淫猥な液体を拭き取り始めた。
「おい、豹」
「…え!?」
気が付いた時、飛羽がベッドに腰掛けた自身の左横にどっかりと腰を下ろしていた。
「…な…ッ、…何だよ…ッ!?」
「悪かったなぁ。オレみたいなやつがバルイーグルになって」
「…ひょ!?」
その途端、豹の顔色がさぁっと真っ青になった。だが、飛羽は相変わらずニヤニヤとして豹を見つめている。
「…そそそそ、…それ…って…!?」
「お前の部屋の前に来てみたら、お前が叫んでたんだよ。何でオレみたいなやつが2代目バルイーグルになるのか、ってな。それで頭来てお前の部屋のドアを開けて怒鳴ってやろうかと思ったんだが、その途端、お前がいやらしいことを始めたんだよ!!」
「コイツ、止せって言っているのにドアをそぉっと開けたりなんかしてさぁ…」
鮫島がやれやれと言う顔をして苦笑して言う。
「そしたら、お前がバルパンサーに変身してまでそんないかがわしいことをしているんで、オレ達、思わず見入っちまったぜ…!!」
「ひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
素っ頓狂な声を上げる豹。
「…あ…、…あの…ッ!!…そッ、…その…ッ!!」
「どうしようかなぁ。このこと、美佐ちゃんに教えちゃおうかなぁ?」
「ええええええええッッッッッッッッ!!!!!!!?」
「多分、美佐ちゃんのことだ。『豹さんッ、最ッ低ッッッッ!!!!』って、それ以降、口も聞いてくれなくなるだろうなぁ。いや、それだけじゃないぞ?多分、お前が食べるカレーライスのカレーは全て美佐ちゃんが作ることになって、ただ辛いだけのカレーが出て来るんじゃないのかぁ?」
「わああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その途端、豹が悲鳴に近い声を上げて飛羽の両肩を掴んだ。
「…おぉぉ…、…お願い…ッ!!…みッ、美佐ちゃんにはッ、言わないでッ!!」
「…フフン…!!」
だが、飛羽はニヤニヤと笑っているだけだ。
「お願いだよォッ、飛羽ああああッッッッ!!!!悪口言ったことはあやまるからさああああッッッッ!!!!」
「…どうしよっかなぁ…!?」
「そッ、そんなこと言わないでさあッ!!何でも言うこと、聞くからさああああッッッッ!!!!」
その頃になると、豹の目には涙が溜まっていた。顔を真っ赤にし、目に涙をいっぱい溜めている豹の顔はまだまだ幼さを残していた。
「あちゃ〜…」
その光景を見ていた鮫島が眉を顰め、独り言のように声を上げた。
「…言っちゃいけないことを言っちゃったよ…」
その時、飛羽はニヤリとすると、
「本当に、何でも聞くのか?」
と豹の右肩に腕を回し、尋ねた。すると、豹はガクガクと首を何度も激しく縦に振り、
「聞く聞くッ!!だからッ、美佐ちゃんには絶対に言わないでッ!!」
と言ったのだ。すると、飛羽は穏やかな笑みを浮かべて、
「…分かった。このことはオレ達だけの秘密な!!」
と言った。
「ほッ、本当かッ!?」
瞬時にして豹の目が輝く。すると、飛羽は今度は豹の左太腿に右手を置くと、
「当たり前だろ!?オレ達、3人でサンバルカンなんだぜ!?つまらないことで仲間割れしている場合じゃないだろう?」
と言いながら、豹のそこを擦るようにする。
「あッ、ありがてえッ!!さっすが、オレ達のリーダーだよッ!!」
「おいおい、豹。お前、本っ当に調子いいのな」
鮫島は苦笑してそう言うと、
「飛羽もそのくらいにしておいてやれよ。豹はまだまだ、その点では子供なんだからさ」
と言った。すると飛羽は、
「その点では、って?」
と言いながら、今度は鮫島の方へ向かって歩み寄った。そして、にゅっと顔を突き合わせるようにすると、
「こう言うことか?」
と言い、右手を素早く鮫島の頭の後ろへやると、鮫島の唇を貪るようにキスをし始めたのだ。
「…ひょ…!!」
「んんッ!?」
豹がその場で凍り付き、鮫島は顔を真っ赤にする。
…クチュッ!!…クチュクチュ…ッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
くすぐったい音が豹の部屋の中に響き渡る。
「…ん…ッ!!…んん…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
顔を真っ赤にし、飛羽のキスを受け止める鮫島。だがすぐに、
「…は…ッ、…ああ…ッ!!…ああ…ッ!!」
と目を虚ろにし、甘い吐息を漏らすようになった。
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
「…は…ッ、…はぁ…ッ!!」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
その時、豹は何故かドキドキと心臓が早鐘を打っているのに気付いていた。
「…な…、…何…だッ、…これ…ッ!?」
お互いの舌を絡める飛羽と鮫島。普段、穏やかな、だがどこかクールを気取っている鮫島の表情がまるで違ってみえる。妖しいフェロモンを放出したような、どこかエロティックな、そんな表情だ。
「…フッ!!」
呆然としたままの豹をちらりと横目で見ると、飛羽は鮫島とのキスをようやく止めた。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
顔を真っ赤にした鮫島が荒い呼吸をすると、
「…ひょッ、…豹に見せ付けるなんて…!!」
と、目を潤ませて飛羽を睨み付けた。だが、その両腕は飛羽の首の後ろへ回っている。
「別にいいだろう?いずれはバレることだったんだからさ。ちょうどいいタイミングかなぁと思ったんだよ」
「…いい…、…タイ…ミング…?」
豹の顔が更に真っ赤になり、目は一層大きく見開かれている。その体はガタガタと震えていた。
「ああ。オレ達、付き合ってんだよ!!」