おにぃさんの性教育 第19話
「…お、…おい、飛羽ぁ…。…廊下から…、…煙のようなものが入って来てるんだけど…」
豹をからかい、ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべている飛羽、そして、飛羽にからかわれて今にも爆発しそうなほどに顔を真っ赤にしている豹を横目に、部屋の中へ真っ白な煙のようなものが入って来るのを見つけた鮫島が顔を引き攣らせてそう言った。
「…え?」
それを見た途端、豹は顔を真っ青にし、
「…うわ…、…うわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!…かッ、…火事だああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と悲鳴を上げ、ベッドの上から飛び上がった。
「…はッ、…早くッ、消さないとッ!!」
ガシッ!!
そんな豹の腕を、飛羽が掴んでいた。
「…ひょ?」
飛羽は相変わらずニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべている。
「落ち着けよ、豹」
「…こッ、この状況で、落ち着いてなんかいられないよオオオオッッッッ!!!!」
それでもジタバタと動こうとする豹に対して、飛羽は、
「いいのか、そんな恰好で出て?」
と言ったのだ。すると豹は、
「…え?」
と言ったかと思うと、自身の姿を見て俄かに顔を真っ赤にした。
「…ひょ…、…ひょ…!?」
「やれやれ。今頃気付いたのかよ…」
飛羽が溜め息を吐く。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
バルパンサーの光沢のある鮮やかな黄色のスーツを身に纏った豹。その2本の足の付け根部分。
「…うわ…、…うわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
そこからポロンと飛び出した自身の男としての象徴を見た途端、豹は物凄い勢いでそれをバルパンサーの真っ白なグローブで覆い隠した。そして、顔を真っ赤にし、目を潤ませて、
「…そッ、…それを先に言えよなッ!!」
と飛羽に向かって怒鳴った。すると飛羽は、
「…フッ!!」
と鼻で笑い、
「そんなウィンナーみたいなオチンチンじゃあ、美佐ちゃんも喜ばないぜぇ?」
と言ったのだ。
「ひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!??」
そんな飛羽の言葉に、豹は目を真っ赤にして素っ頓狂な声を上げ、
「…ひッ、…酷いッ!!…酷すぎるウウウウウウウウッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と、ベッドの上に再び正座をし、そのまま前へ突っ伏してシクシクと泣き始めた。
その時だった。
「おいッ、飛羽ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
鮫島の大声が耳を劈いた。
「どッ、どうするんだよッ、これッ!?煙がどんどん入って来るじゃないかッ!!」
そして、鮫島が部屋を飛び出しそうになったその時だった。
ガシッ!!
飛羽が今度は鮫島の腕を掴み、ニヤニヤと笑っていた。
「…なッ、…何だよッ!?…離せよッ!!」
「鮫島も落ち着けよ」
そう言うと、
「音を聞いてみろよ。お前、シャークなんだろ?」
と言ったのだ。
「…え?」
鮫島は呆然としていたが、
「…あ、…あぁ…」
と言うと、
「バルカンッ、イヤーッッッッ!!!!」
と言い、耳をそばだてた。だがすぐに、
「…え?」
と言うと、飛羽と顔を見合わせた。
「…シュウウウウ、と言うより、…ピイイイイ、…と言う感じか?…まるで、…沸騰したお湯が蒸気となって溢れ出るやかんのような…」
「ご名答ッ!!」
ニヤニヤと笑う飛羽。その目が異様にギラギラと光っている。
「おい、来いよッ!!」
飛羽がそう言った時だった。
ピイイイイイイイイ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!
そこから姿を現した者を認めた途端、鮫島と豹は呆然となった。
「「…おッ、…大鷲いいいいいいいいッッッッッッッッ!!!!!!??」」
「…う…う…う…う…!!」
豹以上に顔を真っ赤にし、頭からは大量の湯気が溢れ出している。そして、その目は潤み、きょときょとと忙しなく動き、更に顔には汗がたらたらと滴っていた。
「だから落ち着け、って言ったろ?あの煙は火事なんかじゃない。大鷲だったんだ」
「…どどどど、どう言うことッ!?」
豹がベッドの上から飛び起き、大鷲に向かって歩き始める。と、次の瞬間、
「わああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う悲鳴を上げて、大鷲が部屋の入口にしがみ付いた。
「…なッ、…何だよぉ、大鷲ぃッ!?…せっかく、再会出来たって言うのにさぁ…ッ!!」
「…ひょ…ッ、…豹…ッ!!…おま…ッ、…おま…ッ!!」
豹の方を瞬時に見てはすぐに顔を背け、瞬時に見ては顔を背けを繰り返す。そして、目をギュッと閉じると、
「…おッ、…お前の大事なところッ、片付けろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と叫んだ。
「…え?…わッ、わああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
大鷲の言葉にはっと我に返った豹は、自身の剥き出しになったペニスを見て再び顔を真っ赤にし、大声で叫んだ。
「おい、大鷲。いつまでもそんなところに突っ立ってないで、こっちに来いよ!!」
余裕の笑み、いや、意地悪な笑みを浮かべている飛羽に対し、大鷲は目を大きく見開くと、
「…むッ、無理だああああッッッッ!!!!…そッ、…そんな…ッ!!…い、…いかがわしい…、…と…ッ、…ところに…ッッッッ!!!!」
と叫び、腰を引いた。飛羽は大鷲のもとへ歩いて行くと、その肩を抱いた。
「…つれないなぁ、大鷲ぃ。…せっかく、暫くぶりに再会出来たって言うのにさぁ…」
と言った。
「…そッ、…それとこれとは別だッ!!」
顔を真っ赤にして言う大鷲。すると、今度は鮫島がニヤリとして、
「…あのなぁ、大鷲ぃ。…オレ達、もともと仲間だっただろう?…忙しいのは分かるんだけどさぁ、たまにはオレ達のことも構ってくれないと、オレ達、泣いちゃうぜ?」
と言った。すると大鷲は、
「いッ、意味が分からんッ!!」
と叫んだ。すると、今度は豹までもが、
「そッ、そうだよォッ!!オレ達、お前にいつかまた会えるのが楽しみだったのにさぁッ!!」
と、こちらは別の意味で顔を膨らませた。
「おいおい、豹。お前は別の意味で膨れっ面をしてるだろう?」
そんな豹のことはお見通しなのか、飛羽がそう言うと、
「う゛んッッッッ!!!!」
と、豹はまたもや力んで大きく頷いていた。その時、飛羽が、
「…と言うわけだから、大鷲。バルイーグルに変身しろ!!」
と言って、ニヤリと笑ったのだった。