女王の妖魔術V 第14話
「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
バルシャークの光沢のある鮮やかな青色のスーツを身に纏ったまま、その真っ白なグローブで顔を覆い、裏声とも絶叫とも付かない叫び声を上げてのた打ち回る鮫島。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
その顔にはペッタンモンガーのあの不気味な呪いの仮面が取り付いている。そして、それは他の人間とは違い、不気味に真っ赤に輝いていた。
「…とッ、…取れない…ッ!!」
あっちへゴロゴロ、こっちへゴロゴロと地面を転がり、そのスーツがみるみるうちに土埃で汚れて行く。
『アァッハハハハハハハハ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!』
どこからともなく、ヘドリアンの高らかな笑い声が聞こえて来る。
『苦しめ苦しめッ!!お前達サンバルカンには嫌と言うほど、屈辱と悔しさを味わったからなぁ…。…そのお返しを今、たぁっぷりとしてやるわッ!!』
そして、一瞬、声が聞こえなくなった次の瞬間、
『…ぁぁぁぁああああああああああああああああぁぁぁぁ…!!』
と言うあの不気味な呪文のような声が聞こえて来た。と同時に、
「ひがああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と、鮫島は頭を抱え込み、ゴロゴロと地面を転げ回った。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「…さッ、…鮫島アアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
何が起こったのか分からないと言った様子で、豹はバルパンサーのマスクの中で目を大きく見開き、呆然となった。だがその瞬間、
「ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
と、これまた大声で悲鳴を上げ始めた。
「止めろッ!!止めろッ!!止めろオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!大介ええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
現実に戻され、悶え苦しむ豹。
「…ククク…!!」
そんな豹の足元では、バルパンサーの光沢のある鮮やかな黄色のスーツに包まれた豹の両足を持ち上げ、その股の間に右足を捻じ込み、激しく小刻みに動かし続ける大介がいた。
「ほら、いいだろう、豹さんッ!!鮫島さんがあんなに苦しんでるんだ。それを見て滅茶苦茶興奮するだろう?」
「…だッ、…誰…、…が…ッ!!」
「無理するなって!!豹さんのチンポ、さっきから激しくビクビク脈打ってるじゃねぇかよ…!!」
「…う…う…う…う…!!」
握り締めた両拳がギリギリと音を立て、体が弓なりになって行く。
「ほらほらッ、豹さんッ!!豹さんもさっさとエネルギーを出しちまえよッ!!」
「…か…」
その時だった。
「…え?」
バルパンサーのマスクの中で、豹は必死になって大介を睨み付けている。
「…誰が…ッ、…エネルギーを…ッ、…出すかああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
「…て…、…め…え…ええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
大介が目を真っ赤に光らせ、顔までもを真っ赤にして豹を睨み付けると、右足の動きを更に速めた。
「ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
豹の上ずった悲鳴が辺りに響き渡る。
「こうなったら力ずくでもエネルギーを奪ってやるッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…う…ッ、…奪われて…、…堪る…か…ああああああああああああああああああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
大介の怒鳴り声と豹の絶叫が混じり合ったその時だった。それまで地面をゴロゴロと転がり続けていた鮫島がピタッと転がるのを止めたのだ。
「…え?」
「…さ…、…鮫…、…島…?」
大介も豹も呆然とする。
「…」
2人に背を向けている鮫島。その両手が動いたかと思うと、ゆっくりと体を起こし始めた。
「…バルシャーク…?」
アマゾンキラーも呆然となっている。
『ンハハハハハハハハ!!!!!!!!』
すると、ヘドリアンの笑い声が辺りに響き渡った。
『…完成じゃ…!!』
「完成?何が完成されたのです?」
アマゾンキラーが尋ねると、
『…バルシャークは我々、機械帝国ブラックマグマに魂を売ったのじゃ!!』
と言った。
『私の妖魔術が彼の心の奥底に潜む邪悪な感情を最大にまで引き出し、爆発させたのじゃ。最早、彼は我々の意のままに動く暗黒の戦士となったのじゃ!!』
「…そ…、…んな…!!」
豹はそう言うと、
「どッ、退けよッ、大介ッ!!」
と言い、ここぞとばかりに強い力で大介を蹴り飛ばしたのだ。
「うわああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
不意を突かれた大介が吹き飛ぶ。
「鮫島ああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ヒョウの如く体を素早く飛び起こすと、豹は鮫島に近寄った。
その時だった。
…ポトリ…。
鮫島の顔に張り付いていたペッタンモンガーの呪いの仮面が音を立てて地面に落ちた。
「…鮫…、…島…?」
嫌な予感がした。
鮫島だけではない。2人を取り巻いていた、ペッタンモンガーの呪いの仮面を付けられた人々のうちの何人かも、同じように仮面が剥がれ、地面に転がっていたのだ。そして、大介と同じように目を真っ赤にギラギラと輝かせ、口元はニヤニヤと不気味な笑みが浮かんでいる。
「…フンッ!!」
その光景を見た時、アマゾンキラーが鼻で笑った。
「バルパンサー。お前一人で何をしようとするの?…しかも…。…あなたの大事なところからエネルギーが随分と溢れて来ているようだけれど…?」
「…ッッッッ!!!!」
そうなのだ。
バルパンサーの光沢のある鮮やかな黄色のスーツ。その2本の足の付け根部分。豹の男としての象徴・ペニスとその下に息づく2つの球体が収められている部分。その部分が大きく盛り上がっているのと同時にぐっしょりと濡れ、てらてらと照り輝く淫猥な液体が溢れ出していたのだ。
「…やはり、所詮はただの男。ケダモノそのものよッ!!」
「なッ、何をおおおおおおおおッッッッッッッッ!!!!!!??」
その時だった。
「もう、いい加減にしろよ…!!」
その声を聞いた時、豹はその場に凍り付いた。
「…さ…、…め…、…じ…ま…?」
豹の方を振り向いた鮫島。その目が真っ赤に輝き、口元には不気味な笑みが浮かんでいたのだった。