僕だけのヒーロー 第2話
タイムレッドにクロノチェンジする竜也さん。竜也さんは20世紀から21世紀を生きる人間。でも、僕達は30世紀と言う遠い未来から来た人間です。
とは言え、やっぱり、どの時代にもカッコいい人と言うのは存在します。この20世紀から21世紀にかけてであれば、やっぱり竜也さんが一番かもしれません。
そんな憧れであり、羨望の眼差しの対象である竜也さんとこんな関係になれたのはとある事件がきっかけでした。と言うか、僕が竜也さんを無理矢理襲って、無理矢理洗脳しちゃった、って言うだけなんですが。
「いやいや、そんなことないよ?」
ある時、そんな話を竜也さんとした時、竜也さんはニッコリと微笑んで僕に言いました。
「オレだって、シオンのことをずっとかわいいなって思っていたんだからさ!!」
そう言って、竜也さんは僕を優しく抱き締めてくれました。
僕はタイムレンジャーとして、タイムグリーンとして竜也さんが生きているこの20世紀の世界にやって来て、竜也さんと知り合ってからずっと竜也さんが好きでした。
(…カッコいいなぁ…)
竜也さんは明るくてひょうきんで、常に前向きで。
「運命なんて、自分で変えればいいのさ!!」
竜也さん、いつも眩しいくらいの笑顔を僕に向けてニコニコと話してくれます。暗い過去を背負っている僕なんかと全然違って、まるで雲の上の人って感じでした。そんな憧れの想い。それがいつの間にか、
「竜也さんの側にいたい」
と言う気持ちから、
「竜也さんとイチャイチャしたい」
へ。そして、
「…竜也さんを…、…犯したい…。…ううん、…犯したいだけじゃなくて、…竜也さんのペニスで僕を犯してほしい…」
と思うようになっちゃったんです。
竜也さんに犯されたり、竜也さんの大きく勃起したペニスを口で刺激している自分、そして気持ち良さそうにしている竜也さんを想像しながら自らを慰めたりすることもありました。
「…ほら…。…シオン、…気持ちいい?」
「…ジュブジュブって、いやらしい音が響いてるよ?」
「いやらしいなぁ、シオンは…!!」
「…あぁ…。…でも、…気持ち…いい…!!」
竜也さんの意地悪そうな顔、竜也さんの気持ち良さそうな顔、それに対して恍惚な笑みを浮かべている自分、美味しそうに竜也さんのペニスを口に含む自分を想像するだけで、僕はあっと言う間に絶頂に達していたんです。
そのチャンスは意外にも早く訪れました。僕が独りでお留守番をする機会があったんです。
「じゃあ、シオン。行って来るな!!」
「はい。気を付けて!!」
ニッコリと微笑み、くしゃくしゃと僕の頭を撫でてくれる竜也さん。そんな竜也さんをトップバッターに、タイムブルーのアヤセさん、タイムイエローのドモンさん、そして、タイムピンクのユウリさんがお仕事に出かけました。
「…ふぅ…」
大きく深呼吸。誰もいなくなった部屋。さっきまで喧嘩のようにぎゃあぎゃあと大きな声が響いていたのに、今はしんと静まり返っています。
「…」
僕が何となく、ぼんやりとしていたその時でした。
ガチャッ、と言う扉が開く音と同時に、
「ようッ!!」
と言って竜也さんが入って来たんです。
「…え?」
一瞬、心臓がドキンと高鳴りました。
「…た、竜也さん、出かけたんじゃなかったんですか?」
僕がそう言うと、竜也さんは真っ白い歯を見せて、
「シオンを独りにさせちゃ悪いだろ?」
と笑い、僕の頭を再びクシャクシャと撫でました。
「…竜也さん…」
思わず釣られてニッコリと微笑みました。
目の前にいる竜也さん。少しだけ汗をしているのか、ちょっとだけ独特の臭いがします。竜也さんらしい、男らしい臭い。それだけでも僕の男としての象徴は勃起しそうなのに、そんなこと言われたら…。
「…お、…お茶!!」
「…え?」
「…あ…。…お茶、…淹れて来ますね!!」
僕はそう言うと、慌てて台所へ向かいました。
「…竜也さん…」
台所からチラリと見ると、竜也さんはのんびりと新聞を読んでいます。その真剣な眼差しも、横顔も、本当にカッコ良すぎるんです。
「…竜也さんが悪いんですからね…!!」
そう呟くと、僕は竜也さんのお茶の中に白い粉を混ぜました。
「お待たせしました。どうぞ」
台所から戻った僕は、竜也さんにお茶を差し出しました。
ドクンッ!!ドクンッ!!
僕の心臓が大きく高鳴っています。竜也さんに聞こえたりしないでしょうか。
「サンキューッ、シオンッ!!」
竜也さんはそう言うと、鮮やかな黄緑色に輝くお茶が入った湯飲みを持ち、しげしげと眺めています。
「シオンが淹れてくれたお茶が一番美味いんだよなあ!!」
「…そ、…そうですか?」
ぎこちなみ笑みが浮かんでいたと思います。すると竜也さんは、
「シオンが一番茶葉の入れる量が絶妙でさ。お茶の風味をきちんと残し、口の中にまろやかな味が広がるんだ。それに比べて…」
と言うと、今度はムスッとした表情を浮かべ、
「ドモンが淹れたお茶は茶葉の入れすぎで苦いだけだし、ユウリは勿体ないと思うのか、茶葉をケチりすぎて味が薄い…!!」
と言うと、僕のそれを一気に飲み干しました。それに仕掛けがあるとも知らずに…。
「竜也さん。ちゃんとみんなのことを見てるんですね…」
「だって、オレ達、仲間だろ?」
僕の心の中にわき上がった感情。明らかにドモンさんやユウリさんに対する嫉妬でした。
「僕ッ、自分の部屋に戻りますねツ!!」
「…え?…あ、…ああ…」
僕が竜也さんに背を向けて、竜也さんがニッコリと僕を見送ったその時でした。
ドサッ!!
背後で大きな音がしました。
ドクンッ!!ドクンッ!!
僕はその場に固まり、目を大きく見開いていました。
「…」
僕の鼓動が物凄く速くなります。振り返るとそこには竜也さんが倒れていました。
「…竜也…、…さん…?」
僕はそっと竜也さんに近付きました。
「竜也さん?…ねぇ、竜也さんってばッ!!」
竜也さんの体に触れ、仰向けにします。竜也さんはすぅすぅと寝息を立てていました。
「…フフッ!!」
その時、僕は笑っていました。
実は、僕は竜也さんが飲んだお茶に強い効き目のある睡眠誘導剤を入れておいたんです。一気に飲んだから即効性もあるわけで。
「…竜也さん…」
仰向けに倒れている竜也さん。僕はそんな竜也さんの横に座り、竜也さんの胸に顔を埋めました。トクン、トクン、と竜也さんの心臓の穏やかな音が聞こえます。
「…竜也さん…」
じぃっと竜也さんの体付きを眺めます。その時、僕の目は自然に竜也さんの2本の足の付け根部分に行っていました。
その時でした。
竜也さんの体が不意に光り、竜也さんの体は光沢のある鮮やかな赤色のスーツに包まれていました。竜也さんがタイムレッドにクロノチェンジしたんです。しかも、クロノチェンジャーを使わず、独りでに。
(第1段階は成功ですね)
僕はニヤリと笑いました。
竜也さんが飲んだお茶の中に入れておいたもの。睡眠誘導剤と共に、独りでにクロノチェンジする薬。でもマスクはつけてはいませんでした。わざとそうなるように薬を調合したんです。
「…竜也さん…。…やっぱりカッコいい…!!」
竜也さんの体に密着するように纏わり付いた鮮やかな赤色のスーツ。その密着具合が、竜也さんの体付きをクッキリと浮かび上がらせます。腕や脚、胸のゴツゴツした筋肉は見ている人に妙な感情を抱かせるのに十分なほどでした。
そして。
…ムクッ、ムクムク…ッ!!
(第2段階も成功ッ!!)
ガッシリとした竜也さんの2本の足の付け根部分。その中心に息づくふくよかな膨らみ。竜也さんの男としての象徴・ペニス。それが物凄い勢いで大きく勃起したんです。つまり、竜也さんが飲んだお茶の中には勃起剤も含まれていたってわけで。
「…大きい…!!」
僕は思わず目を見張りました。
竜也さんのペニス。太くて、長くて。その先端のくびれまでがクッキリと浮かんでいて。そして、それを見た僕のペニスもズボンの中で大きく勃起し、大きなテントを張っていたのでした。