僕だけのヒーローU 第4話

 

 警察官のような、消防士のような鮮やかな青色の作業服を着た長身の男性が、僕の目の前に横たわっています。きりっとした精悍な顔付きは、まさにヒーローをイメージさせるような、そんな顔立ちでした。

「ごめんなさい、直人さん」

 椅子から転げ落ちたような状態でうつ伏せになっていた直人さんを、僕はゆっくりと仰向けにしました。その目は閉じられ、すうすうと寝息を立てています。

「あなたのお茶にも、ちょっと細工をさせてもらいました」

 僕のヒーローになって欲しいと言ったら、即答で断った滝沢直人さん。タイムファイヤーにクロノチェンジして、僕や竜也さん、ドモンさんと一緒にロンダースファミリーと戦う人です。でも、直人さんはどこか僕らに余所余所しくて、いつも単独行動をするような人でした。

「…僕は、…直人さんにももっと一緒にいて欲しいんです…」

 そう言うと僕は、直人さんの大きく動く胸に顔を埋めました。

「…あったかい…」

 汗のような臭いが僕の鼻をくすぐります。トクン、トクンと言う優しい心拍音。と、その時でした。

 直人さんの体が光り始め、鮮やかな光沢のある深紅のクロノスーツに身を包んでいました。

「第1段階は成功」

 タイムファイヤーにクロノチェンジした直人さん。となれば…。

 次の瞬間、ムクムクと言う音が聞こえそうなほど、直人さんの男としての象徴が、光沢のあるスーツの中で大きく勃起し始めたんです。

「第2段階も成功ですね」

 どこかで見たような光景が、僕の目の前に広がっています。

「…竜也さんも、こんなふうにやられちゃったんですよね…!」

 僕はフッと笑いました。

 タイムレッドにクロノチェンジする竜也さん。そんな竜也さんを振り向かせたくて、僕のものにしたくて、直人さんと同じようにお茶に細工をして同じようにしたんです。今となっては、遠い昔ですけど。

 でも、竜也さんの時とは違うことが2つありました。

 まず1つ目は、竜也さんはタイムレッドのマスクを外された状態でしたが、今、目の前にいる直人さんはタイムファイヤーのマスクを付けたままだと言うことです。

「別に外した状態でも良かったんですけどね…」

 この方が、竜也さんと区別が付くと思いましたし、何より、直人さんに睨まれたら何も出来なくなってしまうんじゃないかと思って…。

「…それにしても…」

 僕は立ち上がり、竜也さんと直人さんを思わず見比べます。

 体付き的にも、直人さんの方ががっしりしています。腕や足の筋肉の付き方も竜也さんよりしっかりしています。

「やっぱり、普段から鍛えている人は違いますね…」

 そう言って僕は、今度は直人さんの男子としての象徴を見ました。

「…大きい…!」

 大きいなんてもんじゃありません。長くて太くて、先端の括れもしっかりしています。僕は思わず息を呑み込みました。

「竜也さんのよりも凄いかも…!!

 その時、僕ははっと我に返り、

「今のうちに、直人さんを固定しなきゃ!」

 と呟くように言うと、タイムファイヤーにクロノチェンジしている直人さんの腕と足をゆっくりと動かし、フローリングの床の上でゆっくりと大の字にしました。

 そして。

 竜也さんの時ともう1つ違うところ。それは、竜也さんは壁に大の字に拘束しましたが、直人さんは床に大の字に拘束したと言うことです。

 だって、竜也さんの時、あの後、大変だったんですよ。僕よりも背が高く、体重も重い竜也さんを無理に抱きかかえたことで、その後、数日間にわたって筋肉痛に悩まされていたんです。

「だから、今回は少しだけ楽をさせてもらいました」

 と言うか、床の上に拘束した方が、いろいろ責めやすいって言うのもあるんですけどね。

 そして、僕は直人さんの両手首と両足首のところをガッチリと床に固定していまいました。

「…さぁってと…!」

 僕は眠っている直人さんの横にゆっくりと座りました。

「…いきなりですけど…!」

 僕はそう言うと、直人さんの勃起しているアソコをギュッと握りました。

「…やっぱり、…大きい…!…それに、…物凄く硬い…ッ!!

 竜也さんのそれとは比べ物になりませんでした。順位を付けるなら、直人さんが1位で竜也さんが2位、そして、ドモンさんが3位と言ったところでしょうか。

「こんなのをもしも挿れられたら、きっと壊れちゃいますよね…!!

 親指と人差し指でトンネルを作るようにして、手のひら全体で直人さんのそれを擦ります。

「まぁ、僕には竜也さんがいるので、それはないですけどね…!!

 そう言いながら僕は、ゆるゆると直人さんのそれを上下し始めました。

 直人さんのクロノスーツと、直人さんのアソコが擦れ合う音がします。

「…ん〜…」

 直人さんが何も出来ないのをいいことに、僕のイケナイ妄想がどんどん膨らみます。

「この際だから、足で直人さんのアソコをグリグリと踏み付けちゃいましょうか…。直人さん、泣いて止めて下さいって言ってくれるでしょうか。それとも、逆に喜んじゃうんでしょうか…」

 その時でした。

「…ん…、…んあッ!!…あッ!!

 突然、直人さんの体がピクリと動いたかと思うと、直人さんが声を上げました。

「…は、…早い…!!

 薬の効果はもっと続くはずだと思ったのに、直人さんはそんなに続かないで目を覚ましてしまいました。

「…シ…、…オン…?」

 ぼんやりと僕を見ます。そして、

「んなッ!?…なッ、…何だッ、これはッ!?

 とお決まりのように声を上げました。

「…シッ、…シオンッ!!…お前…ッ!!

 もうここまで来たらいつもの通りです。

「やっと気が付きました?」

 僕の心臓はドキドキと高鳴っていました。

「直人さんを処刑するんですよ…!」

「…俺を、…処刑…?」

 薬の影響なのか、まだ、ぼんやりとしているような直人さんの声。

「…ど、…どう言うことだよ、…シオン…ッ!?

 タイムファイヤーのマスクがじっと僕を見つめ、微動だにしません。

「だから、そのままの意味ですよ」

 僕はそう言うと、再び直人さんに抱き付きました。

「…なッ!?…シッ、…シオン…ッ!?

 慌てふためく直人さんの声。

「直人さんのアソコからエネルギーを全て搾り取って、僕だけのヒーローになってもらうんですよ…!」

 

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