僕だけのヒーローU 第11話

 

「本当に大丈夫ですか、直人さん?」

 僕達が事務所兼自宅としているトゥモローリサーチの建物の僕の部屋。いつまでも腰をトントンと叩いたり、時々、軽くジャンプをしたりする直人さんを本気で心配して、僕は声をかけました。

「…すみませんでした。…強く握り過ぎてしまって…」

 僕が作り出した小さな箱状の物は、その部屋だけの時間の空間を歪め、自分の思った通りの空間を作り出すことが出来ました。僕はそのシュミレーターを使って、自分の部屋を物凄く広いものにし、何も置かれていない、暗闇の中に1つだけ灯があるような空間を作り出したのです。

 そこで、直人さんはタイムファイヤーにクロノチェンジし、僕だけのヒーローとして、やられようとしてくれていたわけなのですが…。

 

「…僕の、…僕だけのヒーローになって下さいよ!」

 僕はそう言いながら、両手を後ろ手に拘束されている直人さんの体にぴったりと抱き付き、右手で直人さんの股間部分をゆっくりと撫でていたのです。

「やッ!!…止めろッ!!…クソガキッ!!

 直人さんが体を暴れさせ、抵抗をするふりをしてくれていました。

 その時、僕は既に興奮状態。だって、今まで僕達の傍に寄り付こうともしなかった直人さんが目の前にいて、僕に痴漢のような行為を受けていたのですから…!

「いいじゃないですか?…僕の言う通りにしないと、…大切なところが使い物にならなくなりますよぉ?」

 いつの間にか、僕は右手に少しずつ力を込めていたのです。

「ぐわああああッッッッ!!!!

 と言う直人さんの低い叫び声が辺りに響き渡ったと思ったのも束の間、

「…ッ!!…痛てッ!!…痛てええええッッッッ!!!!…シッ、…シオン様ッ!!…痛てぇッ!!…つ、…潰れるうううッッッ!!!!

 と絶叫へと変わったのです。

 

「…それなのに、直人さんったら、ここが大きくなっちゃってるんですよね…!」

 そう言いながら苦笑すると僕は、光沢のある鮮やかなタイムファイヤーのクロノスーツの中で大きくその存在感を際立たせている直人さんのペニスに手を伸ばし、ゆっくりと撫で始めました。

「フッ!」

 直人さんは優しく笑うと、

「…シオン様に触られて、握られて、興奮してしまったようです…!…それに、天国のような快楽と、地獄のような痛みを一度に味わったような気持ちですよ!」

 と言い、僕を優しく抱き締めてくれました。

「さぁ、続きをしましょう!」

 直人さんはそう言うと、両手を後ろへ持って行きました。

「では、シオン様。縛って頂けますか?」

 じっと僕を見下ろす直人さん。僕は直人さんに言われるまま、直人さんの両手を後ろ手に縛りました。

「…フフッ!!

 僕も再び、役になり切るモードに入りました。

「ヒーローのくせに、こんな僕にここを触られて感じてしまっているなんて…!」

 そう言いながら、僕は直人さんのペニスをゆっくりと撫で回します。大きく勃起したそれの先端から、ゆっくりと股の下まで手を入れて行きます。

「…んッ!!…ク…ッ!!

 直人さんは目を閉じ、眉間に皺を寄せ、時折、呻き声を上げながらじっとその屈辱に耐えています。

「直人さんのこれ、物凄く硬いんですね!カッチカチだぁ!」

 そう言いながら、僕は直人さんのペニスを右手に握ると、何度か強弱を付けてニギニギとしました。

「んんッ!!くッ、ああああッッッッ!!!!

 直人さんがたまらず声を上げます。

「やッ、止めろオオオオッッッッ!!!!

 男らしい野太い声。カッと見開いた瞳はまるで仁王像のように僕を睨み付けます。でも、そんな直人さんの見え隠れするプライドが、僕のサドな心に更に火を付けました。

「いやらしいですね、直人さんのここ。硬いだけじゃなくて、物凄く熱いですし、ピクピクと脈打っていますしね。そんなに感じちゃうんですかぁ?」

 そう言いながら、僕は今度は右手を直人さんの股下の方へ移動し、そこにふてぶてしく息づく2つのボールを握りました。その途端、

「んぐッ!?

 と言う声を上げ、直人さんの体が一瞬、跳ね上がりました。

「…まだ、痛いですか?」

 心配になって、僕は思わず尋ねました。すると直人さんは静かに微笑むと首を振り、

「もう、痛みはないですよ。今のは演技です!」

 と言いました。

「…少しだけ、握っても大丈夫ですか?」

 直人さんがそうは言うものの、やっぱり心配だった僕はもう一度、直人さんに尋ねます。すると直人さんは、

「だぁいじょうぶですよ、シオン様。もう平気ですから!」

 と優しく言いました。

「…じゃあ…」

 僕はゆっくりと直人さんのペニスの下にある2つのボールを握ります。

「…んッ、…ぐ…ぅ…ッ!!

 直人さんが痛みを堪えるような表情をします。目を硬く閉じ、眉間に皺を寄せるその表情は、本当に痛みを我慢しているかのように見えます。そして、心なしか、顔が赤らんで見えました。

「僕だけのヒーローになるって言ってくれないと、本当に握り潰しちゃいますよ?」

 僕はそう言うと、直人さんのそれをモミモミし始めました。

「…んッ!!…んん…ッ!!

 直人さんの体がビクビクと反応します。

「…潰したければ、…潰せばいい…ッ!!

 その時、直人さんがうっすらと目を開けて、あの低い声でそう言ったんです。

「…お前のヒーローにさせられるくらいなら、…潰された方がマシだッ!!

 そう言った途端、直人さんの表情が不意に慌てた表情になり、

「あ、シオン様!これ、演技ですからねッ!!

 と言ったのです。

「…ぷっ!!

 ムードぶち壊し、と言うか、直人さんのあまりの慌てた表情が可笑しくて、僕は思わず吹き出しました。直人さんの意外な一面を見たような気がしたのです。

「分かってますよぉ、直人さぁん!」

 嬉しくなった僕は、直人さんの体にしっかりと抱き付きました。

「シオン様が本気でショックを受けたらどうしようと思ったので…」

 照れ笑いをする直人さん。

「…直人さん、…やっぱり、勿体ないですよ…」

 僕はそう言いながら、直人さんを見上げます。

「そんなに気を遣って下さる優しい人なのに…。…みんなの輪の中に飛び込んで来てくれればいいのに…」

 僕がそう言うと、直人さんは、

「今更、無理ですよ。硬派なイメージで貫き通しているんですから」

 と言い、

「だから、少なくともシオン様のお傍にいようと思ったんです」

 と言ってくれたんです。

「ありがとうございます」

 僕はそう言うと、再び、直人さんのペニスをギュッと握りました。

「うぐッ!?

 その瞬間、直人さんが呻き声を上げます。

「…じゃあ、…もっと恥ずかしいことをしてあげますね…!」

 

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