僕だけのヒーロー 第29話

 

 それから数日が過ぎました。

「シ・オ・ンん♪」

 ご機嫌な声で、ドモンさんが僕のところへやって来ます。

「…やれやれ…」

 その姿を見て、僕は苦笑します。

「…はは…」

 ドモンさんのガッシリとした2本の足の付け根部分に息づく、ドモンさんの男としての象徴・ペニス。それが大きく勃起し、チノパンの前の部分を大きく盛り上げていたのです。

「…好きですねぇ、ドモンさん…」

 竜也さん、アヤセさん、そしてユウリさんはいつものように営業に出かけ、僕はお留守番。そして、ドモンさんは僕の開発したエビル・サンダーにすっかりはまってしまったのでしょうか。普段から垂れ目の目を更に下げて、

「…シオン…。…いや、…シオン様ッ!!…オレをッ、…淫乱なこのオレを処刑して下さいッ!!

 と営業に出かけたはずなのに、上手い具合にみんなを撒いて帰って来ていたのです。

「…しょうがないですねぇ…」

 そう言いながら僕はドモンさんに抱き付きます。

「…シオン…、…様…」

 ドモンさんは僕をそのガッシリとした両腕で抱き締めます。

「…ドモンさんのここ…、…こんなに大きくなってる…」

「…あ…ッ!!

 ドモンさんのそこへ手を伸ばすと、僕は大きく勃起したペニスを優しく撫でたのでした。

 でも、そんなドモンさんの様子がいつもと違っていたのは、それから更に数日が経ってからのことでした。

 

「シィオォンん♪」

 いつものように部屋で機械を弄っていた僕の背後から、ドモンさんがいきなり抱き付いて来ました。

「わッ!?…ちょッ、ちょっとッ、ドモンさんッ!?

 突然のことにちょっとビックリして、僕は思わず声を上げました。

「よッ!!

 背後では、ドモンさんがニコニコ微笑んでいます。そして、

「まぁた、みんなを撒いて来ちゃったぁ♪」

 と、楽しそうに言いました。

「…ふぅ…」

 僕は苦笑し、ちょっとため息を吐きました。

「…ドモンさぁん。…本当に僕の下僕になっちゃったみたいですね?」

「おうよッ!!オレはシオン様の忠実な部下だからなッ!!シオン様のためなら、いくらでもこの身を差し出すぜッ!!いくらでもオレのエネルギーを搾り取ってくれッ!!

 そう言った時、ドモンさんはいきなり服を脱ぎ始めたのです。

「…えッ!?…ドッ、ドモンさんッ!?

 僕の目の前には、グレーを基調とし、あちこちに黄色のラインが入ったインナーだけの姿のドモンさんが立っていました。

「…シオン…様…」

 少し顔を赤らめつつも、その瞳はじっと僕を見下ろしています。

 あっという間にインナー姿になったドモンさん。相変わらず引き締まった体中の筋肉。僕達の中で一番のパワーファイターを誇示しているかのように、そのゴツゴツとした腕や足の肉付きがグレーの生地と黄色のラインの下にクッキリと浮かび上がります。

 そして。

 ドモンさんの2本の足の付け根部分。そこがいつもよりも大きく臍の方に向かってインナーの中で勃起していました。

「…ちょっと触ってもいいですか?」

 僕も気が付けば、ズボンの前にしっかりとテントを張っていました。するとドモンさん、ぎこちない笑みを浮かべたかと思うと、

「…実は…さ…。…今日は、ちょっと違うんだな…」

 と言い、僕のベッドの上に座りました。そして、僕に向かっておいでおいでをしました。

「…ドモンさん?」

 僕はドモンさんの横に座り、ドモンさんを見上げます。ドモンさんの顔が僕の目の前にあります。ドモンさんの優しい笑顔。そして、

「…シオン…!!

 と静かに言うと、僕の肩に腕を回し、僕の唇にそっとキスをして来ました。

 …チュッ!!…チュッ!!

 何度も何度も、啄ばむようにくっついては離れ、くっついては離れを繰り返すドモンさん。それが物凄く気持ち良くて。

「…ん…、…んふ…ッ!!

 思わず、溜め息が漏れます。その刺激に反応するように、僕のアソコも痛いくらいに勃起し、ビクビクと脈打っていました。そして、それを見逃すようなドモンさんじゃありません。

「…シオンのも勃ってるよ…?」

 ドモンさんの目が意地悪く笑い、いきなり僕を押し倒しました。そして、僕を体重で押さえ付け、僕の勃起したアソコをそっと撫で始めたのです。

 ザワザワと言う生地が擦れ合う音と同時に、僕の体には言いようのない電流が流れます。

「…あ…ッ!!…ああ…ッ!!

 不覚にも声を上げてしまう僕。

「…シオンん…。…いや、シオン様…ッ!!

 暫くすると、ドモンさんが僕をギュッと抱き締めて来ました。

「…ドモンさん…」

 僕の足にゴツゴツと当たるドモンさんの大きく勃起したペニス。するとドモンさんは僕を見て、

「今日はシオン様を気持ち良くして差し上げますッ!!

 と言い出しました。

「…え?」

 突然のことにきょとんとなる僕。と、その間にもドモンさんは僕の上着のボタンを外し始めています。

「…ちょッ、…ちょっと待って下さいよッ、ドモンさんッ!!

 僕は慌ててドモンさんを退けようとしましたが、逆に手を掴まれてしまいました。

「…シオン…」

 ドモンさんの顔から笑顔が消えていました。むしろ真剣な表情だったんです。

「…ゴメン、シオン」

「…え?」

 突然、ドモンさんが話し始めました。

「…シオンが竜也を好きだと言うことは分かってる。…でも、オレはシオンが好きなんだ」

 真剣な眼差しで僕を見つめるドモンさん。

「シオンに忠誠を誓った時、オレは2人を見守るヒーローでいたいって言ったよな?でも、あのバカはいつまで経っても鈍感だし、シオンが不憫でならねぇんだ。それにオレもこのままではいつかは狂っちまう…ッ!!…だから…ッ!!

「…僕と…、…したい…、…って…こと…です…か?」

 すると、ドモンさんは顔を真っ赤にして目をギュッと閉じ、静かに頷きました。

「1回だけでいいんだッ、シオンッ!!1回だけッ!!そしたらッ、オレはその後は完全にシオンの奴隷になるッ!!けどッ、だからと言って、シオンが嫌がることはしないッ!!…シオンのしてほしいことしかしないから…!!

 …そりゃ、僕だって普通の男の子です。だからエッチに興味がないなんてことはありません。ドモンさんが僕を好きだって言う気持ちも分かるし、凄く嬉しいんです。

 …でも…。

 …僕は…、…僕は…、…竜也さんが好きで…。

「…やっぱり…、…ダメか?」

 ドモンさんの寂しそうな顔。その顔を見るだけで僕は限界に達しました。

「…クロノチェンジ…」

 次の瞬間、

「シッ、シオンッ!?

 と言うドモンさんの声を聞いたような気がしました。

 

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