僕だけのヒーロー 第39話
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
くすぐったい音が、しんと静まり返った僕の部屋の中に響き渡ります。
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
「…ん…ッ、…んん…ッ!!」
「…は…ッ、…ああああ…ッッッッ!!!!」
しっかりと抱き合い、お互いの感情をぶつけるように、時に乱暴にキスをする僕と竜也さん。
僕の部屋のベッドの上で、僕の上に伸し掛かっている竜也さん。しっかりと僕の首の後ろに腕を回し、僕の頭を固定するようにしてキスを繰り返します。
クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
その舌の動きが物凄く速くて。僕が一生懸命にそれを追うのですが、追い付けないほど。ようやく追い付いたかと思うと、竜也さんの舌はヒュッとン逃げてしまいます。
「…んんんん…ッッッッ!!!!」
悔しくて、僕も竜也さんの唇の感触をしっかりと覚えようと必死にキスを返します。
「…んんんんッッッッ!!!!んんんんッッッッ!!!!…ふ…ッ、…んんんん…ッッッッ!!!!」
「…は…ッ、…ああ…ッ!!…んはああああ…ッッッッ!!!!」
僕と竜也さんの舌が絡み合い、甘い吐息が漏れます。
(竜也さん竜也さん竜也さん竜也さんッッッッ!!!!)
とにかく夢中でした。
ずっと大好きだった竜也さんとキスをしています。しかもじっくりと。それだけで泣きそうでした。
「…ん…」
ぽろぽろと頬を伝う熱い涙。僕の胸に込み上げて来るもの。安堵感、解放感、不安なものが一気に流れ落ちて行きます。
(…竜也さん…!!…だぁい好きッ!!)
無意識に竜也さんの背中に腕を回し、思わず力を込めていました。
その時でした。
「…ん…ッ、…んんんん…ッッッッ!!!!」
突然、竜也さんがモゾモゾと動き始め、暫くすると体をバタバタさせ始めたのです。
(…え?)
うっすらと目を見開いた僕。その時の竜也さんの顔は真っ赤になり、眉間に皺を寄せています。と思ったその瞬間、竜也さんがガバッと体を起こし、
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
と荒い呼吸を始めたのです。
「…竜也…、…さん…?」
当然、きょとんとする僕。すると竜也さんは、
「…くッ、苦しいよッ、シオンんッ!!」
と言ったのです。
「…あ…」
そうでした。
僕、無我夢中で、無意識に竜也さんに抱き付く両腕の力を強くしていたのです。
「…シオン?」
「…え?」
その時、竜也さんは怪訝そうに僕を見つめていました。
「…どうしたの、シオンん?…まだ泣いてるの?」
目を開けた僕と竜也さんの目がばっちり合いました。竜也さんの心配そうな顔が僕の目の前にあります。
「…何かあったの?」
「…違います…」
僕は静かに微笑みました。
「…嬉しいんです」
「嬉しい?」
竜也さんの問いかけに僕は静かに頷きました。
「…憧れだった竜也さんと、こうやって抱き合ってるんです。…それに…、…キスなんかもしちゃって…」
ちょっと照れ笑いをする僕。竜也さんは静かに僕の話を聞いています。僕は涙で真っ赤になった目でニッコリと微笑み、
「…やっと言えました…!!…僕も、…ずっと苦しかったんです。…竜也さんが好きなのに、何も言えませんでした。…やっと、竜也さんが僕のものになったんです…!!」
と言いました。そう言った途端、竜也さんはぷっと頬を膨らませ、
「オレはモノじゃないよッ!!」
と言いました。けれど、すぐに悪戯っぽい笑みを浮かべてニヤリとし、僕をギュッと抱き締めて来ました。
「…竜也さん…」
「だぁいじょうぶだよ、シオンん。心配すんなって!!…これからは、ずっとシオンの傍にいるんだから!!」
そう言った竜也さんの目がキラキラと輝いているように見えました。
「オレは、シオンのヒーローなんだからさッ!!」
「…はいッ!!」
僕が大きく頷くと、竜也さんはニッコリと微笑みました。
「…てことでさ!!」
不意に竜也さんがそう言ったかと思うと、顔をちょっと赤らめ、
「…そろそろ…、…いいかな、シオンん?」
と言いました。
「…何がですか?」
僕は思わず吹き出しそうになりました。分かっていたのですが、敢えて聞いてみたのです。
「…え…、…えっと…ぉ…」
視線をきょときょとと忙しなく動かし、ポリポリと頬を掻く竜也さん。
さっきから僕の足に当たる硬いもの。竜也さんの大きく勃起した男としての象徴。
「…竜也さぁん?」
「…は、…はは…」
ポリポリと頭を掻くと、竜也さんは、
「…そろそろ我慢の限界…!!」
と言いました。
「…サルですねぇ…」
僕が苦笑して言うと、
「うるさいなッ!!シオンのだって大きくなってるじゃないかッ!!」
と言って、竜也さんは僕のをギュッと握りました。
「んあッ!!」
その刺激に思わず体を跳ねらせる僕。僕も竜也さんのを握り返しました。すると竜也さんは、
「ああッ、シオン様ああああッッッッ!!!!」
と、歓喜の声を上げます。
「…いいですよ、竜也さん…」
僕はそう言って竜也さんの顔をじっと見つめました。
「…竜也さんのペニス、いっぱい気持ち良くしてあげます。…けど、…僕のも気持ち良く…、…して…下さい…」
「もちろんですッ、シオン様ッ!!」
竜也さんはニッコリと微笑むと、
「じゃあ、クロノチェンジしようか!!」
と言いました。
「…はい…」
コクンと頷く僕。
「…行くよッ、シオンんッ!!」
僕達はクロノチェンジャーを構えました。
「「クロノチェンジッッッッ!!!!」」