僕だけのヒーロー 第42話
「…ちょッ、ちょっとッ!?…シオンッ!?」
その時、竜也さんの慌てたような声が頭上から降り注ぎました。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
竜也さんに愛撫されて、そのあまりの快感に僕は絶頂に達してしまいました。そのあまりに強烈な刺激に僕は脱力し、竜也さんの目の前で倒れ込んでしまったのです。と言っても、そこまで大袈裟なものではなく、ちょうど腰の部分から前のめりにカクンと。
「…シ、…シオン…?…大丈夫?」
僕の両肩に手をかける竜也さん。起こそうとしますが、僕の体に力が入りません。
「…う…、…あぁ…」
何とかして起き上がらなきゃ、そう思った時、僕は目の前の光景に凝然となってしまっていました。
「どうしたんだよぉ、シオンん?」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
竜也さんの声が聞こえたような気がしました。いえ、今の僕には竜也さんの声は聞こえてはいませんでした。
だって。
僕の目の前には竜也さんの大きく勃起したペニスがあったんです。タイムレッドの光沢のある鮮やかな赤色のスーツのその部分を大きく押し上げ、臍に向かって真っすぐに伸びる山があったんです。そして、良く見ればその部分には裂け目があって。
「…う…、…あ…ッ、…あぁぁぁ…!!」
僕は無意識に小さく唸ると、竜也さんのそれに向かってブルブル震える右手をゆっくりと伸ばしていました。
「…シ…、…オン…?」
竜也さんが僕の右手の動きに気付いた瞬間、僕の目の前の竜也さんのペニスがビクンッ、と大きく脈打ちました。そして、それを僕の右手がキュッと握ったその瞬間、
「んあッ!?」
と、竜也さんが素っ頓狂な声を上げ、体をビクリと跳ねらせました。
「…シッ、…シオン…、…様…ッ!?」
竜也さんが眉間に皺を寄せ、顔を赤らめて僕を見下ろしています。
「…今度は…。…僕が…、…竜也…さん…を…!!」
そう言うと、僕は竜也さんのペニスを握る右手をゆるゆると上下に動かし始めました。その瞬間、
「あッ!!あッ!!あッ!!あッ!!」
と、竜也さんが僕の右手の動きに合わせるように声を上げ始めます。
「…シッ、…シオン…、…様…ッ!!」
グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!
ぐっしょりと濡れているそこから淫猥な音が聞こえて来ます。
「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
竜也さんは両足を前へ伸ばし、体を仰け反らせ、頭を天井へ向けながら喘ぎます。
「…シッ、…シオン様が…ッ!!…オレの…ッ!!…オレの…、…チンポ…を…!!…オレの…、…いやらしい…、…チンポが…、…シオン…様…に…ッ!!」
僕の手の動きに合わせて喘ぐ竜也さん。そんな竜也さんの口からは卑猥な言葉と淫猥な唾が零れ、
グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!グチュグチュグチュグチュッッッッ!!!!
と、竜也さんの股間からは淫猥な音が響きます。そして、スーツの破れ目からはあの独特の臭いがしていました。
「…竜也…さん…」
その頃の僕は既に目が虚ろ。もう、体が勝手に動いているような感覚に陥っていました。
「…竜也…さんの…、…ペニス…。…欲しい…!!」
そう言って顔を竜也さんのそれに近付けようとした時でした。
「ダッ、ダメだよッ、シオンッ!!」
突然、竜也さんの大きな声がして、僕の体はがばっと無理矢理起こされました。
「…竜也…さん…?」
「…シオン…」
竜也さんがいつになく、厳しい顔をして僕を見つめています。でも、すぐにいつもの優しい笑顔に戻って、
「…まだダメだよ、シオン」
と言いました。
「…まだ…、…シオンが気持ち良くなってない」
「でッ、でも…ッ!!」
正直に言えば、竜也さんのペニスが本当に欲しかったのです。竜也さんにいっぱいいっぱい気持ち良くなってもらいたかったです。竜也さんを気持ち良くしたい、そう言いかけた僕を竜也さんはギュッと抱き締めました。
「…オレは…、…シオンをもっとたくさん愛したい。…もっともっと、シオンを愛撫してあげたいんだ!!だってシオンは、ようやく見つけた、オレの大切なご主人様だから…!!」
「…竜也…さん…」
僕はそう言うと、無意識に竜也さんの背中に腕を回しました。すると、竜也さんは体重をゆっくりとかけて来ました。そして、僕達はそのまま後ろへ倒れ、お互いを見つめました。僕の上に竜也さんが優しく伸し掛かっています。
「…シオン…。…愛してるよ…!!」
「…竜也さん。…僕もです…!!」
そう言うと、僕達は唇を重ね合わせました。
…チュッ、…クチュ…ッ!!…クチュクチュッッッッ!!!!クチュクチュクチュクチュッッッッ!!!!
僕と竜也さんが舌を絡め合うたびに、くすぐったい音が響きます。
「…ん…ッ、…んふ…ッ!!」
竜也さんのテクニックはさすがで、僕はキスだけで頭がぼぉっとして来ました。僕が竜也さんの口の中へ舌を入れると、竜也さんはそれを上手く絡め取り、物凄く気持ち良くしてくれます。逆に竜也さんの舌が僕の口の中に入って来るととにかく縦横無尽に僕の口の中を動き回り、それだけでも僕は全身から力が抜け、ぼぉっとしてしまっていました。
「…気持ちいいみたいですね、シオン様?」
竜也さんが意地悪い笑みを浮かべます。
「…はい…」
目の前がぼんやりとしています。竜也さんの声も、何だかぼんやりと聞こえていたような気がします。
「…フフッ!!」
竜也さんは嬉しそうに微笑むと、
「シオンのここ、凄く大きくなっちゃってるよねッ!!」
と言い、自身のペニスを僕のそれにグイグイと押し付けます。
「あッ!!あッ!!あッ!!あッ!!」
僕の体の上でゆさゆさと揺れる竜也さんの体。その刺激だけで、僕は意識が飛びそうになっていました。
「…た…、…つ…や…、…さん…」
「…触りたい?…オレのが欲しいの?」
僕はガクガクと首を縦に振り、
「…下さい…。…竜也さんの…、…チンポを…、…僕に…下さい…ッ!!」
と懇願していました。すると、竜也さんはフッと笑い、タイムグリーンの鮮やかな緑色のグローブに包まれた僕の右手を竜也さんのそこへ導きました。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
僕は竜也さんの大きく、長く、太く、硬いそれをキュッと握ります。その瞬間、竜也さんは、
「んくッ!!」
と声を上げ、眉間に皺を寄せて体をビクリと跳ねらせました。
その時でした。
ドクンッ!!
僕は心臓が大きく高鳴ったのを覚え、それと同時に、僕のペニスもビクリと大きく脈打ったのが分かりました。
「あれぇ、シオンん?」
竜也さんが素っ頓狂な声を上げます。そして、ニヤニヤと笑いながら僕を見つめ、
「オレのを握っただけで感じちゃったの?」
と揶揄するように言って来たのです。
「…え?」
僕はちょっと顔を上げました。そして、すぐに真っ赤になりました。
僕のタイムグリーンのクロノスーツ。僕の男としての象徴・ペニスが収まっているその部分の光沢が更に失われていたのです。
「しょうがないなぁ、シオン様は!!」
竜也さんはそう言いながら、僕の首筋に顔を埋めます。そして、
「…もっと…、…感じさせてあげるよ…!!」
と、囁くように言ったのです。その言葉に僕は、
「…ッッッッ!!!!」
と、体がゾクゾクとなる感覚を覚え、無意識に竜也さんの大きな背中に両腕を回していたのでした。