僕だけのヒーロー 第47話
ガシャン!!
冷たい金属音が辺りに響いた時、
「んなッ!?…なッ、…何すんだよッ、シオンんんんんッッッッ!!!!」
と言う竜也さんの上ずった声が大きく響きました。
「…く…ッ!!…動け…、…ない…ッ!!」
竜也さんの苦しそうな声。そして、僕を睨み付けると、
「…オッ、オレをこんな台の上に拘束して、何をする気だよッ!?」
と叫びました。
「…ククク…!!」
ニヤニヤと笑う僕。
「…いい光景ですねぇ、竜也さん…?」
ストレッチャーのような、手術台とも言えるような台の上で両手両足、腰、胸の辺りを拘束された竜也さんが顔を真っ赤にして僕を睨み付けています。両腕は肩の位置で真っ直ぐ横に、両足は大きく広げられています。いわゆる、大の字と言う格好です。
更に、竜也さんは今、タイムレッドにクロノチェンジし、その体を光沢のある鮮やかな赤色の生地が覆い、竜也さんの体に密着するように吸い付いていたのです。
「こ、こんなことしてッ、何をする気だよッ、シオンんんんんッッッッ!!!!…は…ッ、…離せよオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…ギャーギャーうるさいですねぇ…」
僕は半分うんざり気味に竜也さんに言います。
「竜也さん。あなたのヒーローであり、男である証、その液体を頂戴するんですよ」
そう言った時、竜也さんはきょとんとした表情をしました。
「…つまり…」
そう言った時、僕は俄かに右手を伸ばし、竜也さんの2本の足の付け根部分で大きく勃起している竜也さんの男としての象徴であるペニスをギュッと握ったのです。その瞬間、
「んあッ!?」
と竜也さんは目を見開き、ビクリと体を跳ねらせました。
「…な…ッ、…何すんだよッ、シオンんんんんッッッッ!!!?」
「言ったでしょ?竜也さんのヒーローであり、男である証の液体をいただくって。それも一滴残らず、ね!!」
ムニムニと竜也さんのペニスを揉み込みながら、僕は言葉を続けます。
「…僕はロンダーズファミリーと結託したんです」
「…シ…、…オ…ン…?」
何のことかさっぱり分からないと言う顔をする竜也さん。僕は大きく溜め息を吐くと、
「お金が必要なんですよッ、お金がッ!!」
と言いました。
「ロンダーズファミリーは強い男性のエネルギー、つまり性器から溢れる精液を集め、それを材料にして、肉体を強靭なものにし、どんな細菌やウイルス、それにちょっとやそっとじゃ壊れない肉体を作り出す薬を作ろうとしているんですよ!!」
「…な…、…んだと…!?」
怒りにブルブルと体を震わせる竜也さん。
「ちょうど、僕もお金に困ってましてねぇ…。そんな時、向こうから僕に接触して来たんです」
僕は、侮蔑の眼差しで竜也さんを見下ろします。
「そして、奴らは一儲けしたい、そのために肉体を強靭にする薬を開発したい、そのためには竜也さんやアヤセさん、ドモンさん、それに直人さんのような強靭な肉体の持ち主から溢れ出す精液が大量に必要だと言ったんです。そして、僕にはそのお礼にいくらでも金を払うと約束してくれたんです」
その言葉を呆然と聞いていた竜也さんでしたが、俄かにはっとすると、
「…ドモンはッ!?…それに、アヤセや直人はッ!?」
と聞いて来ました。僕はフフッと笑い、
「…ドモンさんは…。…やっぱり、バカでした…!!」
と言いました。
「すっかり僕の下僕になって僕のされるがままでした。僕がドモンさんのアソコを触りたい、強制射精させたいって言ったら、『いくらでも射精させてくれ!!』って、鼻息まで荒くして。そして、今の竜也さんみたいに体中を拘束して、ゆっくりと愛撫してあげたんです。そして、2度、3度と射精させた頃、さすがにその頃からドモンさんは変だと言うことに気付いて。でも既に遅かったんです。その後、僕はこの機械でドモンさんのペニスを強制的に刺激し続け、何度も何度も射精させ、すっかり抜け殻にしたんですよ」
僕はそう言いながら、竜也さんの目の前に棒状のハンディサイズの機械を取り出しました。
「アヤセさんは不適合でした。直人さんは、最初は相手にもしてくれませんでした。でも、ゆっくりと説得をして、後はドモンさんと同じ運命を辿ったんですよ」
「…シ…オンんんんんッッッッ!!!!…お…、…ま…え…ええええ…ッッッッ!!!!」
竜也さんが僕を血走った目で睨み付けます。
「そして、次はあなたの番ですよッ、竜也さんッ!!」
そう言った時、僕は竜也さんのペニスを、タイムレッドのスーツ越しにゆるゆると上下に刺激し始めました。
「んあッ!?んあッ!?ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
竜也さんはビクッ、ビクッ、と体を痙攣させながら、必死にその刺激を堪えようとしています。
「…や…、…めろ…、…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!」
「…ククク…!!」
僕の手の中で、竜也さんのペニスがビクビクと暴れます。
「…竜也さん…。…あなたも、地獄に送って差し上げます…!!」
…あ。…申し遅れました。
シオンです。いきなりのことで驚かれているかもしれませんね。
えっと、結論から言いますと、僕は決してロンダーズファミリーと結託なんかしていません。そもそも、ロンダーズファミリーが人の精液なんか欲しがるわけないでしょうし、それを使って肉体を強靭化する薬なんて出来るわけないんですから。
じゃあ、何で竜也さんがこんなことになっているかですって?
実は凄く照れ臭いのですが、これ、竜也さんといわゆる「ごっこ」をしているのです。
始まりはこうでした。
「シ・オ・ンんんんん♥」
僕の本当のヒーローになってくれてから、竜也さんは暇さえあれば僕の部屋に来てくれるようになりました。
「シオンん♥シオンんんんん♥♥♥♥」
僕を優しく抱き締め、チュッ、チュッ、と何度も甘いキスを繰り返します。
「竜也さぁん♥」
僕も、毎日のように竜也さんの大きな腕に抱かれて、大きな胸に顔を埋められて、そして、大好きな竜也さんとエッチして。それはそれは幸せな毎日を過ごしていました。
ドモンさんは、時々乱入して来ては僕と一緒に竜也さんを甚振ったり、時には僕と竜也さんに甚振られたり。
そして、竜也さんは僕の部屋に来て暫くするとその体が光に包まれ、タイムレッドにクロノチェンジしていました。光沢のある鮮やかな赤色のスーツが部屋の照明に輝き、竜也さんの体付きをクッキリと現します。
「シオン様」
片膝を付き、僕の顔を真剣な眼差しで見ている竜也さん。
それは僕らの合図だったのです。
竜也さんがいきなり僕の前でクロノチェンジしてタイムレッドになったのは、僕に甚振られたいと言う意味でした。当然、僕のペニスも大きく勃起し、タイムグリーンの光沢のある鮮やかな緑色のスーツのその部分を大きく張り出させていたのです。
「…今日はどんな感じがいいですか?」
僕が尋ねると、竜也さんはいつもの優しい笑顔に戻り、僕のベッドの上に座りました。そして、僕を後ろからひょいと抱えました。
「…わ…」
いつもされているのに、いつも驚いてしまう僕。気が付くと、僕は竜也さんの大きな太腿の上にちょこんと座っていたのです。
「シィオンんんんん♥♥♥♥」
頭を優しく撫でてくれる竜也さん。
「…重く…ないですか?」
「ぜぇんぜん!!大丈夫だよッ!!」
竜也さんのせっかくのイケメンが台無しなくらいにだらしなく崩れています。
「今日はさ、シオンにお願いがあるんだぁ」
「…な、何ですか?」
そう言った時でした。タイムレッドの鮮やかな赤色のグローブに包まれた竜也さんの右手がスゥッと動いたかと思うと、僕のデスクの上に置いてあったものを指さしたのです。
「…ッッッッ!!!!」
その瞬間、僕は竜也さんの太腿の上で固まったようになり、心臓はドキドキと早鐘を打っていました。
「…あれを使って、シオン様にお仕置きされたいなぁって♪」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
竜也さんが指さしたもの。それは、ドモンさんに「エビル・サンダー」として使用したあの「武器」だったのです。
「ドモンがさぁ、すっげぇ気持ち良かったって言ってたからさぁ!!オレにも使って欲しいなぁって!!」
その時でした。
「…んッ、…ああああ…ッッッッ!!!?」
僕の体にビリビリとした強烈な電流が流れ、僕は思わず体を仰け反らせていました。
「…あ…ッ、…ああ…ッ!!…んんんん…ッッッッ!!!!」
僕の大きく勃起したペニスを、竜也さんが優しく撫でていたのです。
「…かわいいよ…、…シオン様…!!」
僕の耳元で竜也さんの優しい声が聞こえます。
「…たッ、…竜也…、…さん…ッ!!」
「…愛してるよ…、…シオン…」
「ふああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
僕の体からは力が抜け、竜也さんの太腿から滑り落ちると、僕は竜也さんの目の前にストンとしゃがみ込んでしまいました。
「…竜也…、…さん…」
僕が振り向くと、そこには竜也さんの大きく勃起したペニスがタイムレッドの光沢のある鮮やかな赤色のスーツの中でビクッ、ビクッ、と脈打っています。その時、竜也さんは、
「さッ、シオンん!!やろうぜッ!!」
と言うとニッコリと微笑み、僕に優しいキスをしてくれたのでした。