ジグザグ青春ロード 第2話

 

 僕のクラスメイトで、ブルーターボとして一緒に暴魔百族と戦っている洋平。水泳部のキャプテンで、いつも明るくひょうきんでお調子者の洋平。

 そんな洋平が今、水泳部の部室の中央に置かれているベンチの上で、心地良い寝息を立てていたんだ。

「…よッ、…洋平ぇッ…!!

 目の前の光景を目の当たりにした瞬間、僕は悲鳴を上げそうになった。と同時に体のバランスを崩し、後ろにひっくり返りそうになった。

「うわッ!!

 音を立てたら洋平が起きる!起きたら僕を見る!僕は今、とてつもなくヤバい状況になっている!絶対に疑われる!

「ふんぬッ!!

 何とか足を踏ん張り、後ろへひっくり返らないようにした。幸い、物音一つ立てることはなかった。

「…あっぶねぇ〜…!!

 僕はほっと胸を撫で下ろした。

「…よ、…洋平ぇ…!」

 ゆっくりと洋平へ近付く僕。そして、心地良い寝息を立てている洋平の目の前でぺたんと座り込んだ。崩れ落ちると言った方がいいかもしれないほどに、僕は脱力してしまっていた。

 改めて級友の、戦友の、親友の体をまじまじと見てみた。

「…カッコいいよなぁ…」

 僕は思わず呟く。甘く、精悍な顔付き。その目元はくっきりとしていて、やや垂れ目の僕とは大違いだ。そして、程よく日に焼けた体。程よく筋肉の付いた腕と足。胸にはうっすらと筋肉が付き、今、ここは静かに一定のリズムを刻んでいた。その2つの丘の頂点にある突起はやや茶褐色で、それほど大きくもなく、また、小さくもなかった。腹筋はくっきりと割れ目が付いていて、でも、バッキバキと言う感じではなかった。

 そして、僕の視線は、嫌でもあの場所へ向かった。

 洋平の下半身。2本の足の付け根の、鮮やかなブルーと白の競泳用水着に包まれた膨らみ。

 そこは、普段から存在感を示すようなボリューム感で、小さな競泳用水着の中で、やや窮屈そうに収まっていた。

「…ぅああ…ッ!!

 その瞬間、僕は自分の体の異変を感じた。グレーの制服のズボン。その2本の足の付け根部分がくっきりとテントを張ったんだ。

「…んッ!!

 その部分を手で押さえた瞬間、僕の体に言いようのない電流が流れた。

「…はぁ…、…はぁ…!!

 僕の視線は洋平の股間に釘付けになっていた。

(…触りたい…!)

 僕をおぞましい感情が支配する。

「…だッ、…ダメだよッ、そんなの…ッ!!

 僕は頭をブンブンと左右に振った。

「(…洋平は、普通の男の子だぞッ!?…親友なんだぞッ!?)…そんなこと、…出来るわけないじゃないか…!」

 でも、僕の中には暴魔が現れていた。

(…触っちゃえよ…!)

 僕の中の暴魔が囁きかける。

(…お前の憧れだったんだろ?…洋平のことが好きなんだろ?…だぁいじょうぶだよ!洋平はぐっすり眠りに就いているんだ。だったら、今のうちさ!寝ているんだから分からねぇよ!)

 ブルブルと震える僕の右手が、ゆっくりと洋平の股間へ伸びて行く。僕の顔には汗が流れて行く。

(ほうら、もう少しで届くぞ!たぁっぷり観賞するんだな!)

 そして、僕の右人差し指と中指が、柔らかいものに触れた。

「…あ、…あぁ…!」

 僕の指が、洋平の股間の先端に触れている。

「…洋…平…?」

 僕は、恐る恐る洋平の顔を見る。だが、洋平は幸せそうな笑みを浮かべて、すぅすぅと寝ている。

 僕は、洋平の股間の先端をゆっくりと押してみる。ふにゃっとした感覚。でも芯はしっかりしているかのように、硬さがあった。

「…」

 僕は何も言わず、ゆっくりとその指を洋平の股の方へと移動させる。そして、下の方まで行く前に折り返すように指を再び上げる。まるで、洋平の上の部分だけを撫で上げるように。

 次に僕は、右手をそこから離し、下の部分をそっと包み込んでみた。

「…大きい…!」

 僕は息を飲んだ。水の中に入っていたので小さくなっていると思われたその部分は、それでもボリュームがあり、どっしりとした重量感があった。

 僕はもう一度、指で洋平の上の部分を触ろうとした時だった。

「…あれ?」

 僕は呟いた。

(…まさか…!)

 撫で上げる指の距離が長くなったように思えた。と同時に、洋平のそれが硬さを増していたんだ。

(…ウソッ!?

 僕は再び息を飲んだ。洋平のその部分が、競泳用水着の中でくっきりと浮かび上がり始めたと同時に、その先端が右上がり方向から少しずつ顔を出し始めたんだ。

「…はぁ…、…はぁ…!!

 目の前で露わになって行く洋平の股間。その先端はしっかりと剥けていて、わりと使い込んでいるように茶褐色をしていた。

(…食べたい…!)

 僕の中で暴魔が更に威力を増して来た。

(…洋平のを、…食べたい…!)

 目の前には、競泳用水着から顔を出した洋平の股間。そこへ僕は顔を近付けていた。

 プールの塩素の匂いがつんと香る。それ以外は全く何も感じられなかった。

 僕の舌が洋平の股間の先端へ伸びて行き、ツンツンとくびれを突いた。ゆっくりと上目遣いに洋平を見てみる。相変わらず、ニヤニヤと笑みを浮かべて眠りに就いている。

 僕は次に、洋平の股間の先端をペロリと舐めてみた。塩素の香りが口の中に広がる。剥け切った洋平のそこは弾力性があり、でも熱くなっていた。

(…もう少し…!)

 僕は両手で洋平の競泳用水着のウエスト部分をゆっくりと持ち上げた。と同時に、洋平の股間が、束縛から解放されたようにゆっくりと臍の方へ向かって伸び、真っ直ぐになった。

(…洋平…!)

 僕はじっと洋平の顔を見た。相変わらず、幸せそうな洋平の寝顔。それを見ているだけで、僕の胸が物凄く苦しくなって来た。

「…お前が、…悪いんだからな!」

 僕はそう呟くと、ゆっくりと洋平のそれを口の中に含んだ。洋平の熱いそれが口の中にあると思うだけで、僕の股間が痛いほどになっている。と同時に、下着の中がひんやりと冷たく感じられた。

「…」

 僕は何も言わず、何度か洋平のそれをゆっくりと口の中でスライドする。そして、静かに口の中から出した。

「…ここまでにしないと…!」

 これ以上、刺激すると、もしかしたら洋平が起きるかもしれない。僕は静かに洋平のそれを競泳用水着の中に戻し、急いで荷物を持って水泳部の部室を出た。

 帰り際。再度、洋平の顔を見てみたのだが、洋平は相変わらず、心地良い寝息を立てているだけだった。

 その夜、家に帰った僕は、洋平のそれを思い出しながら、何度も自慰行為に耽ったのは言うまでもない。

 

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