ジグザグ青春ロード 第11話

 

「…ん…、…んふ…!」

 しんと静まり返る僕の部屋。周りにもたくさんの家があるのに、時が止まったように静かで、キィンと言う空気の流れが感じられるほどだった。その中で、僕の荒い息だけが聞こえている、そんな感じがした。

 大きく息を吸い込んでみる。僕の鼻を、汗と埃と、塩素と、その部分の特有の匂いが掠めて行く。

 僕の目の前は真っ青な壁。壁と言うより、ちょっと固めのクッションと言ったような感じだ。それでも温もりがあって、そこに顔を埋めていると物凄く心地良い…。

 僕は今、ブルーターボに変身した洋平の股間に顔を埋めている。朝練で泳いでいるので、洋平の体からは塩素の匂いがしている。それに混ざるように、アンモニアと独特の匂いもしていた。

「…あぁ…!」

 時折、上から甘い吐息が聞こえて来る。僕はチラリと上目遣いで洋平を見上げる。そこには、目を閉じてうっとりとしている洋平がいた。

 その瞬間、僕のアソコも痛いくらいに勃起し、次の瞬間、

 ドクン!

 と大きく疼いた。

「…あ…!」

 僕は思わず声を上げた。

「ん?」

 その声に釣られるかのように、洋平も声を上げて僕を見下ろした。

「…あぁ…!」

 僕は恥ずかしさに言葉も出ず、顔を真っ赤にして洋平を見上げた。

「…感じちゃったんだ…?」

 いつもならバカにしたかのようにはやし立てる洋平なのに、今日は穏やかに笑っている。

 洋平と同じように、僕はイエローターボに変身させられ(ここ、ポイント!)、股間ははっきりとテントを張っていた。そして、光沢のある鮮やかな黄色のスーツのその先端が色を失っていたんだ。

「…洋平が、…悪いんだぞ…?」

 ドキドキと胸が高鳴る。思わず憎まれ口を叩く。すると、洋平は静かに頷き、

「いいよ。…もっと触ってくれよ…!」

 と腰をグイッと前へ突き出した。

「…あぁ…!」

 僕はさっきから情けない声ばかり上げているような気がする。そう言いながら僕は、洋平の大きく膨らんだそれを静かに握った。

「んッ!!

 感じたのか、洋平が声を上げ、腰をピクリと反応させた。

「…でっけェ…!!

 洋平の股間のそれを握りながら、僕は思わず声を上げた。

 ブルーターボのスーツの中で膨らむそれは固く、熱く、そして太かった。先端がしっかりと剥けているのは、この間の「おしゃぶり事件」で分かってはいたものの、ここまでじっくりと見たことはなかった。しっかりと形を形成し、えらがクッキリと張っていた。そして、それはトクントクンと小さく脈打ちながら僕の手の中でその存在感を表していた。

「俊介」

 不意に洋平が僕を呼んだ。

「…洋…平…?」

 洋平の顔を見た時、僕は思わずドキッとした。洋平がちょっと顔を赤らめ、僕を見ていたんだ。

「…オレのを、…食べてくれねぇか?」

「…ななな、…何を言い出すんだよ、…急に…!!

 本当は滅茶苦茶嬉しいはずなのに、こんなことしか言えない。心臓がドキドキして、今にも口から飛び出して来そうなほどだ。

「…この間のような、ちょっとだけじゃなくて…。…もっと、…じっくり、…食べられたいんだ…!!

 僕は開いた口が塞がらない。よくもまぁ、そんなことを人の顔をじっと見て言えるものだ。

「大好きな、俊介だからさ…!…なぁ、…頼むよ…!!

 顔を真っ赤にしながらも、切なそうな表情で言って来る洋平。

「…嫌だ…、…って、言えるわけないじゃないか!!

 無意識に大声を出していた。目の前の洋平が、驚いて目をパチクリさせるほど。

「…嫌なわけない…。…大好きな洋平だぞ?…僕のヒーローの洋平だぞ!?…そんな大切な人のお願い、聞けないわけないじゃないか!!

 自分でも驚いていた。洋平がストレートに言う言葉に赤面していたのに、たまにこうやって、自分の感情をストレートに表現している。しかも、洋平の前だけ。

「…俊介…」

 はっと我に返る。顔が真っ赤になる。恐る恐る、洋平を見上げる。

(…ウソ…ッ!?

 僕は思わず呆然となった。洋平の目が潤んでいたんだ。

「…よ、…洋…平…?」

 思わず尋ねざるを得なかった。その瞬間、洋平が僕を立ち上がらせたかと思うと、ギュッと抱き締めて来た。

「なッ…!?…よッ、…洋平…ッ!?

 洋平の温もり、静かな心臓の鼓動を感じながら、僕は洋平の背中に腕を回した。

「…ありがとう、…俊介…!」

 洋平の静かな声が耳元で聞こえる。

「…どうしたんだよ、…洋平…?」

 まともに顔を見ることが出来ない。と言うか、無理に洋平の顔を見ようとしても、洋平が物凄い力で僕の体を動かせないようにしている。

「…オレ、…俊介を好きで良かったぁ…!…俊介と一緒に、…ターボレンジャーになれて、…良かった…!…俊介に出会えて、…本当に良かったぁ…ッ!!

 その声が時々、震えるし上ずるし。こっちまで泣きそうになるのをグッと堪えながら、

「…なッ、何言ってんだよッ、洋平ッ!!…前にも言ったろ?…僕は絶対に洋平と離れないって!!

 と言った。

「…ああ!…そうだな!」

 暫くして、ようやく洋平が僕の顔を見てくれた。

「大好きだぞ、俊介!」

 そう言うと洋平の顔が僕の顔に近付き、チュッと唇が触れ合った。そして、いつもの洋平に戻ったかのように、ニッと悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「…何を今更…!」

 僕はそう言うとニッコリと笑った。

「で、どうすんの?食べて欲しいの?」

 敢えて意地悪してやろう、そう思った僕は洋平に逆に問い掛ける。すると洋平は、

「お願いします!俊介様!オレのを食べて下さいッ!!

 なんて言いながら腰をグイッと突き出した。

「…しょうがねぇなぁ…!!

 なんて言いながら、僕の股間は再び痛いくらいに勃起した。洋平のそこはずっと大きさを維持している。

(…ちょっと悔しい…)

 僕はそう思いながら、洋平の前で跪くと、洋平のそこを再び握った。

「…行くよ?」

 僕はそう言うと、ゆっくりと顔を洋平のそれへ近付け始めた。

「…はぁ…、…はぁ…!!

 洋平が荒い息をし始める。

 光沢のある鮮やかな青いスーツの中に納まっている洋平のそれをグイッと引っ張るようにして突き出すと、僕はゆっくりと口の中にそれを含んだ。

 

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