ジグザグ青春ロード 第14話
「…しゅ、…俊介ぇぇぇッッッ!!!!」
洋平の、意地悪な誘導尋問に引っ掛かった僕。それに気付いた瞬間、僕は顔が真っ赤。
(…ハメられた…!!)
恥ずかしいことを言わされ、一応、開き直ってみた。でも、そんな僕の心を見透かしているかのように、ベッドに寝転んでいる僕の上に洋平が大きくダイブして来たんだ。
「うわああああッッッッ!!!!」
そりゃ、悲鳴を上げるしかないでしょ!同じベッドの上。唖然として身動きの取れない僕。そこへ洋平が大きくダイブ。全てが一瞬だった。
ドスンと言う衝撃音がして、
「ぐえッ!!」
と僕はカエルの潰れたような声を上げた。
「…俊介…ッ!!…俊介ェェェェッッッッ!!!!」
洋平の、光沢のある鮮やかな青いスーツに包まれている腕が僕をぎゅうぎゅうと抱き締める。
「…かわいい…ッ!!…かわいすぎるぅぅぅぅッッッッ!!!!」
その腕の力が物凄く強い。やっぱり、水泳部で鍛えているだけあるのかなぁ、なんて余裕をかましている場合じゃない!
「…よ、…洋…平…ッ!!」
僕の、光沢のある鮮やかな黄色のスーツに包まれている腕が洋平を退けようと動く。だけど、目の前がぼんやりし始めて、思うように力が入らない。
…あ。
青いスーツや黄色のスーツって言うのは、今、洋平はブルーターボに、そして、僕はイエローターボに変身しているからなんだ。そんなかっこうで、僕の自室のベッドの上で抱き合っていたりする。こんなところ、母さんや、ましてや、レッドターボの力や、ブラックターボの大地、ピンクターボのはるなには絶ッッッ対、見せられませんッ!!
「…オレの言葉に簡単に引っ掛かってくれちゃって…!!…もうッ、…めっちゃくちゃ、…かわいすぎるぅぅぅッッッ!!!!」
「…よ、…よ…う…へ…い…!!」
ダメだ。本当に頭がぼぉっとして来た。
「…ぐ、…ぐるじ…!!」
洋平を退けようとする腕がブルブルと震えている。
「…?…ああッ!?」
ああっ、じゃないよッ、ったくぅッ!!
「ごッ、ごめんッ、俊介ッ!!」
ようやく気付いた洋平。慌てて僕の上から飛び退いた。
「…うぐ…、…ゴホッ!!…ゲホッ!!」
激しく咳き込む僕。目には涙がうっすらと滲んだ。
「…だ、…大丈夫…か?」
ブッチン!
とうとう爆発。次の瞬間、
「うおッ!?」
と言う洋平の声を聞いたような気がする。
「…大丈夫だったら、…こんなに、…咳き込んで…ない…ッ!!」
そう言いながら、僕が洋平を押し倒していた。
でも、それ以上のこと、洋平を押し倒してその胸に崩れること以外は、僕には出来なかった。まぁ、意識が朦朧としていたのもあるんだけど。
「…ごめん…」
いつの間にか、洋平の両腕が僕の背中に回っていた。
「…あまりに俊介がかわいすぎて、…制御が効かなかったんだ…」
「…洋平の、…アホぉ…ッ!!」
僕もそう憎まれ口を叩くので精一杯。
と言うか。
何故か、僕は洋平の腕の中で落ち着いていた。洋平に抱いてもらっていると物凄く落ち着くし、癒されている自分がいる。
(…これって…)
悔しいけど、僕は洋平に完全に虜にされている、ってことだよな。
「…俊介…」
洋平が顔を上げ、僕と見つめ合う。そのまま、僕をグイッと自身の体の上から押し上げると、僕をベッドに押し倒すような形で今度は僕の上に洋平が伸し掛かった。そして、無言のまま、僕と唇を合わせて来たんだ。
…チュッ!!…チュッ!!
洋平の舌が僕の口の中に入って来る。
「…ん、…んふ…ッ!!」
いつの間にか、僕の舌も洋平の舌を絡めるかのように懸命に動く。
「…んん…ッ!!」
その時、僕は自分の股間にぶつかる何かを感じ取っていた。
「…んん…、…んあッ!!あッ!!」
洋平がそれをグイグイと押し付け、小刻みに腰を前後する。洋平の大きな股間のそれが、僕のそれにぶつかっているんだ。そのたびに、僕の股間で大きく膨らんだそれが刺激され、快楽の波が押し寄せる。
「あッ!!あッ!!あッ!!」
僕が声を上げる。
「…俊介。…気持ちいい?」
洋平が静かに聞いて来る。
「…ッ!!」
その顔にドキッとした。
洋平の顔。エッチなことを聞いて来る時の、ニヤニヤした意地悪い顔じゃない。穏やかな笑みを浮かべて、じっと僕を見て聞いて来る。
「…よ、…洋…平…!」
やっぱりズルい。恥ずかしくなるようなことを、そんな優しい顔で聞いて来るなんて。
「…気持ちいい、俊介?」
洋平がもう一度、聞いて来た。
「…気持ち…いい…!!」
僕がそう答えた次の瞬間だった。
「んあああッッッ!!!!」
突然、体に違う電流が流れ、僕は思わず大声を上げた。