ジグザグ青春ロード 第19話
「まッ、またッ!!…ィイクッ!!」
僕の下腹部にじぃんとした痺れが襲って来て、
ドブッ!!ドブドブッ!!
と言う淫猥な音がして、僕のアソコの先端から何かが溢れ出た感覚がした。
いや、何かが溢れ出た「感覚がした」んじゃない。大好きな洋平に僕のアソコを再び、それも口に含まれるなんてことをされて、射精して果てたんだ。しかも、イエローターボに変身している僕。そのスーツを突き破るようにして射精するんだもん。まぁ、元気と言えばそれまでかもしれないけど。
「…あ…!!」
ぼんやりとする意識が少しずつはっきりして来て、僕は顔を更に真っ赤にした。
「…うああッ!!」
そりゃ、悲鳴も上げるでしょ。だって僕は、洋平の口の中に思い切り射精したんだから!
「…よッ、…洋平…?」
顔が真っ赤になっていたと思う。ゆっくりと頭を上げると、僕のアソコを咥えたままの洋平と目が合った。洋平もブルーターボに変身している。
「…あ、…あの…。…ご、…ごめん…!…早く、…吐き出して…!!」
僕がそう言った時だった。
ゴクン!
鈍い音がして、洋平の喉が大きく動いたんだ。
「うわあああッッッ!!!!」
そりゃ、大声も上げるってもんでしょ!
「ななな、何やってんだよ、洋平ぇッ!!」
僕のアソコから飛び出したものなんだぞッ!?僕の体の不要なものを出すのと同じ場所から飛び出したものなんだぞッ!?それを飲み込むなんて…ッ!!
すると洋平はようやく口を離し、
「…あ〜、苦かったぁ…!」
と言った。
「苦かったぁ、じゃないよッ!!」
僕は物凄い勢いで起き上がると、洋平の胸倉を掴んだ。洋平のブルーターボの、首の部分の生地に皺が寄る。
「…俊介?」
洋平がきょとんとしている。
「…おま…ッ、…おま…ッ!!」
顔は真っ赤だし、恥ずかしいし、洋平の胸倉を掴んでいる僕の腕はブルブル震えてるし!すると洋平は、またあの優しい笑みを浮かべて、
「俊介のだから、飲んでみたかったんだ」
と言い、僕を優しく抱き締めた。
「…でも…」
あの笑顔を見せられると、僕の怒る気力も失せる。多分、僕の前でしか見せたことがないんだろうな、って言う優しい笑み。そして、
「…大好きな俊介のだから、…オレは飲んでみたかった」
と言った。
「…洋平…」
それ以上、僕の口からは言葉が出て来なかった。
何だろう、この不思議な気持ち?
洋平が傍にいるって言う安心感。洋平だから、何も言わなくても分かるって言う気持ち。洋平が全てを包み込んでくれていると言う安心感。小さい時に妖精の光を見たって言う不思議な縁で繋がっていた僕ら。高校に入って運命の出逢いをして、同じようにターボレンジャーに選ばれて…。
「…どした、俊介ぇ?」
じっと見つめる洋平。どう言う表情をしたらいいのか、ちょっと困っているような、でも優しい笑みを浮かべて僕を見つめる洋平。
「…洋平ぇ…!!」
いつの間にか、僕の目から涙がポロポロと溢れていた。
すると洋平は、何も言わずに僕を静かに抱き締めてくれた。
「…洋平…!…洋平ぇ…!!」
改めて分かったことがある。僕はやっぱり、洋平が物凄く大好きなんだ。他の誰でもない。ましてや、女の子でもない。今、目の前にいる、時々、お調子者だけど、そんなところもひっくるめて、僕は洋平が大好きなんだ。
「…大丈夫だよ、俊介…!」
僕の心がお見通しのように、洋平が静かに言う。そして、僕の頭を優しく撫でてくれている。
「…オレは、俊介が大好きだから。…絶対に離れないし、…何があっても、俊介を守るから…!」
「…うん。…うん…!」
僕はぐしぐしと泣きながら、洋平の言葉を聞いている。
「…えへ…!」
いつまでも泣いてなんかいられない。と言うか、何だか、恥ずかしくなって、僕は泣き笑いを浮かべた。
「…ごめん。何か、急に泣きたくなって…」
僕がそう言うと、洋平は僕の頭をくしゃくしゃと撫でて、
「いつでも泣いていいよ。いつでも、ありのままの俊介を見せてくれよ」
と笑って言った。
「…さてと…」
不意に洋平が立ち上がり、キョロキョロとし始めた。
「…あ…」
洋平に釣られるかのように、僕も声を上げた。辺り一面に、夕闇が迫っていたんだ。
「…そろそろ、帰ろうかな…」
「…」
もっと一緒にいてよ、僕は本当はそう言いたかったのに言えずに黙っていると、洋平はニッコリとして、
「…オレももっと一緒にいたいよ。…でも、そろそろご家族の方も帰って来るだろ?」
と言い、チュッ、とキスをした。
「…んじゃ、…また明日な!」
洋平はそう言って変身を解除した。
「…でッ、でもッ!!」
僕は洋平の腕を掴んだ。
「…洋平は、…気持ち良くなってない…!」
すると洋平は再びニッコリとして、
「今日はいいよ。それよりも、何だか、凄く幸せな時間が過ごせたことが嬉しかったし」
と言って僕をもう一度抱き締めてくれた。と思ったのも束の間、いつもの意地悪い笑みを浮かべて、
「今度、たぁっぷり気持ち良くしてもらうからな!覚悟しとけよ!」
と言った。
「…ああ!」
思わず苦笑する僕。僕も変身を解除していた。
「分かったよ!今度、たぁっぷり、洋平を悶えさせてやるからな!」
僕も意地悪い笑みをして洋平に言ってやった。
「ああ!楽しみにしてるぜッ!!…んじゃ、またな!」
そう言うと洋平は僕の家を後にした。