ジグザグ青春ロード 第22話
…チュッ!!…チュッ!!
くすぐったい音が僕の部屋に響く。
ようやく、お互いの気持ちに素直になれた僕と洋平。大好きな洋平の夏、高校最後の水泳部の試合に期待がかかっていた洋平の夏が、暴魔百族の出現によって呆気ないほどに終わってしまった。洋平はそれを笑ってやり過ごそうとしていたんだけど、とうとう堪え切れなくなって僕の胸の中で泣いた。
僕だって、胸が張り裂けそうになるほど辛い出来事だった。ターボレンジャーとして一緒に戦う傍ら、洋平の肩には水泳での期待がかかっていた。それが暴魔百族の出現によって、全てを壊されてしまったのだから。
「…俊介…」
僕の部屋でキスをする僕と洋平。チュッ、チュッと唇だけを合わせる甘いキス。チュッ、チュッと言う音が妙にくすぐったい中、洋平が僕を呼んだ。
「…?」
僕は無言のまま、洋平を見つめる。
僕達は今、僕の部屋のベッドの上で折り重なるようにして体を重ねていた。当然のことながら、僕が下、洋平が上。
「…かわいいよ、…俊介…」
僕にしか見せることのない、優しい笑顔で言う洋平。僕はちょっと苦笑すると、
「…かわいいなんて年齢じゃないけど…」
と言うと、洋平の両頬を手で挟んだ。
「…?」
今度は洋平がきょとんとする番だった。
「…洋平は、…カッコいいよ…」
何の抵抗もなく僕の口を突いて出て来た言葉。すると、洋平はちょっと微笑むと、
チュッ!!
と僕に再度、キスをして来た。
「って言うかさ…!」
そんないい雰囲気をぶち壊すかのように、僕はずっと思っていたことを口に出した。
「何で僕ら、変身してるわけ?」
心地良いキスや、誰かが聞いていたら小恥ずかしくなるようなことを言い合っている中で、僕がずっと変に思っていたこと。それは、洋平はブルーターボに、そして僕はイエローターボにわざわざ変身していたことだった。それは、お互いにベッドに倒れこんだ時、洋平が僕らのターボブレスを操作したからなんだけど。
すると洋平はニッコリ微笑んで、
「だぁってさぁ、この方が何だか雰囲気が出るかなぁって思ってさ!」
と言った。そして、膝立ちになると自分のスーツをぐるっと見回して、
「このスーツってさ、体にピッタリフィットしていて、何かエロくねぇ?二の腕とか太腿とか、妙なエロスを感じるんだよなぁ!それに、キラキラしていて、余計にエロさが引き立つって言うかさ!」
と言った。
「…はぁ…」
僕が何も言えずに戸惑っていると、
「何だよぉ!!俊介は何にも感じねぇのかよぉ!?」
と洋平がぷっと顔を膨らませた。
「…い、…いや…」
その瞬間、僕の顔が真っ赤になったのが分かった。
僕の視線は、洋平のあの部分へ行っていたのだから。やっぱり、僕って変態かも…。
「…ん?」
僕の視線の先を追った洋平。それを認めた瞬間、ニヤッと笑うと、
「俊介君ったら、やぁらしぃ〜♪」
と声を上げた。
「…わッ、…悪りぃかよッ!?」
僕は思わず視線を逸らした。キラキラと光る、洋平のブルーターボのスーツ。その中で、洋平のアソコが大きくなり、クッキリと形を現していたんだ。
「俊介だって大きくなってんぞ?」
そう言うと洋平は、僕のイエローターボのスーツの中で大きくテントを張っている僕のアソコに手を伸ばすと、ギュッと握ったんだ。その瞬間、僕の体中に電流が流れ、
「んああああッッッッ!!!!」
と僕は声を上げ、体を折り曲げた。
「そんなエロい俊介君にはお仕置きしないとな!」
そう言うと洋平は、再び僕に伸し掛かって来たんだ。そして、息を吐く暇もなく、強引に僕の唇を奪って来たんだ。
…チュッ!!…クチュクチュ…ッ!!
さっきまでの甘いキスじゃない。洋平の舌が僕の口の中に容赦なく入り込んで、ヌメヌメと動き回っているんだ。
「…ふ…、…んん…ッ!!」
僕はギュッと目を閉じ、必死に洋平にしがみ付いていた。息が出来なくて苦しい。
と、その時だった。
洋平の右腕がそっと動いたかと思うと、指先が僕のわき腹から胸の方へゆっくりと動き始めたんだ。
「…んッ!!…んんんんッッッッ!!!!」
ぞわぞわとした感覚が僕を襲う。くすぐったいのか、感じているのかよく分からない感覚に思わず鳥肌が立ち、体をビクンビクンと跳ねらせた。
「…フフッ…!!」
洋平は一瞬だけ唇を離すとそう笑い、再び僕にキスをして来た。
…クチュクチュクチュッ!!…クチュクチュクチュ…!!
淫猥な音と同時に、僕の体には洋平の右手が這う。
「…んんッ!!…んんんんッッッッ!!!!」
僕はビクビクと体を跳ねらせるしか出来ない。その時だった。洋平が腰にグッと力を入れ、グイッと押し上げるような格好をしたんだ。
(…あ…!!)
僕の大きく勃起したアソコにぶつかる洋平のそれ。すると洋平は、腰を何度も何度もグイグイと突き上げ始めたんだ。
「…んんッ!!…んああああッッッッ!!!!」
声を上げずにはいられなかった。お互いのそれがぶつかり合い、妙な刺激を与えて来る。
「あああッッッ!!!!あああッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!」
まるで洋平に犯されているような気持ちになる。それに興奮している自分がいることにも驚かされた。
「…気持ちいい、俊介?」
腰をグイグイと突き上げながら、洋平が僕に聞いて来る。
「…んな…、…こと…!!」
僕の目尻にじんわりと涙が滲んでいる。恥ずかしいのか、自分でもよく分からなくなるくらい。
「…なぁ、…俊介。…気持ちいい?」
顔を赤らめた洋平が僕に何度も尋ねて来る。
「…んなこと、…聞くなよぉ…ッ!!」
僕が顔を赤らめて言うと、洋平はフフッと笑って、
「…じゃあ…、…こうすると…?」
と言って右手を動かしたんだ。その瞬間、
「んあああああッッッッッ!!!!!!」
と今までで最大級の叫び声を上げた。
僕のスーツの、黒と白であしらわれたT字のデザインの中に、ぷっくりと浮かび上がった僕の胸の突起。その左側を、洋平の白いグローブがキュッと摘んでいたのだった。