最後の恋 第20話
「…ん…」
その時、大地はゆっくりと目を開けた。
「…ここ…は…?」
薄暗い部屋。目の前がぼんやりとしている。
「…オレ…、…どうしたんだっけ…?」
お茶を飲んで、美味しいお菓子を食べて、…意識を失って…。
「…ッッッッ!!!?」
ようやく目を覚ましたかのようにはっとなると、大地は体を動かした。とその瞬間、
ガシャンッ!!ガチャガチャ…!!
と言う乾いた金属の音が聞こえ、両腕にピリッとした痛みを感じた。
「…な…ッ!?」
驚いて上を見上げる大地。
「…な…ッ、…何だよッ、これッ!?」
ブラックターボに変身し、光沢のある漆黒のスーツに身を包んでいる。その両腕が頭上へ伸び、その両手首を1ヶ所で拘束され、その先には冷たく銀色に光る鎖が天井から伸びていた。そのがっしりとした両足は肩幅よりやや広めに広げられていた。
「…く…ッ!!…取れ…、…ない…ッ!!」
両手首を拘束している鎖をグイグイと引っ張るも、どう頑張ってもそれを引きちぎることが出来ない。
「…く…っそ…オオオオオオオオ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!…いったい、誰が…ッ!?」
その時だった。
…コツ…。…コツ…。
ゆっくりとした足音が聞こえ始め、目の前に現れた人物を見た時、大地は驚いて目を見開いた。
「…ひ…ッ、…英浩さん…ッ!?」
「…ヤバい…!!」
僕がその話をした時、大地君は顔を真っ赤にし、それでも目をギラギラさせ、鼻息を荒くしてそう言った。
「…オレ…。…英浩さんにやられちゃうんですねッ!?」
「…ダメかな…?」
ブラックターボに変身した大地君の男としての象徴であるペニスを散々刺激し、絶頂へ導いたあの日。大地君が僕の部屋に初めて泊まりに来た日。僕は自分がやりたいと思っていたことを大地君に話してみた。
それは、ブラックターボに変身した大地君が捕らえられ、暴魔に操られた僕が大地君を責めると言うもの。いわゆる、ブラックターボの処刑と言うイメージプレイだった。
「いやいやいやいや!!!!」
大地君は大声でそう言ったかと思うと、僕を思い切り抱き締めて来た。
「…だ、…大地…君…ッ!?」
大地君の両腕に力が入っている。
「…オレ…、…嬉しいです…!!」
「…え?」
驚いて大地君を見上げると、大地君はニコニコしながら、
「オレ、英浩さんにもっとやられたいとずっと思っていました。今日、あんなに責めてもらって凄く気持ち良くて…。オレ、英浩さんになら何をされてもいいやって思えて…。しかも、オレがブラックターボに変身してですよ?つまり、ターボレンジャーと言う正義のヒーローに変身してってことですよ?そのギャップが、もう、何と言うか…」
「…大丈夫…?」
その時、僕は思わず尋ねていた。すると大地君は、
「…え?」
と言って僕を見た。
「…だって…」
多分、僕の顔は真っ赤になっていたと思う。火が出るくらいに熱いと言うのはこう言うことを言うのだと思うほどで…。
「…ヒーローを…。…この世界と僕達を守ってくれていたヒーローをそんな目で見ているって言うことなんだよ?…僕らみたいな人間が、大地君のようにカッコ良くて正義感に燃えているヒーローに屈辱を与えようとしているんだよ?…だから…」
その時、僕は大地君に再び強く抱き締められていた。
「…英浩さんだったら…。…相手が英浩さんだったら、何をされたっていいですよ!!」
トクン…。トクン…。
大地君の優しい心臓の音が聞こえて来る。
「確かに、中にはそう言う穿った目で僕達を見ている人だっているんだろうなぁと思いますよ?でも、それは人それぞれだし…。…それに…」
ちょっと照れたように笑う大地君。
「…何度も言いますけど…。…オレ、本当に英浩さんにだったら、何をされてもいいんです!!英浩さんのやりたいこと、何でも叶えてあげたいんですッ!!」
「…でも…」
その時、僕はニヤッと笑っていた。すると大地君は、
「あ、ヤベ!!」
と言うと、顔を引き攣らせた。
「…カッコいいことを言いながら…」
「んあッ!?」
僕の手に握られていたもの。グレーのスウェットズボン越しにパンパンに張った大地君の男としての象徴。
「カッコいいことを言いながら、大地君のチンポ、こんなにカチカチになっているし…!!」
「…あ…ッ!!…く…ッ!!」
体をビクッ、ビクッ、と跳ねらせながら、大地君は短く喘ぐ。
「…ククク…!!」
僕は低く笑うと、大地君のスウェットズボンのゴムの部分に手を掛ける。
「…も…ッ、…もうッ、出ないッ!!」
顔を真っ赤にして声を上ずらせて言う大地君。
「そう言いながら、腰を浮かせているのは何故かなぁ?」
そう言うと、僕は大地君のスウェットズボンを、下着ごと一気に引き摺り下ろした。
バチンッ、と言う音と共に露わになる大地君の大きく勃起したペニス。さっき、あんなに大量に出したと言うのにもう大きく勃起し、その先端を真っ赤に腫れ上がらせている。
「…はぁ…ッ、…はぁ…ッ!!」
「…ククク…!!」
僕は大地君のそれを優しく握ると、ゆっくりと顔を近付けた。
「…も…ッ、…もう、…止めて…!!」
「…お仕置きだよ…!!」
そう言うと、僕は大地君のペニスをゆっくりと口に含んだ。
「…あ…ッ!!」
その途端、大地君の体から力が抜け、ジュボジュボと言う淫猥な音だけが部屋中に響き渡った。
翌日――。
「じゃあ、始めましょうか!!」
ニコニコ笑顔の大地君。その目が心なしか、ギラギラと輝き、顔が赤らんでいる。
「…じゃあ…」
僕の心臓がドキドキと高鳴っている。これから大地君を、ブラックターボに変身した「正義のヒーロー」である大地君を僕の思いのままに滅茶苦茶に出来るのだ。ヒーローが屈辱に顔を歪ませ、ヒーローとしての、いや、1人の男としての象徴でもあり、プライドでもあるペニスを刺激され、無様に射精して果てるのだ。それを考えるだけで、僕の心臓は飛び出しそうになり、僕の2本の足の付け根に息づく僕の男としての象徴であるペニスも大きく勃起していた。
「…じゃあ…。…変身してよ…!!」
「はいッ!!」
大地君は両腕を胸の前でクロスさせ、
「ブラックッ、ターボオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
と叫びながらその両腕を前へ突き出し、両手首のところに両手をやり、何かを押すような仕草をした。その瞬間、大地君の体が輝き、大地君は光沢のある漆黒のスーツに身を包んでいたのだった。
「…じゃあ…、…拘束するよ?」
僕はそう言うと大地君の両手首を掴んだ。
「あ!その前にッ!!」
突然、大地君が声を上げた。そして、照れたように笑うと、
「…もう一度…。…英浩さんを抱き締めたいです…!!」
と言うと、僕を優しく抱き締めて来た。
「…もう、興奮が冷めちゃうだろう…?」
そう言いながらも、僕は大地君の体の温もりを感じていた。