力、絶体絶命! 第5話
「…止めろ…!!…止めてくれ…!!」
力の声が心なしか、震えてる。自分がしたことへの代償がこんなに大きく、そして、屈辱的なものであったとは。
「…ククク…!!」
そして、そんな力とは反対に、じりじりと力との距離を縮めて来る万里小路。その顔は今や、普通の人間ではなく、まるで禍々しい何かが取り憑いたかのような、不気味な表情をしていた。
「…おッ、…おい…ッ、…万里小路…ッ!!」
自身のプライドとも言うべき股間からじわじわと込み上げて来る鈍い痛みに必死に耐えながら、力は万里小路に声をかけた。目の前にいる万里小路の華奢な体と手から、どうやったらそんな力が出て来るのかと思うほどの強さで自身のペニスとその下に息づく2つの球体を握られた。
「…わ…ッ、…悪かった…ッ!!…たッ、…頼むから…ッ、…もう…ッ、…止めて…くれ…!!」
「…だったら…。…俺の言うことを聞くんだな…!!」
万里小路の冷たい声が地の底から響いて来るようだ。
「…さっきも言っただろう?俺の言うことには絶対だ、と」
そう言いながら、万里小路は力の背後へゆっくりと回る。
「けッ、けどッ!!オッ、オレにはそんな趣味はないって…」
「…そんな趣味…?」
その頃には、万里小路の細い両腕が力の体に纏わり付いていた。
「…ひ…ッ!!」
ゾワゾワとした感覚に、力は思わず小さな悲鳴を上げる。
「…お前にこんな趣味がないのは分かっている。だがそれはお前の事情であって、俺の事情ではない。そもそも、お前の事情は何も聞いていない…!!」
万里小路の細く華奢な腕が、力の筋肉質な体を這い上がって来る。
「…ク…、…ッ…!!」
力は顔を真っ赤にし、それを見ないように目を硬く閉じた。
「…お前は…、…俺の…、…玩具だ…!!」
「…ふ…ざ…、…ける…な…ッ!!」
その間にも、万里小路の腕が力の筋肉質な胸、腹を妖しく撫で続ける。力のうっすらと厚い胸板をガシッと鷲掴みにしたかと思えば、グニュグニュと揉み込んだり、バックリ割れた腹筋は軽く殴るように、手を拳状にしてポコポコと。
「…凄いな…、…力…。…さすが、この世界を守ろうとするターボレンジャーのレッドターボだけある…!!」
「…な…ッ、…なぁ…ッ!!…頼むよッ!!…もうッ、こんなことは…」
止めにしてくれ、そう言おうとした時だった。
「んあッ!?」
突然、体をビリビリとした電流が流れたような感覚がした。
「…あ…ッ、…あぁぁ…!!」
目を見開き、仰け反った体をビクッ、ビクッ、と悶えさせる力。
「…見ぃつけた…!!」
ニヤニヤと笑う万里小路の両手の細い指。それが、力のうっすらと厚く肉付いた両胸の2点を押すようにしていた。
「…お前の…、…1つ目の弱点…!!」
その指がゆっくりと動き始めた途端、
「んあッ!?ああッ!?ああッ!!ああッ!!」
と、力が悲鳴を上げ始めた。
野球部のユニフォーム。眩しいくらいに真っ白なそのユニフォーム越しに浮き出た両胸の2つの突起。万里小路の細い指はその2つの突起をくすぐるように小刻みに、時にゆっくりと周りを撫でるようにしたかと思うと、キュッと抓って引っ張ってみる。そのたびに力は、
「…あ…ッ!!…ああ…ッ!!…ん…ッ!!…くあ…ッ!!」
と声を上げ、体を痙攣させる。その太い両足がガクガクと震えた。
「…な…、…んだ…ッ、…これ…ッ!?」
暴魔百族と戦った時でさえ、こんな感覚は感じたことはなかった。当たり前と言えば、当たり前なのかもしれないが。
「…ククク…!!」
万里小路の細い指が、まるで意思を持ったかのように時に激しく、時に優しく、力のそこを刺激して行く。
「…感じるのか?」
「…ッッッッ!!!!」
顔を真っ赤にし、目をギュッと閉じて首を左右にぶんぶんと振る。
「…別に女だけがここが感じると言うわけではないんだ。…男だって…、…ほら…」
「んああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
力のそこをくすぐるように、万里小路の両手の人差し指が小刻みに動いている。
「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
ビクビクと体が痙攣し、体から力が抜けて行くような感覚がする。
「フフッ!!地球を守るレッドターボが、実は男にやられて感じてしまうとんでもない変態でした、ってか?」
「…ッッッッ!!!!」
その途端、力は目をカッと見開き、
「…感じてなんか…、…いない…ッ!!」
と呻くように言った。その目には涙が溜まっている。
「…どうかな…?」
その時、万里小路がゆっくりと力の前へ回り込んだ。
「…こ、…今度は…ッ、…何をする気だ…ッ!?」
すると、万里小路はフンと鼻で笑うと、
「何をしようと、俺の勝手だろう?…そもそも、お前に何かを言う権利はない…!!」
と言い、眼鏡の奥の瞳をギラリと輝かせた。
「…お前…。…感じてないんだもんな…?」
その言葉にムッとしたのか、
「…ああ…ッ!!…オレに、…何をしたって無駄だ…!!…さっきも言ったが、オレにはそんな趣味はない…!!」
と言った。すると万里小路は、
「…そうか…」
と言い、力のユニフォームの裾をズボンから引っ張り上げた。そして、それをゆっくりとたくし上げて行く。
「…何を…、…する気だ…ッ!?」
「何だっていいだろう?お前、感じてないんだから…」
万里小路の目の前に現れたのは光沢を帯びた黒色のアンダーシャツ。力のガッシリとした体付きをクッキリと表わすように、ぴったりと密着している。
その胸の部分。力の両胸の2つの突起は相変わらずぷっくりと浮き出ている。
その時、万里小路はその片方、右側へ顔を近付け始めた。そして、真っ赤な舌が口から出た途端、
…チュッ!!
と言う音を立てて、そこに吸い付いたのだ。
「んああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
さっきとは比べ物にならないほどの強烈な電流が力の体に流れる。
…チュッ!!…チュクチュク…ッッッッ!!!!
「…な…ッ、…何やってんだよオオオオッッッッ!!!?…やッ、止めろよオオオオッッッッ!!!!」
力のそこに丸い染みが出来上がり、その中心部分に突起がぷっくりと浮き出ている。
「動くなッッッッ!!!!」
その時、万里小路の大声が突然響き、力はビクリとする。
「お前に抵抗する権利はないッ!!俺の言うことには絶対なんだッ!!予算も、お前の正体もバラされたくなかったら、大人しくするんだなッ!!」
「…あ…ッ、…あ…あぁぁ…!!
冷たいイメージのフレームの奥から覘く2つの目。怒りに血走ったような、禍々しい気を放っているようにさえ見えるそれが力を動けなくしていた。