力、絶体絶命! 第9話
「今日はたぁっぷりと、お前を甚振ってやる」
万里小路の、冷たいイメージのフレームの奥にある更に冷たい瞳がギラリと輝いたように見えた。
「お前が、俺の奴隷になります、と言うまで、な!!」
「…ッッッッ!!!!」
その言葉が、まるで氷の刃のように力の心臓に突き刺さる。その言葉に、力は一瞬、恐怖を覚えた。
「…お…、…前…ッ!!」
レッドターボに変身させられ、無機質な台の上に大の字に拘束されている。その体は蛍光灯に照らされ、レッドターボの赤色のスーツが淫猥にキラキラと照り輝いている。絶体絶命であることに変わりはなかった。
(…けど…ッ!!)
その時、力の瞳に闘志が宿り、目付きが変わった。
(…オレは…ッ!!…野球部のエースなんだッ!!オレが野球部を守らなくてどうするんだッ!!…それにッ、オレはターボレンジャーなんだッ!!オレが秘密を守らなければ、こいつらが暴魔百族に狙われることになる…!!)
どこまでもお人好しな力。いや、それよりも、自身がレッドターボであり、暴魔百族と戦うターボレンジャーのリーダーであり、例え、目の前にいる万里小路のように下衆極まれない人間のためにも、戦う必要があった。
「(こんなやつの屈辱に負けて堪るかッ!!)…耐えてやる…!!」
絞り出すように言葉を出した力。その目はキッと万里小路を睨み付けている。
「…何?」
驚いたように、万里小路は声を上げた。
「耐えてやると言ったんだッ!!お前に何をされようと、オレはッ、野球部を守ってみせるッ!!そしてッ、オレ自身もお前の気持ち悪いやり方に耐えてやるさッ!!」
心の中に湧き上がる恐怖心を抑え込むように、必死に万里小路を睨み付ける力。だが、万里小路はそんな力の威勢を鼻で笑うと、
「…じゃあ、耐えてもらおうか…」
と言い、ゴソゴソとデスクの中を漁っていたが、暫くすると手に1本の棒状のようなものを持っていた。
「…なッ、…何だッ、それはッ!?」
力が驚き、目を少しだけ見開く。
力にとって初めて見る形状のもの。マイクのような形にも見えるそれの尾の部分にはコードが付いており、その先端はコンセントプラグへ挿し込めるようになっている。そして、その頭の部分は丸みを帯びており、手で握る柄の部分には1つのスイッチが付いていた。
「見たことがないのか?」
万里小路の問いかけに、力はコクンと頷く。
「…ふ〜ん…」
何とも感情のこもらない声でそう言うと、万里小路はそれを力の2本の足の付け根部分にこんもりとした山を作り出している、力の男としての象徴であるペニスに宛がった。
「なッ、何をする気だッ!?」
その声が心なしか、震えている。すると万里小路は、
「…こうするのさ…!!」
と言うと、そのスイッチを入れた。その途端、
ヴヴヴヴヴヴヴヴ…ッッッッッッッッ!!!!!!!!
と言う低い振動音が部屋に静かに聞こえ始めた。そして、
「はうあッ!?」
と、力は体をビクンと大きく跳ねらせ、弓なりにした。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
目をカッと見開き、顔を真っ赤にする力。その体がブルブルと小刻みに震えている。
「…な…、…んだ…ッ!?」
今までに感じたことのない感覚。その低い振動が力のペニスにおぞましい感覚を与えて来る。
「…や…、…め…!!」
「…フフッ!!…お前のチンポ、大きくなって来たじゃないか?」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
そうなのだ。
力のガッシリとした2本の足の付け根部分に息づく、力の男としての象徴・ペニス。両手両足を拘束されて暫く時間が経っていたせいか、すっかりおとなしくなっていたそれがその低い振動によって再び頭をもたげ始め、中心部分に芯を通し始めていた。そして、レッドターボの光沢のある鮮やかな赤色のスーツの中でその姿を完全なものにしつつあったのだ。
「…ああ…ッ、…く…ッ!!…ああああ…ッッッッ!!!!」
万里小路は、まるで全てを分かっているかのように力のペニスに刺激を与え続ける。まるで、ヒーローの処刑を粛々と進める処刑人のように。
「…やめ…、…ろ…おおおお…ッッッッ!!!!」
腰を動かし、何とかしてその直接の刺激を避けようとする。だが、そんな力の抵抗虚しく、その振動は確実に力のペニス、特にくびれた部分を徹底的に刺激するのだ。
「ああッ!!ああッ!!ああッ!!ああッ!!」
「随分と大きくなったなぁ、力ぃ」
万里小路の瞳がギラリと輝く。
「…お前、…感じてるのか?」
その言葉に力はカッとなり、
「…かッ、感じてなんかいないッッッッ!!!!」
と怒鳴った。
「…ククク…!!」
「…や、…止めろ…お…ッ!!」
万里小路の細長く蒼白い指が、力のペニスに振動を与えて来るそれのスイッチにのびる。そして、
カチッ!!
と言う音が聞こえたその瞬間、
ヴウウウウウウウウウウウウウウウウ…ッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
と言う、振動音が甲高くなったのと同時に、
「ぐぅわああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と言う力の悲鳴が部屋中に響き渡った。
「ああああッッッッ!!!!ああああッッッッ!!!!ああああああああッッッッッッッッ!!!!!!!!」
さっきまでとは全く違う強烈な刺激。それが力のペニスをあっと言う間に最大限にまで勃起させ、更に下腹部の奥底から込み上げて来るおぞましい感覚が力のペニスを上り始めていた。
「止めろッ!!止めろッ!!止めろオオオオオオオオッッッッッッッッ!!!!!!!!」
このままでは痴態を万里小路に晒すことになる。今までも散々、万里小路の目の前で屈辱的な行為を受け、痴態を晒して来た。これ以上は痴態を晒せない。それは野球部のエースとして、そして、レッドターボとしての力のプライドがそうさせていた。
そんな力の抵抗を見抜いているかのように、万里小路は、
「耐えるんだろ?」
と言って来た。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
その不気味な笑みを見た時、力の背筋に悪寒が走った。
「耐えるんだもんなぁ、力ぃ。この刺激に耐えなきゃ、真のヒーローとは言えないよなぁ?」
そう言った時、万里小路は甲高い振動音を立てているそれを力のペニスへ更にグッと押し付けたのだ。
ヴウウウウウウウウウウウウウウウウンンンンンンンンンンンンンンンンッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
さっきまでとは違う強烈な振動が力のペニスを襲い、
「うがああああああああああああああああッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
と、力は首筋に血管を浮き立たせて叫ぶ。
「…やッ、…止めろオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!…もッ、…もう…ッ!!…止めて…ッ、…くれええええええええええええええええッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
下腹部から込み上げて来るおぞましい感覚を懸命に堪えながら、力は目を硬く閉じて絶叫したのだった。