青と緑のイニシアティブ 第2話
地球誕生時、神が創り上げた生命体・ゴルデネメシス。彼は自分が絶対的存在になるために、悪の王国・リベリオスを創り上げ、人間を支配下にしようとした。
それに対抗するように、宇宙の善のパワーガ終結し、ゴルデネメシスを惑星ネメシスの地下深くに封じ込めた。しかし、急激な温暖化により、地中のマグマエネルギーが高まった結果、彼らは数百万年の眠りから目覚め、地球侵略を再開したのだった。
宇宙の善のパワーは5人の若者にその力を与え、ネメシスと戦うように宿命付ける。それが、救星戦隊ワクセイバーだった。
彼ら5人はもともと幼馴染みで、強い絆で結ばれていた。最年長でリーダー格の火鳥勇貴は炎のガーディアン・レッドマーズに、メンバーの中で一番の力持ちであり、一番の巨漢である水崎智は水のガーディアン・ブルーマーキュリーに、最年少でお調子者の日比野信は光のガーディアン・イエローサンに、おっとりとしていて頭脳明晰な木戸礼音は風のガーディアン・グリーンジュピターに、そして、紅一点の仁科おとはは愛のガーディアン・ピンクアースに惑星チェンジした。
「「「「「惑星チェンジッッッッ!!!!」」」」」
掛け声と共に左腕のブレスレットに力を込める。すると5人の体が光を帯び、それぞれに鮮やかな色のスーツを身に纏い、その強大な力でネメシスの怪人達と戦うのだった。
だが、あることをきっかけに、その5人の絆が断ち切られようとしていた。
カチッ、カチッ…。
しんと静まり返った部屋。時を刻む時計の音だけがうるさいくらいに大きな音に聞こえ、響き渡る。
「…」
「…」
薄明かりに灯された部屋。そのほんのりと照らし出されたベッドに、2人の男が体を寄せ合って寝転んでいた。光沢のある鮮やかな青色のスーツを身に纏った智。その筋肉質な胸板が静かに上下に動き、きらきらと輝く。そして、右腕を肩の位置で真っ直ぐに横へ伸ばしている。そんな智の右腕を腕枕にするようにして、光沢のある鮮やかな緑色のスーツを身に纏った礼音が智に密着するように体を寄せていた。
「…もう、終わりですね…」
礼音が静かに言う。すると、智の顔がゆっくりと動き、礼音をじっと見つめた。
「…そろそろ、飽きて来たでしょう…?」
「…何を言ってるんだ…?」
信じられないような表情で呆然としている智。すると礼音は、
「ああ、違いますよ。僕達のことではありません」
と言うと上半身を少しだけ起こし、智と唇を重ね合わせる。
…チュッ!!…チュクチュク…ッッッッ!!!!
さっきまでの野獣のような激しさは消え失せ、今はされるがままになっている智。
「…兄…、…貴…?」
虚ろな視線を向け、智は礼音に声をかける。すると礼音は、
「さっきまでの激しさはどこへ行ってしまったんです?」
と、悪戯っぽく笑った。
智と礼音。ワクセイバーの中では名乗りの順番は智が先、礼音が後だ。だが、実年齢で言えば、礼音の方が年上。最年長の勇貴と2番目に年長の礼音が智と信を囲む構図になっていた。
だが、もう1つ。この2人には幼馴染み以上の感情が互いにあった。
「…僕達が一緒になって、もうどれだけになりますか…?」
フッと笑みを漏らし、礼音は言うと、今度は自分の左腕を智の首の下へ回し、グイッと自身の方へ引き寄せる。
「…あ…」
それに釣られるようにして、智の大きな体が動き、ぽすんと言う音と共に礼音の両腕の中に包まれていた。
「…あ…、…に…き…」
「かわいいですね、智」
…クチュッ!!…クチュクチュ…ッッッッ!!!!
くすぐったい音が部屋の中に響き渡る。
「気が付いたら、こうやって一緒にいましたね」
「…そう…、…だな…」
幼馴染みを超えた関係。2人だけの特別な感情。
「…ワクセイバー…。どうするんだ、これから!!」
智が声を荒げる。
「…勇貴が…。…勇貴があんなだから、オレ達は…。…オレ達は…ッッッッ!!!!」
智が目をギュッと閉じ、握り締めた拳をブルブルと震わせる。そんな智の拳を、礼音が握っていた。
「心配することはありませんよ、智」
「…え?」
その時の礼音の顔を見た途端、智の心臓がドクンッ、と大きく高鳴った。
「…ククク…!!」
「…兄…、…貴…?」
今までに見たことがない礼音の表情。意地悪そうな、明らかに邪悪な意思を持つような笑み。その目がギラリと光る。
「もう、勇貴にはリーダーシップを取らせません」
「…どう言う…、…こと…だ…?」
「…ワクセイバーは僕と智、そして、勇貴の3人だけになってしまいました。ゴルデネメシスの狙いは飛び抜けた人間が持っている優性遺伝子。その力を使い、人間を支配しようとしているのです」
「…それは、おとはが…」
「おとはだけとは限りませんよ」
ドクンッ!!ドクンッ!!
礼音の言葉に、智の心臓がドクンッ、ドクンッ、と早鐘を打ち続けている。
「…ま…、…さ…か…!?」
「そう。そのまさかです。勇貴も、優性遺伝子を持っています」
「…あ…あ…あ…あ…!!」
今までに見たことがない礼音の凶悪な顔。頭脳明晰な次男と言う役割から一転、今は冷酷さが漂っている。
「つまり、3人でゴルデネメシスに立ち向かう振りをして…」
そう言った礼音の右手がピストルの形を作っている。
「…ま…、…まさか…、…勇貴を殺るのか!?」
俄かに震え出す智。そんな智を、礼音は優しく抱き締めた。その瞬間、智の体がビクリと大きく痙攣し、硬直する。
「殺しはしませんよ。ただ、背後からちょっと狙うだけです」
ニッコリと微笑む礼音。だが、その瞳の奥にはおぞましい感情がグルグルと渦巻いている。
「信が死んだのは想定外でした。彼が、おとは一途だったのはずっと知っていたのですが、そんなおとはを守るために命を落とすなんて…。そして、そんなおとはは、信の妹の陽南と共にゴルデネメシスに捕らえられ、優性遺伝子を奪われてしまった。僕達が生き残る道はただ1つ…」
「…勇貴を…、…差し出す…」
「ええ」
ニコニコしながらとんでもないことを言い出す礼音に、智は恐怖心を覚えていた。そんな智の心を見抜いたのか、礼音は、
「大丈夫ですよ、智」
と言うと、智のガッシリとした2本の足の付け根部分でふくよかな膨らみを形成している、智の男としての象徴を優しく包み込んだ。
「…あ…ッ!!」
その刺激に、智は体をビクリと跳ねらせる。
「今度は、あなたが主導権を握る番です」
「…あ…ッ!!…んあ…ッ!!」
礼音の右手を包み込む真っ白なグローブが、智のそこを優しく愛撫する。
「…お…、…おおおお…ッッッッ!!!!」
股の奥深くまで指が忍び込むと、智は体を弓なりにして声を上げる。そして、その指が奥深くから這い上がり、智の男としての象徴とその下に息づく2つの球体を撫で上げ、きれいなフォルムを形成している先端部分へ辿り着くと、くすぐるようにクリクリと小刻みに動く。その途端、
「ああッ!?ああッ!?ああッ!!ああッ!!」
と、智は喘ぎ、その筋肉質な双丘を上下に乱暴に揺り動かした。
「これからは、僕達で主導権を握るんですよ」
礼音はそう言うと、自身の右手の下で大きく勃起している智のペニスを握る。スーツのその部分には切り込みが入れられ、そこから智の大きく勃起したペニスが屹立していた。
「…あ…あ…あ…あ…!!」
智は体を小刻みに震わせ、呆然とその光景を見ている。
「…全ては…、…ゴルデネメシスのために…!!」
「…あ…ッ!!」
智が目をカッと見開き、体を弓なりにさせる。
…ジュボッ!!…ジュボジュボ…ッッッッ!!!!
淫猥な音が、薄暗がりの部屋の中に再び響き渡っていた。